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求職者等セクシュアルハラスメントとは?2026年10月義務化のポイントを解説
はじめに
就職活動やOB・OG訪問の場でハラスメントを受けたという声は、以前から社会的な課題として指摘されてきました。これまでの法律は職場で働く「労働者」を主な対象としており、採用選考の過程にある「求職者」は必ずしも保護の対象として明確ではありませんでした。この状況を変える法改正が行われ、2026年10月1日から、求職者等に対するセクシュアルハラスメントの防止措置が事業主の義務となりました。本記事では、その意味と企業が押さえておくべきポイントを解説します。
求職者等セクシュアルハラスメントとは?
求職者等セクシュアルハラスメントとは、採用選考の過程にある求職者や、インターンシップ・OB・OG訪問などで企業と接点を持つ学生等に対して行われるセクシュアルハラスメントのことです。「就活セクハラ」とも呼ばれます。従来、男女雇用機会均等法に基づくセクシュアルハラスメント防止措置の対象は「労働者」に限られており、採用選考中の求職者は法律上の保護対象として明記されていませんでした。令和7年6月11日に公布された改正法により、男女雇用機会均等法に第13条が新設されました。事業主は、自社の労働者による性的な言動で求職者等の求職活動などが阻害されないよう、相談に応じる体制の整備などの措置を講じなければなりません。この義務は2026年10月1日から、すべての事業主に適用されています(厚生労働省『職場におけるハラスメントの防止のために』、e-Gov法令検索『男女雇用機会均等法』第13条、2026-10-29取得)。厚生労働省の通達は、採用に資する活動に参加する人の例として、就職説明会、インターンシップ、OB・OG訪問(事業主の雇用する労働者への訪問)に参加する人を挙げています。教育実習や看護実習などの実習を受ける人も対象で、SNSなどのオンラインで行われる活動も含まれます(厚生労働省『雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保等に関する法律の施行について』(令和8年4月24日付通達)、2026-10-29取得)。あわせて、同じ改正により、カスタマーハラスメントへの防止措置も、同日から事業主の義務となりました(厚生労働省『職場におけるハラスメントの防止のために』、2026-10-29取得)。
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求職者等セクシュアルハラスメントがよく使われるシーン
採用活動全体の見直し場面で使われる言葉です。面接官やリクルーターへの研修設計、採用選考プロセスにおける相談窓口の整備など、採用に関わる体制全体を点検する際のキーワードとして用いられます。人事部門と現場社員が連携する採用活動では、現場社員がリクルーターとして学生と接する機会も多く、防止措置の対象範囲を正しく共有する必要があります。就職活動を行う学生向けの説明や、大学のキャリアセンターとの連携場面でも使われます。学生自身が「就活セクハラ」という言葉を通じて問題を認識し、相談先を知っておくことも、被害の防止や早期対応につながります。社内規程やハラスメント防止方針の改定場面でも登場します。既存のハラスメント防止規程が労働者のみを対象としている場合、求職者等への対応方針を新たに盛り込む改定作業が必要になります。
求職者等セクシュアルハラスメントを理解することの重要性
この用語を理解することは、2026年10月の法改正への対応という観点で、すべての事業主にとって重要な意味を持ちます。厚生労働省は令和8年2月26日に、カスタマーハラスメント防止指針とあわせて、求職者等に対するセクシュアルハラスメント防止指針を定めました。この指針で、事業主が講ずべき措置として、方針の明確化、相談体制の整備、事後の適切な対応、再発防止に向けた措置などが具体化されています(厚生労働省『求職者等に対するセクシュアルハラスメント防止指針』(令和8年厚生労働省告示第52号)、2026-10-29取得)。対象はすべての事業主です。措置の具体的な方法は、企業の規模や職場の状況に応じて選べますが、指針に示された11項目の措置そのものは、規模や状況にかかわらず講じる必要があります。指針の具体例は、挙げられたものに限られません。小規模な事業者や、労働者を雇用していない個人事業主が対象に含まれるかどうかは、法律上の判断を伴うため、弁護士や社会保険労務士に確認してください(厚生労働省『職場におけるハラスメントの防止のために』、厚生労働省『雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保等に関する法律の施行について』(令和8年4月24日付通達)、2026-10-29取得)。人事担当者には、採用選考に関わる社員全員への周知と研修、相談窓口の整備、相談者のプライバシー保護や不利益取扱いの禁止といった観点を含めた体制整備が求められます。採用の入口段階でのハラスメント防止は、応募者からの信頼や企業の採用競争力にも直結する課題であるといえます。