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高年齢雇用継続給付とは?支給要件と制度改正を解説
はじめに
定年後も働き続ける人が増えるなか、60歳以降に賃金が下がるケースは少なくありません。こうした賃金の低下を一定程度補い、高齢期の就労継続を支えるのが「高年齢雇用継続給付」です。人事・労務の担当者にとっては、対象となる社員への案内や申請手続きに関わる制度であり、近年の改正内容も含めて正しく理解しておく必要があります。本記事では、高年齢雇用継続給付の意味と支給要件、制度改正のポイントを解説します。
高年齢雇用継続給付とは?
高年齢雇用継続給付とは、雇用保険の被保険者が60歳以降も働き続ける際に、賃金が60歳時点と比べて低下した場合に支給される給付です。65歳までの雇用継続を援助・促進することを目的とした、雇用保険の制度です。支給の対象となるのは、雇用保険の被保険者であった期間が原則5年以上ある60歳以上65歳未満の被保険者で、60歳以降の賃金が60歳時点に比べて75%未満に低下した状態で働き続ける場合です。給付には、60歳以降も継続して雇用される人が対象の「高年齢雇用継続基本給付金」と、基本手当(いわゆる失業給付)を受給したのち60歳以後に再就職した人が対象の「高年齢再就職給付金」の二種類があります。支給期間は、原則として60歳になった月から65歳になる月までです。給付額は、低下後の賃金に一定の支給率を乗じて計算され、賃金の低下幅が大きいほど支給率が高くなる仕組みになっています。
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高年齢雇用継続給付がよく使われるシーン
高年齢雇用継続給付は、定年後の再雇用や継続雇用の制度を運用する場面で関わります。60歳を迎える社員の処遇や賃金を検討する際に、給付の対象となるかどうかを確認する場面が生じます。人事・労務の実務では、対象となる社員への制度の案内や、ハローワークへの支給申請の手続きを行う場面が中心です。また、シニア人材の活用方針や賃金制度を設計する際に、給付制度を前提に社員の手取りへの影響を検討することもあります。定年再雇用者との面談で、賃金や公的給付に関する説明を行う場面でも取り上げられます。
高年齢雇用継続給付を理解することの重要性
高年齢雇用継続給付を正しく理解しておくことは、シニア人材が安心して働き続けられる環境づくりと、適正な労務管理の両面で重要です。とりわけ、この制度は近年見直しが進められている点に注意が必要です。2025年4月1日から、給付の支給率の上限が引き下げられ、同日以降に60歳に達する人の支給率は最大10%となりました。2025年3月31日以前に60歳に達した人の支給率は従来どおり最大15%であり、60歳到達の時期によって取り扱いが異なります。この改正は、高年齢者の賃金のあり方を見直す動きの一環であり、企業としては、給付を前提とした賃金設計を見直す契機にもなります。担当者が最新の制度内容を把握していれば、対象社員への案内を正確に行え、申請漏れや誤った説明を防げます。公的給付は制度改正が比較的頻繁に行われるため、常に最新の情報を確認する姿勢が求められます。