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心のバリアフリーとは?障害の社会モデルとの関係と実践のポイントを解説
はじめに
障害者雇用の広がりとともに、設備や制度といったハード面の整備だけでは解消できない「意識の壁」への対応が課題となっています。段差をなくしても、周囲の無理解や思い込みが残っていれば、誰もが働きやすい職場とはいえません。こうした課題に向き合う考え方が「心のバリアフリー」です。本記事では、心のバリアフリーの意味と背景、職場で実践するためのポイントを解説します。
心のバリアフリーとは?
心のバリアフリーとは、様々な心身の特性や考え方を持つすべての人々が、相互に理解を深めようとコミュニケーションをとり、支え合うことを指す考え方です。2017年に政府が決定した「ユニバーサルデザイン2020行動計画」で示され、国土交通省や文部科学省の施策、企業研修などに広く展開されています。スロープの設置や段差の解消といった物理的なバリアフリーに対して、心のバリアフリーは人の意識や行動の側にある障壁を取り除くことに焦点を当てます。同計画では、実践のポイントとして、障害のある人への社会的障壁を取り除くのは社会の責務であるという「障害の社会モデル」を理解すること、不当な差別的取扱いや合理的配慮の不提供といった差別を行わないよう徹底すること、そして自分とは異なる条件を持つ相手とコミュニケーションを取り、すべての人が抱える困難や痛みを想像し共感する力を培うことの三点が挙げられています。
心のバリアフリーがよく使われるシーン
心のバリアフリーは、障害者雇用の受け入れ準備や定着支援の場面でよく使われます。配属先の部署に向けた事前研修で、障害特性の理解や接し方とあわせて心のバリアフリーの考え方を伝えるケースが代表的です。また、ダイバーシティ研修や人権研修のテーマとして取り上げられるほか、接客・窓口業務における顧客対応の指針として教育に組み込まれることもあります。障害者差別解消法により民間事業者にも合理的配慮の提供が義務化されて以降は、法対応の背景にある考え方として、管理職教育や全社的な意識啓発の文脈で言及される場面が増えています。
心のバリアフリーを理解することの重要性
心のバリアフリーを理解することは、障害者雇用の定着率とインクルーシブな組織風土の両方に関わる重要なテーマです。物理的な環境や制度をどれだけ整えても、受け入れる側の意識に壁が残っていれば、当事者は相談をためらい、孤立や早期離職につながりやすくなります。逆に、周囲が障害の社会モデルを理解し、困りごとを自然に聞き合える関係ができていれば、合理的配慮の申し出や調整も円滑に進みます。また、心のバリアフリーの考え方は障害のある人への対応にとどまらず、国籍や性別、年齢、育児・介護との両立など、多様な事情を抱える同僚への向き合い方にも通じます。相手の立場を想像し、対話を通じて障壁を取り除く姿勢は、ダイバーシティ経営全体の土台となる行動様式といえます。
実務で活かすためのチェックポイント
- 障害の社会モデルの考え方を、管理職研修や全社研修の内容に組み込む。
- 障害のある社員の受け入れ前に、配属部署へ特性理解と接し方の事前説明を行う。
- 合理的配慮の申し出をためらわせない相談窓口と対話の場を整備する。
- 「配慮」と「遠慮」を混同せず、本人の意向を確認してから対応を決める運用を徹底する。
- 障害者対応に限定せず、多様な事情を持つ社員全般への行動指針として展開する。
よくある質問(FAQ)
Q1. 心のバリアフリーとは何ですか。
A. 様々な心身の特性や考え方を持つすべての人々が、相互に理解を深めようとコミュニケーションをとり、支え合うことを指す考え方です。ユニバーサルデザイン2020行動計画で示されました。
Q2. 物理的なバリアフリーとは何が違いますか。
A. 物理的なバリアフリーが設備や環境の障壁を取り除くのに対し、心のバリアフリーは人の意識や行動の側にある障壁を取り除くことに焦点を当てます。
Q3. 障害の社会モデルとどう関係しますか。
A. 障害は個人の心身機能ではなく社会の側の障壁によって生じるという障害の社会モデルの理解が、心のバリアフリーを実践する前提とされています。
Q4. 企業にはどのような対応が求められますか。
A. 障害者差別解消法に基づく不当な差別的取扱いの禁止と合理的配慮の提供に加え、研修などを通じた社員の理解促進が求められます。
Q5. 障害のある人への対応に限られる考え方ですか。
A. いいえ。高齢者や外国人、育児・介護と両立する社員など、多様な事情を抱えるすべての人との関わり方に通じる考え方です。
自社の人材育成・組織課題に関するご相談
心のバリアフリーは、研修で知識を伝えるだけでなく、日々の対話や行動に落とし込んでこそ組織に根づきます。障害者雇用の定着支援やダイバーシティ研修の設計にお悩みの際は、貴社の状況に合わせてご一緒に検討いたします。ご相談は下記よりお気軽にお問い合わせください。
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