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はじめに
優秀な人材を採用し、研修も実施しているのに、組織としての成果がいまひとつ上がらない。部門間の連携がうまくいかない、会議で本音が出ないなど、個人の能力だけでは説明できない課題に直面することは少なくありません。こうした「人と人との間」に生じる課題に働きかける取り組みが、組織開発です。エンゲージメントや心理的安全性への関心の高まりとともに、あらためて注目されている分野です。本記事では、組織開発の意味やよく使われる場面、進め方のポイントを整理してご紹介します。
組織開発とは?
組織開発とは、組織の健全性と効果性を高めるために、組織内の人と人との関係性やコミュニケーション、仕事の進め方に意図的に働きかける取り組みを指します。英語のOrganization Developmentの頭文字をとって、ODともよばれます。心理学や社会学といった行動科学の知見を土台に、アメリカで発展してきました。
人材開発が個人の知識やスキルの向上を目的とするのに対し、組織開発は、個人と個人の間にある関係性やプロセスを対象とする点に特徴があります。具体的な手法には、従業員調査の結果を職場に返して対話につなげるサーベイフィードバック、職場ぐるみの対話の場づくり、チームビルディングなどがあります。近年は、データにもとづいて課題を特定する診断型のアプローチに加えて、対話を通じて組織のありたい姿を描く対話型のアプローチも注目されています。日本でも2000年代以降に関心が高まり、人事部門に専門の担当者や部署を置く企業も見られるようになっています。
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組織開発がよく使われるシーン
組織開発は、個人への教育だけでは解決しにくい課題に直面した場面で活用されます。代表的なのは、エンゲージメント調査や組織診断の結果をふまえ、職場単位で改善に取り組む場面です。調査結果を職場に返し、メンバー自身が対話を通じて課題と改善策を考えます。
また、部門間の連携不足の解消、合併や組織再編後の組織融合、経営理念やビジョンの浸透、管理職とメンバーの相互理解の促進といった場面でも用いられます。リモートワークの広がりによって関係性が希薄になった職場で、あらためて対話の場をつくる取り組みも増えています。新任の管理職が、新しいチームの関係づくりを意図的に進める場面でも有効です。
組織開発を理解することの重要性
組織開発を理解することは、人と組織の課題を立体的にとらえることにつながります。組織の成果は、個人の能力だけでなく、メンバー同士の関係性や仕事の進め方に大きく左右されます。研修で個人を育てても職場が変わらない、という壁に突き当たったとき、組織開発の視点は、その壁を越える有力な突破口になります。
ここで大切なのは、組織開発が一度きりの施策ではなく、現状の把握、対話、実行、振り返りを繰り返す継続的なプロセスだという点です。また、外部の専門家が答えを与えるのではなく、組織のメンバー自身が当事者として課題に向き合うことを重視します。人事部門には、施策を押しつけるのではなく、現場が自ら考え、動き出すことを支える役割が求められます。あわせて、経営層の理解と後押しを得ることも、取り組みを続けるうえで欠かせません。
実務で活かすためのチェックポイント
✺ Editor’s Memo
現場での運用は、業界・規模・組織文化によって大きく変わります。記事内のインタビュー事例も併せて参考にしてください。
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