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ファミリーフレンドリー企業とは?定義と認定制度、実現に向けた取り組みを解説
はじめに
育児や介護を担いながら働く社員は年々増えています。こうした社員が能力を発揮し続けられるかどうかは、制度の有無だけでなく、実際に使える状態になっているかどうかで決まります。ファミリーフレンドリー企業は、仕事と家庭の両立を支える企業像を示す言葉として、行政の表彰制度とともに広がってきました。本記事では、ファミリーフレンドリー企業の定義と背景、自社で実現するための取り組みを解説します。
ファミリーフレンドリー企業とは?
ファミリーフレンドリー企業とは、仕事と育児・介護とが両立できる制度を備え、多様で柔軟な働き方を労働者が選択できるよう取り組んでいる企業をいいます。厚生労働省は1999年度から「ファミリー・フレンドリー企業表彰」を実施し、こうした企業を表彰してきました。この表彰は2007年度に均等推進企業表彰と統合され、現在は「均等・両立推進企業表彰」のファミリー・フレンドリー企業部門として実施されています。表彰の考え方として示されてきた要素は四つに整理できます。第一に、法を上回る育児・介護休業制度を持ち、実際に利用されていること。第二に、柔軟な働き方ができる制度を持ち、実際に利用されていること。第三に、制度を利用しやすい職場の環境や風土があること。第四に、仕事と家庭の両立を支援する方針が明確で、それが社内に周知されていることです。制度の有無だけでなく「実際に利用されているか」が問われる点が特徴といえます。なお、両立支援に取り組む企業を評価する仕組みとしては、次世代育成支援対策推進法に基づくくるみん認定や、女性活躍推進法に基づくえるぼし認定もあり、目的や基準はそれぞれ異なります。
ファミリーフレンドリー企業がよく使われるシーン
人事制度の方針を検討する場面で、目指す企業像を表す言葉として用いられます。両立支援制度の設計や見直しにあたり、法定を上回る部分をどこまで設けるか、柔軟な働き方をどの範囲で認めるかを議論する際の基準になります。採用の場面でも用いられます。求職者は制度の有無に加えて、実際の取得実績や職場の雰囲気を重視するため、両立支援の実態を具体的に示すことが応募動機に影響します。加えて、取引先や自治体との関係で、両立支援の取り組み状況を示す機会もあります。行政の表彰や認定を受けた企業は、公共調達での加点や広報上の効果を得られる場合があります。社内では、管理職研修や制度説明の場で、目指す姿を共有する言葉として使われることが多く見られます。
ファミリーフレンドリー企業を理解することの重要性
ファミリーフレンドリー企業という考え方を理解することは、両立支援を「制度整備」から「実際に機能する仕組み」へ進める視点をもたらします。就業規則に制度を書き込んでも、利用者が少ない、あるいは特定の部署に偏っているという状態であれば、その原因は運用や風土にあります。取得率、平均取得日数、復職率、復職後の定着率といった指標を確認することで、課題の所在が見えてきます。もう一つの重要性は、対象を限定しない発想にあります。両立支援を育児中の女性だけの課題と捉えると、男性の育児参加や介護を担う社員への対応が遅れます。介護は予告なく始まることが多く、突然の離職につながりやすい領域です。柔軟な働き方を全社員が選べる状態にしておくことが、結果として組織全体の対応力を高めます。制度を使う人と使わない人の間に不公平感が生じないよう、業務配分や評価の考え方を整えておくことも欠かせません。
実務で活かすためのチェックポイント
- 育児・介護休業制度が法定をどこまで上回っているかを整理する。
- 制度ごとの利用実績を性別・部署別に把握し、偏りの有無を確認する。
- 柔軟な働き方の選択肢を洗い出し、対象者の範囲を見直す。
- 管理職向けに制度の内容と支援の考え方を説明する機会を設ける。
- 制度利用者の業務配分と評価の取扱いを明文化し、不公平感を防ぐ。
よくある質問(FAQ)
Q1. ファミリーフレンドリー企業とは何ですか。
A. 仕事と育児・介護が両立できる制度を備え、多様で柔軟な働き方を選択できるよう取り組んでいる企業を指します。
Q2. 表彰制度は現在も続いていますか。
A. 2007年度に均等推進企業表彰と統合され、均等・両立推進企業表彰のファミリー・フレンドリー企業部門として実施されています。
Q3. くるみん認定との違いは何ですか。
A. くるみん認定は次世代育成支援対策推進法に基づく認定制度で、行動計画の策定と目標達成が要件となります。表彰とは根拠法や仕組みが異なります。
Q4. 中小企業でも取り組めますか。
A. 取り組めます。制度の拡充だけでなく、柔軟な勤務の運用や情報共有の工夫など、規模に応じた進め方があります。
Q5. 何から着手すればよいですか。
A. 現行制度の棚卸しと利用実績の把握です。使われていない制度の原因を探ることが、実効性を高める出発点になります。
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