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グッドハートの法則とは?測定基準が目標化すると起こる歪みを解説
はじめに
評価制度やKPI運用の現場では、数値目標を追いかけるあまり、本来の目的を見失ってしまうことがあります。こうした現象を的確に言い当てた経済学の法則が「グッドハートの法則」です。指標の設計を誤ると、組織の努力が本質からずれてしまうリスクがあります。本記事では、グッドハートの法則の意味や実務で使われる場面、評価制度に活かすためのポイントを解説します。
グッドハートの法則とは?
グッドハートの法則とは、ある指標が目標として設定され重視されるようになると、その指標はもはや優れた測定手段ではなくなるという経済学の法則です。イギリスの経済学者チャールズ・グッドハートが1975年にイギリスの金融政策に関する論文の中で示した考え方が原点とされています。
その後、人類学者マリリン・ストラザーンが1997年に「ある基準が目標に変わると、それは良い基準であることをやめる」という簡潔な言い回しで再定式化し、経済学の枠を超えて広く知られるようになりました。現在では、評価制度やKPI運用など、数値目標が人の行動に与える影響を語るうえで頻繁に引用される考え方です。
グッドハートの法則がよく使われるシーン
グッドハートの法則は、人事評価制度の設計や運用の場面でしばしば引き合いに出されます。営業成績や対応件数といった特定の数値だけを評価基準にすると、従業員がその数値を上げること自体を目的化してしまい、顧客満足度や仕事の質といった本来重視すべき価値がおろそかになることがあります。KPIを設定する際に、現場が数値を良く見せるための行動に走り、事業の実態が見えにくくなるケースもこの法則で説明されます。
品質管理や教育の分野でも活用される考え方です。検査基準を満たすことだけが目的化して本質的な品質改善が置き去りにされたり、テストの点数を上げるためのテクニックばかりが重視されて学習意欲の育成が二の次になったりする現象も、グッドハートの法則の一例として語られます。
グッドハートの法則を理解することの重要性
グッドハートの法則を理解することは、評価制度やKPIを設計するうえで欠かせません。単一の数値目標に頼りすぎると、従業員は評価される指標だけに注意を向けるようになり、組織が本来目指していた成果からかえって遠ざかってしまう可能性があります。
この法則を踏まえれば、指標を設定する際には、それが従業員のどのような行動を引き出すのかまで考慮する必要があるとわかります。複数の指標を組み合わせたり、定性的な評価を取り入れたり、目標そのものを定期的に見直したりすることで、指標が形骸化するリスクを抑えられます。評価制度を運用する人事担当者にとって、この法則は健全な目標設定を続けるための重要な視点となります。
実務で活かすためのチェックポイント
- 単一指標への依存を避ける:一つの数値だけで評価を完結させず、複数の指標を組み合わせます。多角的な指標が行動の歪みを防ぎます。
- 指標が引き出す行動を想像する:その指標を追うと従業員がどう動くかを事前に検討します。行動の予測が制度設計の精度を高めます。
- 定性的な評価を組み合わせる:数値だけでなく、行動やプロセスの質も評価に反映します。定性面の評価が本質的な価値を補完します。
- 目標を定期的に見直す:一度設定した指標を固定化せず、状況に応じて更新します。見直しの習慣が形骸化を防ぎます。
- 現場の行動変化を観察する:指標導入後に現場でどのような行動が生まれているかを確認します。観察が制度の副作用の早期発見につながります。
よくある質問(FAQ)
Q1. グッドハートの法則とはどのような法則ですか。
A. ある指標が目標として重視されるようになると、その指標は本来の測定機能を失ってしまうという経済学の法則です。
Q2. 誰が提唱した法則ですか。
A. イギリスの経済学者チャールズ・グッドハートが1975年の論文で示した考え方が原点で、後に人類学者マリリン・ストラザーンが広く知られる形に言い換えました。
Q3. 人事評価制度とどのように関係しますか。
A. 営業成績や対応件数など単一の数値を過度に重視すると、従業員がその数値だけを追い求め、顧客満足度や品質など本質的な価値が損なわれる可能性を示唆します。
Q4. この法則が起きやすいのはどのような場面ですか。
A. KPI運用、品質管理、教育評価など、数値目標が人の行動に直接結びつく場面で起こりやすいとされています。
Q5. どうすればこの法則の悪影響を避けられますか。
A. 単一指標への依存を避け、複数の指標や定性評価を組み合わせ、目標設定そのものを定期的に見直すことが有効です。
自社の人材育成・組織課題に関するご相談
評価指標の設計は、数値の追いやすさだけでなく、従業員の行動にどのような影響を与えるかまで見据える必要があります。「自社の評価制度やKPIが形骸化していないか点検したい」「行動の歪みが起きにくい指標設計を行いたい」といったご相談は、貴社の状況に合わせて承ります。ご相談は下記よりお気軽にお問い合わせください。
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