⌖ Detail
はじめに
働く場における男女の違いを考えるとき、よく耳にする言葉のひとつがジェンダーギャップです。性別による格差を表すこの言葉について、本記事では、その意味や関わる場面、人事として押さえておきたいポイントを整理してご紹介します。あわせて、格差と向き合う際に陥りやすい落とし穴にも触れていきます。
ジェンダーギャップとは?
ジェンダーギャップとは、性別によって生じる格差を指す言葉です。社会的・文化的につくられた性別の役割(ジェンダー)に基づく違いが、待遇や機会、役割の偏りとして表れることを意味します。とりわけ、経済、教育、健康、政治といった分野での男女の格差を表す際に用いられます。
職場におけるジェンダーギャップは、たとえば、管理職に占める男女の比率の偏り、賃金の差、役割や仕事の任され方の違いなどとして表れることがあります。こうした格差は、必ずしも誰かが意図して生み出したものとは限らず、長い間続いてきた慣習や、無意識の思い込みが背景にあることも少なくありません。そのため、現状を数字などで捉え、どこに偏りがあるのかを把握することが、考える出発点になります。見えにくい格差ほど、まず実態を知ることが第一歩となります。数字に表れにくい、仕事の任され方や評価の傾向にも目を向けることが求められます。
広告
ジェンダーギャップがよく使われるシーン
ジェンダーギャップという言葉は、組織の現状を振り返る場面で用いられます。たとえば、管理職や採用における男女の比率、勤続年数、職種ごとの偏りなどを確認し、課題を整理する際に使われます。ある時点の数字だけでなく、時間の流れの中での変化を見ることも参考になります。
また、働き方や制度を見直す場面でも手がかりとなります。性別にかかわらず力を発揮できる環境を整えるうえで、どこに見えにくい壁があるのかを考えるきっかけになります。制度そのものに偏りがなくても、運用の中で差が生じていないかを見ることも大切です。さらに、社外への発信や報告の場面でも触れられることがあります。多様な人材が活躍できる組織であることを示す指標のひとつとして、関心が高まっているためです。こうした場面では、格差を一面的に捉えるのではなく、その背景にある事情まで含めて丁寧に見ていくことが大切です。数字の差だけを取り上げると、かえって実態を見誤ることもあるため、注意が求められます。
ジェンダーギャップを理解することの重要性
ジェンダーギャップを理解することは、誰もが力を発揮できる組織を考えるうえで役立ちます。性別による偏りに気づくことで、見過ごされてきた機会の不均衡や、働きにくさの要因に目を向けやすくなります。多様な人材が活躍することは、組織にとっても新しい視点や活力をもたらすと考えられています。性別を問わず力を発揮できることは、人材を確保するうえでも意味を持ちます。
一方で、ジェンダーギャップへの向き合い方には、慎重さも求められます。格差をなくそうとするあまり、性別だけに着目して一律の対応をとると、かえって個人の事情や希望が置き去りになることもあります。大切なのは、性別にかかわらず一人ひとりが希望や力に応じて選択できる環境を整えることです。また、男女のいずれかに偏った見方をせず、誰にとっても働きやすい状態を目指す視点も欠かせません。現状を正しく捉え、背景を理解したうえで、自社に合った取り組みを地道に進めていくことが望まれます。他社の事例も参考にしつつ、自社の実情に合わせて考えることが大切です。短期間で大きく変わるものではないからこそ、継続して向き合う姿勢が問われます。
✺ Editor’s Memo
現場での運用は、業界・規模・組織文化によって大きく変わります。記事内のインタビュー事例も併せて参考にしてください。
— SHARE with カイシャの育成論 編集部