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ジョブディマンド・リソースモデルとは?意味とエンゲージメント向上への活かし方を解説
はじめに
従業員のワーク・エンゲージメントを高めたいと考えても、何から手をつければよいのか分からないという声をよく聞きます。仕事の負荷を減らせばよいのか、それとも支援を増やせばよいのか、判断に迷う場面も多いでしょう。この問いに理論的な枠組みを与えてくれるのが「ジョブディマンド・リソースモデル」です。本記事では、その意味や構成要素、実務での活かし方を解説します。
ジョブディマンド・リソースモデルとは?
ジョブディマンド・リソースモデルとは、仕事の要求度(ジョブディマンド)と仕事の資源(ジョブリソース)という2つの要因のバランスによって、従業員の心身の状態やワーク・エンゲージメントが決まるとする理論モデルです。英語ではJob Demands-Resources Model、略してJD-Rモデルと呼ばれ、産業保健心理学の分野で発展してきました。仕事の要求度には業務量の多さや時間的プレッシャー、対人関係の負荷などが含まれ、仕事の資源には上司や同僚からの支援、裁量の大きさ、成長機会、フィードバックの充実などが含まれます。仕事の要求度が高い状態が続くとストレス反応が生じる「健康障害プロセス」が働く一方、仕事の資源が豊富であれば意欲や活力が高まる「動機づけプロセス」が働くとされ、この2つのプロセスの組み合わせで従業員の状態が説明されます。
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ジョブディマンド・リソースモデルがよく使われるシーン
従業員サーベイの結果を分析し、エンゲージメントスコアが低い部署の原因を要求度と資源の両面から診断する場面で活用されます。たとえば、業務量は多くないのに疲弊感が強い部署では資源の不足が疑われ、逆に業務量が多くてもエンゲージメントが保たれている部署では資源が要求度を上回っている可能性がある、といった読み解き方ができます。人事施策の立案段階で、負荷軽減策と支援強化策のどちらを優先すべきかを検討する場面や、管理職研修でチームマネジメントの考え方を伝える場面でも参照されます。人材育成の設計においても、研修そのものを資源の一つと捉え、学びの機会がエンゲージメントにどう寄与しているかを検証する視点で用いられることがあります。
ジョブディマンド・リソースモデルを理解することの重要性
このモデルの実務的な価値は、エンゲージメント向上の打ち手を「負荷を減らす」ことだけに限定せず、「資源を増やす」という選択肢も含めて検討できる点にあります。業務量の削減には限界がある一方で、上司からの支援や裁量の付与、成長機会の提供といった資源面の強化は、比較的取り組みやすい打ち手となることが少なくありません。また、仕事の要求度が必ずしも一律に悪いものではなく、適切な資源に支えられていれば挑戦的な業務がやりがいにつながる点も、このモデルが示す重要な視点です。組織サーベイの結果を要求度と資源という2軸で整理することで、部署ごとに異なる課題に応じた施策を設計しやすくなります。自己効力感や楽観性といった個人の資源も職場の資源とあわせてエンゲージメントに影響することがモデルでは示されており、組織的な支援と個人の資質の両面から施策を検討する視点が求められます。