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ガラスの崖

Reading ガラスノガケEnglish Glass Cliff

ガラスの崖とは、女性やマイノリティが、業績の悪化や危機など、成功が難しい不安定な状況でリーダーに登用されやすい傾向を指す言葉です。研究者によって提唱された概念で、昇進の機会が与えられているように見えて、実際には失敗の危険が高い「崖」の上に立たされているという比喩から名づけられました。

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はじめに

女性や、これまで登用されにくかった人材が、リーダーの地位に就く機会が広がっています。一方で、そうした人材が、あえて困難な状況で要職を任され、結果として失敗のリスクを負わされやすいという現象が指摘されています。これがガラスの崖です。本記事では、その意味や注目される場面、向き合ううえで押さえておきたいポイントを整理してご紹介します。

ガラスの崖とは?

ガラスの崖とは、女性やマイノリティが、業績の悪化や危機など、成功が難しい不安定な状況でリーダーに登用されやすい傾向を指す言葉です。研究者によって提唱された概念で、昇進の機会が与えられているように見えて、実際には失敗の危険が高い「崖」の上に立たされているという比喩から名づけられました。

昇進そのものを阻む見えない壁を「ガラスの天井」と呼ぶのに対し、ガラスの崖は、壁を越えて登用された後に待ち受ける困難に注目します。困難な状況での登用は、本人の力量とは別の要因で失敗に至りやすく、その結果が「やはり向いていなかった」という誤った評価につながる恐れがあります。登用が進むこと自体は前向きな変化ですが、どのような状況で任せるかにも目を向ける必要があるという問題提起を含んでいます。この概念は、登用の機会が広がる一方で、その機会が公平な条件のもとで与えられているかを問う視点を提供します。

ガラスの崖がよく使われるシーン

ガラスの崖は、経営層や管理職への登用を考える場面で参照されます。とくに、業績が低迷している部門や、立て直しが難しい事業のリーダーに、多様な人材を起用しようとするときに意識されます。

また、ダイバーシティの数値目標を達成しようとするあまり、十分な支援のないまま困難な役割を任せてしまう状況への注意喚起としても用いられます。多様な人材の登用を進める組織が、その登用が形だけのものになっていないか、本人が成功できる環境を整えているかを点検する視点として参照されることが増えています。あわせて、危機対応のリーダーに特定の属性の人材が偏って起用されていないかを振り返る材料にもなります。

ガラスの崖を理解することの重要性

ガラスの崖を理解することは、多様な人材の登用を、見かけだけで終わらせないために役立ちます。登用の数が増えても、その人たちが力を発揮できない状況に置かれていれば、結果として「登用しても成果が出ない」という誤った印象を広げ、かえって多様性の推進を妨げかねません。

また、困難な役割を任された本人が孤立し、十分な支援を得られないまま責任だけを負う事態は、本人の意欲や定着にも影響します。登用を進める際には、その役割が成功できる環境にあるか、必要な権限や支援が伴っているかを確認することが欠かせません。ガラスの崖は、多様性の推進を「人数」だけでなく「環境」の面からも捉えるべきだという気づきを与えてくれます。登用の成果は、本人の資質と置かれた状況の双方から生まれます。状況の不利を見落としたまま結果だけを評価すれば、公正さを欠く判断につながりかねません。

実務で活かすためのチェックポイント

  1. 困難な役割への登用が、特定の属性に偏っていないかを客観的に確認します。
  2. 登用にあたり、必要な権限や資源、支援が伴っているかを点検します。
  3. 数値目標の達成を急ぐあまり、形だけの登用になっていないかを振り返ります。
  4. 登用した人材が孤立しないよう、相談相手や伴走の仕組みを用意します。
  5. 結果を評価する際、本人の力量と状況要因とを切り分けて判断します。

よくある質問(FAQ)

Q. ガラスの天井とは何が違うのでしょうか。

A. ガラスの天井は、昇進そのものを阻む目に見えない壁を指します。これに対しガラスの崖は、壁を越えて登用された後に、困難な状況ゆえに失敗のリスクを負わされやすい点に注目します。前者は「登用されにくさ」、後者は「登用された後の不利」に焦点を当てた概念です。

Q. 困難な役割を任せること自体が問題なのでしょうか。

A. 困難な役割を任せること自体が悪いわけではありません。問題となるのは、その登用が特定の属性に偏り、かつ成功に必要な支援が伴わない場合です。挑戦の機会は重要ですが、本人が力を発揮できる環境を整えることとあわせて考える必要があります。

Q. どうすればガラスの崖を避けられるのでしょうか。

A. まず、困難な役割への登用に偏りがないかを客観的に見ることが出発点になります。そのうえで、登用する人材に必要な権限や資源、相談できる体制を用意し、孤立させないことが大切です。結果を評価する際にも、状況要因を考慮し、安易に本人の能力の問題と結びつけないことが求められます。こうした配慮の積み重ねが、多様な人材の登用を実りあるものにします。

自社の人材育成・組織課題に関するご相談

ガラスの崖は、登用の判断だけでなく、登用した人材をどう支えるかという組織の仕組みと深く結びついています。多様な人材が活躍できる環境づくりや、登用後の支援体制の整備にお悩みの際は、第三者の視点を取り入れて整理することも有効です。具体的なご相談をご希望の方は、こちらのお問い合わせ窓口(https://wonderful-growth.com/contact)よりお気軽にお問い合わせください。

関連情報

ガラスの崖への理解を深めるうえでは、「ガラスの天井」「ポジティブアクション」「インクルーシブリーダーシップ」といった関連概念もあわせて確認すると効果的です。これらはいずれも、多様な人材が公正に活躍できる組織をどうつくるかという観点でつながっています。

✺ Editor’s Memo

現場での運用は、業界・規模・組織文化によって大きく変わります。記事内のインタビュー事例も併せて参考にしてください。

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