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固定残業代とは?仕組みと違法にならないための注意点を解説
はじめに
求人票や給与明細で「固定残業代」という言葉を目にしたことがある方は多いのではないでしょうか。あらかじめ一定額の残業代を月給に組み込む仕組みですが、内容を正しく理解していないと、労使双方にとってトラブルの火種になりかねません。本記事では、固定残業代の仕組みと、運用時に注意すべきポイントを解説します。
固定残業代とは?
固定残業代とは、あらかじめ定めた一定時間分の時間外労働などに対する割増賃金(残業代)を、実際の残業時間にかかわらず定額で支給する仕組みのことです(厚生労働省『固定残業代を賃金に含める場合は、適切な表示をお願いします』、2026-10-31取得)。「みなし残業代」と呼ばれることもあります。たとえば「固定残業代として月30時間分、5万円を支給する」という制度であれば、実際の残業が10時間でも30時間でも、5万円が固定で支払われます。ただし、実際の残業時間が設定時間を超えた場合は、その超過分について別途割増賃金を支払う必要があります(厚生労働省『固定残業代を賃金に含める場合は、適切な表示をお願いします』、e-Gov法令検索『労働基準法』第37条、2026-10-31取得)。
出典を示した部分を除き、この用語の説明は当社の見解です。
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固定残業代がよく使われるシーン
固定残業代は、求人募集時の給与体系として広く使われています。月給に固定残業代を含めることで、一定の残業を前提とした年収イメージを求職者に示せるため、採用活動における給与設計の一部として組み込む企業が多く見られます。営業職やコンサルティング職など、業務量が日によって変動しやすい職種でもよく採用されます。実労働時間の管理が難しい業務において、あらかじめ残業代を織り込むことで、給与計算の実務を簡素化できる面があるためです。給与明細の作成場面でも重要になります。基本給と固定残業代を明確に区分して表示することが求められ、区分が曖昧な場合は、固定残業代制度そのものが無効と判断されるリスクにつながります。
固定残業代を理解することの重要性
固定残業代を正しく理解することは、労務コンプライアンスの観点から極めて重要です。固定残業代制度が有効と認められるには、基本給と固定残業代部分が明確に区分されていること、固定残業代が何時間分の残業に相当するかが明示されていること、実際の残業が設定時間を超えた場合に追加で割増賃金を支払う運用になっていることなど、複数の要件を満たす必要があるとされています。これらの要件を欠く場合、固定残業代として支払っていた金額が基本給の一部とみなされ、あらためて残業代の未払いを請求されるリスクが生じます。求職者や従業員の側から見ても、固定残業代の時間数や金額を正しく理解しないまま働き始めると、実際の残業時間との乖離に気づいたときに不信感につながりかねません。人事担当者には、制度の設計段階での要件充足はもちろん、従業員への説明を丁寧に行う姿勢が求められます。