⌖ Detail
はじめに
見込み客を集めても、すぐに購入や契約に結びつくとは限りません。関心を持った相手と、その後どう関係を築いていくかが、成果を左右します。この、見込み客との関係を育てていく取り組みを表す言葉がリードナーチャリングです。マーケティングや営業の連携を考えるうえで欠かせない考え方であり、人事や採用の分野でも応用される視点を含んでいます。本記事では、その意味や用いられる場面、実務で押さえておきたいポイントを整理してご紹介します。
リードナーチャリングとは?
リードナーチャリングとは、見込み客であるリードに対して、継続的に有益な情報を提供し、コミュニケーションを重ねることで関係を育み、購買への意欲を段階的に高めていく一連の活動を指します。ナーチャリングは「育成」を意味する言葉で、すぐには購入に至らない相手を、時間をかけて見込みの高い状態へと導いていく点に特徴があります。
リードナーチャリングは、見込み客を新たに獲得するリードジェネレーションの次の段階に位置づけられます。獲得した見込み客のすべてが、すぐに購入を検討しているわけではありません。そこで、相手の関心や検討の段階に応じた情報を届け、信頼を積み重ねていきます。この取り組みを支える手段として、メールの配信や情報発信を自動化するマーケティングオートメーションが用いられることも多くあります。なお、採用の分野で、関心を持った候補者との関係を育てる取り組みを候補者ナーチャリングと呼ぶことがありますが、これはリードナーチャリングの考え方を人材の獲得に応用したものです。
リードナーチャリングがよく使われるシーン
リードナーチャリングは、マーケティングや営業の活動を設計する場面で広く用いられます。たとえば、展示会や資料請求で得た見込み客を、すぐに営業へ引き渡すのではなく、段階的に関係を深めてから引き継ぐ流れを考えるときなどです。検討に時間を要する商材を扱う場合や、見込み客の数が多く、優先順位をつけて対応したい場合に、とくに重視されます。
人材の獲得という観点でも、この考え方は応用されています。すぐの転職を考えていない候補者と、長期的に関係を保ち、適切な時期に接点を持つという発想は、リードナーチャリングと共通します。関心を持った相手との関係を、時間をかけて育てるという視点は、顧客にも候補者にも通じるものです。
リードナーチャリングを理解することの重要性
リードナーチャリングを理解することは、せっかく得た見込み客を取りこぼさず、成果へとつなげる土台になります。獲得した見込み客を放置すれば、関心は薄れ、競合へ流れてしまうこともあります。一方で、検討の段階を無視して早急に売り込めば、相手の信頼を損ないかねません。相手の状況に応じて関係を育てるという視点が、成果を左右します。
人事や採用に携わる人にとっても、この考え方は示唆に富みます。人材の獲得においても、関心を持った相手とすぐに結論を急ぐのではなく、信頼を積み重ねながら適切な時期を見極めることが、良い縁につながるからです。相手の立場に立って関係を育てるという発想は、顧客づくりと人材づくりの双方に通じます。短期の成果だけでなく、長く続く関係を見据える姿勢が、持続的な成果を支えます。
実務で活かすためのチェックポイント
✺ Editor’s Memo
現場での運用は、業界・規模・組織文化によって大きく変わります。記事内のインタビュー事例も併せて参考にしてください。
— SHARE with カイシャの育成論 編集部