⌖ Detail
LIFO(Last In, First Out)とは?在庫管理と雇用における意味を解説
はじめに
物流や会計の現場では、「LIFO」という略語が在庫の入出庫や資産評価の方法を表す言葉として使われます。一方で人員整理の場面でも同じ略語が登場し、勤続年数の短い社員から対象とする考え方を指すことがあります。同じ言葉でも分野によって意味が異なるため、文脈に応じた正確な理解が欠かせません。本記事では、LIFOの意味と使われるシーン、実務のポイントを整理してご紹介します。
LIFO(Last In, First Out)とは?
LIFO(Last In, First Out)とは、「後入れ先出し」と訳される考え方で、最後に受け入れたものから優先的に取り扱うという原則の総称です。在庫管理や会計処理の分野で使われる基本概念であり、人事・労務の領域でも人員整理の考え方を表す言葉として用いられることがあります。
在庫管理におけるLIFOは、倉庫や店舗に最も新しく入荷した商品から先に出庫する方法です。会計処理におけるLIFOは、棚卸資産の評価時に、後から仕入れた商品の原価を先に売上原価とする方法で、物価上昇局面では利益が抑えられる傾向があり、日本の会計基準では原則として認められていません。一方、雇用の場面でのLIFOは、勤続年数の短い従業員から人員整理の対象とする「先任権(seniority)」の考え方を指し、欧米の労働組合協約などで採用されてきました。
広告
LIFO(Last In, First Out)がよく使われるシーン
LIFOは、物流・倉庫管理の現場で日常的に使われる考え方です。入れ替えの難しい資材や品質が劣化しにくい商品を扱う倉庫では、直近入荷分から先に出庫することで積み替え作業を減らし、保管スペースを効率的に使えます。会計処理の場面でも、棚卸資産の評価方法として決算書類の作成時に参照されます。
人事・労務の場面では、事業縮小や組織再編に伴う人員整理の方針を検討する際に、LIFOの考え方が話題になることがあります。特に労働組合との協議や海外拠点の人員計画において、勤続年数を基準とした選定ルールの一つとして参照されるケースが見られます。
LIFO(Last In, First Out)を理解することの重要性
LIFOを理解しておくことは、人事担当者が経理・物流部門と円滑に対話するうえで役立ちます。在庫の入出庫ルールは原価計算や利益水準に直接影響するため、仕組みを知らないまま人員配置の議論に参加すると、的外れな提案になりかねません。
また、雇用の文脈でLIFOの考え方を理解しておくことも重要です。勤続年数のみを基準とした人員整理は、公平性を確保しやすい一方で、若手層など特定の層に偏った影響を及ぼし、年齢差別の疑いを招くリスクも指摘されています。LIFOを機械的に適用するのではなく、業務上の必要性や本人の能力といった要素とあわせて総合的に検討する視点を持つことが、人事担当者には求められます。
実務で活かすためのチェックポイント
✺ Editor’s Memo
現場での運用は、業界・規模・組織文化によって大きく変わります。記事内のインタビュー事例も併せて参考にしてください。
— SHARE with カイシャの育成論 編集部