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職務再設計とは?意味と代表的な手法を解説
はじめに
決められた作業をこなすだけの状態が続き、担当者の意欲が下がっている。人員構成や事業内容は変わったのに、仕事の分け方は以前のままになっている。こうした課題に直面したとき、人を入れ替える前に仕事そのものの設計を見直すという選択肢があります。本記事では、職務再設計の意味と代表的な手法、実務で進める際の要点を解説します。
職務再設計とは?
職務再設計とは、職務の内容や範囲、進め方を意図的に見直すことによって、働く人の動機づけや生産性を高めようとする取り組みです。ジョブ・リデザインとも呼ばれます。個人の意欲や能力に直接働きかけるのではなく、仕事の側の構造を組み替えることで、成果と満足度の双方の向上を図る点に特徴があります。
代表的な手法には、担当する業務の範囲を水平方向に広げる職務拡大(job enlargement)、計画や判断といった裁量を伴う要素を加えて仕事の質を深める職務充実(job enrichment)、複数の職務を計画的に経験させる職務交代(job rotation)などがあります。理論的な背景としては、仕事の内容そのものが満足をもたらすとしたハーズバーグの動機づけ・衛生理論(二要因理論)や、職務の特性が内発的動機づけを左右するとしたハックマンとオルダムの職務特性モデルが挙げられます。
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職務再設計がよく使われるシーン
職務再設計は、ジョブ型雇用や職務等級制度の導入を検討する場面でよく用いられます。職務を基準に処遇を決める仕組みへ移行する際には、現状の職務をそのまま定義するのではなく、事業戦略に照らして職務の括り方や責任範囲を組み替える作業が必要になるためです。
高齢者や障害のある方の就労支援の文脈でも活用されます。既存の職務をそのまま任せるのではなく、業務を切り出したり組み合わせ方を変えたりすることで、一人ひとりの状況に合った働き方を実現する考え方です。このほか、システム化や自動化によって定型業務が減った部署の役割を組み直す場面や、離職が続く職場で仕事の中身を見直す場面などでも検討されます。育児や介護と両立しながら働く人の職務を整える場面も同様です。
職務再設計を理解することの重要性
職務再設計を理解することは、人の問題として片づけられがちな課題を、構造の問題として捉え直す視点をもたらします。意欲が低い、定着しないといった状況の背景に、単調さや裁量の乏しさといった職務側の要因が潜んでいることは少なくありません。研修や面談だけでは解決しにくい課題に対する有効な打ち手となり得ます。
また、労働力人口が減少するなかで、限られた人員で成果を出すためには、仕事の配分そのものを見直す必要性が高まっています。誰が担うかを考える前に、その仕事はどう設計されているべきかを問う姿勢は、人材の確保と活用の両面で重要です。採用が難しい職務ほど、業務の切り出しや再配分によって担い手の幅を広げられないかを検討する価値があります。
一方で、職務再設計は業務量の増加と受け取られやすい側面もあります。職務拡大が単なる負担増に終わらないよう、裁量や成長機会をあわせて設計することが、実務上の分かれ目となります。
✺ Editor’s Memo
現場での運用は、業界・規模・組織文化によって大きく変わります。記事内のインタビュー事例も併せて参考にしてください。
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