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カッツモデル

Reading カッツモデルEnglish Katz Model

カッツモデルとは、アメリカの経営学者ロバート・カッツが1955年に発表した論文で示した、マネジャーに必要なスキルの枠組みを指します。カッツは、管理者に求められる能力をテクニカルスキル、ヒューマンスキル、コンセプチュアルスキルの三つに分類し、組織内の階層によって求められる比率が変化すると説明しました。

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はじめに

管理職に求められる能力は、役職が上がるにつれてどう変わっていくのでしょうか。この問いに一つの答えを示したのが、カッツモデルです。提唱から70年を経た今も、階層別研修の設計や管理職育成の土台として広く使われ続けています。本記事では、カッツモデルの意味や三つのスキルの内容、実務で活かすためのポイントを整理してご紹介します。

カッツモデルとは?

カッツモデルとは、アメリカの経営学者ロバート・カッツが1955年に発表した論文で示した、マネジャーに必要なスキルの枠組みを指します。カッツは、管理者に求められる能力をテクニカルスキル、ヒューマンスキル、コンセプチュアルスキルの三つに分類し、組織内の階層によって求められる比率が変化すると説明しました。

テクニカルスキルは、担当業務を遂行するための知識や技術です。ヒューマンスキルは、人と協働し、動機づけ、関係を築く対人能力を指します。コンセプチュアルスキルは、物事を全体として捉え、本質を見抜き、複雑な状況から方向性を導き出す概念化の能力です。カッツモデルでは、現場に近いロワーマネジメントほどテクニカルスキルの比重が大きく、経営層に近づくほどコンセプチュアルスキルの比重が増すとされます。そして、ヒューマンスキルはどの階層でも一貫して重要とされている点が、このモデルの大切な指摘です。

カッツモデルがよく使われるシーン

カッツモデルが最もよく使われるのは、階層別研修の体系を設計する場面です。新任の係長やリーダー層には業務指導の技術を、課長層には対人面のマネジメントを、部長層や経営幹部には戦略思考や構想力をというように、階層ごとの研修テーマを決める際の理論的な裏づけとして活用されます。研修体系図の説明にカッツモデルが添えられている企業も少なくありません。

また、管理職の昇格要件や育成計画を考える場面でも使われます。現場で優秀な成果を上げた人が管理職になってつまずく背景には、テクニカルスキルの高さで評価された人に、ヒューマンスキルやコンセプチュアルスキルという異なる能力が急に求められるという構造があります。カッツモデルを使うと、昇格の前後で何を新たに身につけるべきかを本人と組織が共通の言葉で確認でき、計画的な準備につなげられます。

カッツモデルを理解することの重要性

カッツモデルを理解することは、管理職育成のつまずきを防ぐうえで重要です。プレーヤーとして優秀な人材を昇格させたものの、マネジメントがうまくいかないという問題は、多くの組織で繰り返されてきました。その原因を本人の資質だけに求めるのではなく、階層によって求められるスキルの構成が変わるという構造から捉え直すと、昇格前後の支援や研修の打ち手が見えてきます。

同時に、このモデルを現代の文脈で読み直す視点も大切です。階層が浅い組織や、変化の速い事業環境では、現場のリーダーにも全体を見渡すコンセプチュアルスキルが早くから求められます。また、どの階層でも変わらず重要とされたヒューマンスキルは、1on1ミーティングや心理的安全性への関心の高まりとともに、むしろ価値を増しています。カッツモデルを固定的な公式としてではなく、自社の階層ごとに求める能力を議論するための共通言語として使うことが、実務での活かし方といえます。

実務で活かすためのチェックポイント

  1. 自社の階層ごとに、三つのスキルの求める水準を言葉にします。
  2. 階層別研修のテーマを、スキルの構成変化に対応させて設計します。
  3. 昇格の前後で、新たに必要となるスキルの準備期間を設けます。
  4. ヒューマンスキルは全階層で継続的に磨く前提で育成を組み立てます。
  5. 自社の組織構造や事業環境に合わせて、モデルを柔軟に読み替えます。

よくある質問(FAQ)

Q. コンセプチュアルスキルは、どうすれば鍛えられるのでしょうか。

A. 抽象的な思考力は、座学だけでは身につきにくいとされます。経営課題を扱うアクションラーニングや、異なる環境に身を置く越境学習、上位者との対話を通じた視座の引き上げなど、考える経験を意図的に積むことが有効です。

Q. カッツモデルは古いモデルですが、今でも有効なのでしょうか。

A. 三つのスキルという分類と、階層で比率が変わるという視点は、今も研修体系づくりの出発点として有効です。ただし、現代では現場層にも概念化の力が求められるなど、比率の前提は変わりつつあります。自社に合わせた読み替えが前提になります。

Q. ヒューマンスキルには、具体的に何が含まれるのでしょうか。

A. 傾聴やフィードバックといったコミュニケーションの技術、動機づけ、合意形成、コンフリクトへの対応などが含まれます。近年では、エモーショナル・インテリジェンスとして整理される自己理解や感情への対処も、この領域に重なります。

自社の人材育成・組織課題に関するご相談

カッツモデルは、管理職に求められる能力を整理し、育成の道筋を描くための古典的な枠組みです。階層別研修の体系づくりや、管理職育成の仕組みの見直しにお悩みの際は、外部の知見を取り入れることも有効です。具体的なご相談をご希望の方は、こちらのお問い合わせ窓口(https://wonderful-growth.com/contact)よりお気軽にお問い合わせください。

関連情報

カッツモデルへの理解を深めるうえでは、「階層別研修」「リーダーシップパイプライン」「コンピテンシーモデル」「アクションラーニング」といった関連概念もあわせて確認すると効果的です。これらはいずれも、階層に応じた能力開発という観点でつながっています。

✺ Editor’s Memo

現場での運用は、業界・規模・組織文化によって大きく変わります。記事内のインタビュー事例も併せて参考にしてください。

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