労働組合とは?労働組合とは、労働者が自らの労働条件や権利を守り、改善するために結成する団体のことを指します。一般的に「労組」とも略され、労働者の代表として使用者(企業や経営者)と交渉や協議を行う組織です。労働組合は労働者の団結権の行使として法律で保障されており、労働条件の向上や労働環境の整備を目的としています。労働組合の主な役割労働条件の交渉(団体交渉)賃金、労働時間、休日、福利厚生などについて使用者と話し合い、労働者にとって有利な条件を引き出す交渉を行います。労働争議の調整・対応労働条件に関する争いが生じた場合、ストライキやその他の争議行為を組織し、労働者の利益を守る活動を行います。労働者の権利保護不当な解雇や差別的な扱いに対して異議申し立てをしたり、法的支援を提供したりする役割も担います。労働者の福祉向上教育研修や福利厚生の充実を図ることも労働組合の重要な活動の一つです。労働組合がよく使われるシーン賃上げ交渉や労働条件の見直し時定期的な賃金改定交渉や労働時間短縮の取り組みなどで、労働組合が使用者と話し合いを行います。労働問題が発生した際の対応時解雇問題やハラスメント、過重労働の問題が起こった場合に、労働組合が仲介役として関わります。労働環境改善のための取り組み時安全衛生対策や職場環境の改善、福利厚生制度の拡充に関する交渉や提案を行う場面で使われます。労働者の権利教育や研修の実施時組合員向けに労働法や権利に関する勉強会を開催し、労働者の意識向上を図ります。労働組合の種類企業別労働組合一つの企業内の労働者で構成され、企業ごとに設立されることが一般的です。産業別労働組合同じ業種や産業の複数企業の労働者が参加する組織で、より広い範囲での交渉力を持ちます。地域別労働組合地域単位で労働者が組織されるもので、地域の労働環境改善を目指します。労働組合に関する法律労働組合の設立や活動は、日本の「労働組合法」によって保障されています。労働組合は労働者の団結権、団体交渉権、団体行動権の三大権利を持ちます。また、使用者は労働組合との交渉に誠実に応じる義務があります(団体交渉義務)。労働組合は、労働者の権利を守り、よりよい労働条件を実現するための重要な組織です。人事担当者にとっては、労働組合との良好な関係構築が労務管理の円滑化や職場環境の安定化に欠かせない要素となります。