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ハイポテンシャル人材とは?選抜と育成のポイントを解説
はじめに
次世代の経営を担うリーダーが育っていない、という課題は多くの企業に共通します。目の前の業務で高い成果を上げている社員が、必ずしも将来の経営人材として成功するとは限りません。現在の業績と将来の可能性は別物であり、両者を混同すると育成投資を見誤ります。この「将来の可能性」に着目した人材の捉え方が「ハイポテンシャル人材」です。本記事では、その意味と選抜・育成のポイントを解説します。
ハイポテンシャル人材とは?
ハイポテンシャル人材(high-potential employee、HiPo)とは、現在の職務遂行能力にとどまらず、将来より上位の職務や経営・事業のリーダーとして組織を牽引する高い潜在能力を持つ人材を指します。一般に、社員全体の上位数パーセントに位置づけられる層を指すことが多いとされます。重要なのは、現在の高業績者がそのままハイポテンシャル人材になるわけではない点です。研究では、現在の職務で高い成果を上げている人のうち、上位職で成功する能力を備えているのは一部に限られるとも言われます。ハイポテンシャル人材を見極める観点として、上位職を目指す「上昇志向(アスピレーション)」、上位職で効果的な判断と行動ができる「能力(アビリティ)」、組織と仕事にコミットする「関与(エンゲージメント)」の三つが挙げられることがあります。現在の成果だけでなく、変化への適応力や学習の速さといった将来の成功要件を評価することが求められます。
ハイポテンシャル人材がよく使われるシーン
ハイポテンシャル人材は、次世代リーダー育成やサクセッションプラン(後継者育成計画)を検討する場面で用いられます。選抜型の研修やタレントマネジメントの一環として、対象者を早期に見いだし、計画的に育成する取り組みが行われます。9ボックスマトリクスなどのツールを用いて、業績とポテンシャルの二軸で人材を評価し、育成対象を特定する場面でも登場します。また、幹部候補の配置や重要ポストへの登用を検討する経営会議や人材レビューの議論でも、この概念が前提として共有されます。
ハイポテンシャル人材を理解することの重要性
ハイポテンシャル人材の概念を理解することは、育成投資を効果的に配分するうえで重要です。限られた研修予算や育成の時間を、将来の成功可能性が高い層に重点的に投じることで、次世代リーダーの輩出を加速できます。同時に、現在の業績とポテンシャルは別物であるという認識は、評価の公平性を保つうえでも欠かせません。目先の成果だけで将来を判断すると、地道に力を蓄えている人材を見落としたり、逆に一時的な好業績者を過大評価したりする危険があります。また、ハイポテンシャル人材として選抜されること自体が本人の動機づけになる一方で、選ばれなかった社員の意欲低下を招くリスクもあります。選抜の基準や運用を透明にし、選抜が固定的なものではないと示すことが、組織全体の納得感を保つ鍵になります。