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はじめに
1on1ミーティングや部下との面談で、つい一方的にアドバイスをして終わってしまう。そんな悩みを持つ管理職の方は少なくありません。相手の考えを引き出し、自発的な行動につなげる対話の進め方として、世界中で広く使われているのがGROWモデルです。コーチングの代表的なフレームワークとして、人材育成の現場に定着しています。本記事では、GROWモデルの意味や構成、よく使われる場面、効果的に活用するためのポイントを整理してご紹介します。
GROWモデルとは?
GROWモデルとは、コーチングにおける対話の流れを四つの段階で構造化したフレームワークを指します。目標を明確にするGoal、現状を把握するReality、選択肢を広げるOptions、実行への意思を固めるWill(またはWay Forward)の頭文字をとってGROWと呼ばれます。1980年代にイギリスのコーチング界で生まれ、ジョン・ウィットモア氏の著書などを通じて世界に広まりました。
進め方の基本は、問いかけによって相手自身の考えを引き出すことです。まず、達成したい目標を本人の言葉で具体化します。次に、目標に対する現状や課題を客観的に確認します。そのうえで、目標と現状の差を埋める選択肢を幅広く挙げ、最後に、何をいつまでに行うかという行動を本人が決めます。答えを与えるのではなく、本人が考え、選び、決めるプロセスを支えることで、行動への納得感と主体性が高まるという考え方にもとづいています。
GROWモデルがよく使われるシーン
GROWモデルが最も活用されるのは、上司と部下の1on1ミーティングや育成面談の場面です。部下が抱える課題や目標について、四つの段階に沿って問いかけることで、対話に流れが生まれ、本人の気づきと次の行動が明確になります。
また、目標設定面談や評価のフィードバック面談で、次期に向けた行動計画を本人主体で描く際にも有効です。管理職研修やコーチング研修では、対話演習の型として定番的に扱われています。人事担当者がキャリア面談を行う場面や、メンター制度におけるメンタリングの進行にも応用できます。ビジネスの場面に限らず、本人の主体的な行動を引き出したいあらゆる対話で活用されています。
GROWモデルを理解することの重要性
GROWモデルを理解することは、育成的な対話の質を高めるうえで大きな意味を持ちます。経験豊富な上司ほど、部下の課題に対してすぐに答えを示したくなりますが、与えられた答えでは本人の考える力が育ちにくく、行動も長続きしません。GROWモデルは、教える対話から引き出す対話への転換を、誰もが実践できる形に落とし込んだ点に価値があります。
一方で、型をなぞるだけでは効果は限られます。問いかけの順番よりも大切なのは、相手への関心と傾聴の姿勢です。また、相手に知識や経験が不足している場面では、コーチングよりもティーチングが適することもあります。GROWモデルを万能の手法と考えるのではなく、相手の状況に応じて使い分ける判断力とあわせて身につけることが、実務で成果を出す鍵になります。
実務で活かすためのチェックポイント
- 対話の冒頭で、本人が達成したい目標を本人の言葉で具体化します。
- 現状の確認では、事実と解釈を区別しながら丁寧に問いかけます。
- 選択肢を挙げる段階では、評価や否定を挟まず幅広く引き出します。
- 最後に、何をいつまでに行うかを本人自身に決めてもらいます。
- 次回の対話で行動の結果を振り返り、学びを次につなげます。
よくある質問(FAQ)
Q. 四つの段階は、必ず順番どおりに進めるべきでしょうか。
A. 基本の流れとしては順番どおりが分かりやすいですが、厳密に守る必要はありません。対話のなかで目標が揺らげばGoalに戻り、新しい事実が出てくればRealityを確認し直すなど、行き来しながら進めるのが自然です。型に縛られず、相手の思考の流れに寄り添うことが大切です。
Q. ティーチングとは、どう使い分ければよいのでしょうか。
A. 相手の知識や経験の度合いで判断します。業務の基本をまだ身につけていない相手には、まず教えるティーチングが適しています。一定の経験があり、自分で考える材料を持っている相手には、GROWモデルによる問いかけが効果的です。実際の育成では、両者を組み合わせて使うことがほとんどです。
Q. 1on1で使う際の注意点はありますか。
A. 尋問のようにならないことが最も重要です。質問を矢継ぎ早に重ねると、相手は評価されているように感じ、本音を話しにくくなります。相手の話を最後まで聴き、沈黙も考える時間として待つ姿勢が土台になります。また、毎回すべての段階を完了させようとせず、対話の積み重ねのなかで活用することが現実的です。
自社の人材育成・組織課題に関するご相談
GROWモデルは、管理職の対話力を高め、部下の主体性を引き出す実践的なフレームワークですが、効果を上げるには傾聴の土台づくりと継続的な訓練が欠かせません。1on1の定着や管理職のコーチング力向上にお悩みの際は、外部の知見を取り入れることも有効です。具体的なご相談をご希望の方は、こちらのお問い合わせ窓口(https://wonderful-growth.com/contact)よりお気軽にお問い合わせください。
関連情報
GROWモデルへの理解を深めるうえでは、「コーチング」「1on1ミーティング」「傾聴」「ティーチング」といった関連概念もあわせて確認すると効果的です。これらはいずれも、対話を通じて人の成長と主体的な行動を支えるという観点でつながっています。
✺ Editor’s Memo
現場での運用は、業界・規模・組織文化によって大きく変わります。記事内のインタビュー事例も併せて参考にしてください。
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