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パートタイム・有期雇用労働法

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パートタイム・有期雇用労働法(正式名称:短時間労働者及び有期雇用労働者の雇用管理の改善等に関する法律)とは、パートタイム労働者と有期雇用労働者の処遇改善・雇用管理の改善を目的とした法律です。従来別個に存在していた「パートタイム労働法」と「労働契約法第20条」を統合し、2020年4月(中小企業は2021年4月)に施行されました。本法は、同一企業内における通常の労働者(正社員)と短時間・有期雇用労働者との間の不合理な待遇差を禁止する規定(均衡待遇・均等待遇)を中核としています。具体的には、基本給、賞与、各種手当、福利厚生、教育訓練など、すべての待遇について、職務内容、人材活用の仕組み、その他の事情を踏まえた合理的な説明ができる必要があります。

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パートタイム・有期雇用労働法とは?意味・使い方・実務での活かし方を解説

最終更新日: 2026-05-15 / カテゴリ: 労務・法令 / 英語表記: Part-Time and Fixed-Term Employment Act

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はじめに

正社員と非正規社員の間にある待遇差を是正し、すべての雇用形態における公正な処遇を実現するために整備されたのが、パートタイム・有期雇用労働法です。同一労働同一賃金の考え方を法的に支える基盤となる本法は、人事の処遇設計に大きな影響を与えています。本記事では、パートタイム・有期雇用労働法の意味、活用シーン、運用上の留意点を、人事担当者の視点で整理します。

パートタイム・有期雇用労働法とは?

パートタイム・有期雇用労働法(正式名称:短時間労働者及び有期雇用労働者の雇用管理の改善等に関する法律)とは、パートタイム労働者と有期雇用労働者の処遇改善・雇用管理の改善を目的とした法律です。従来別個に存在していた「パートタイム労働法」と「労働契約法第20条」を統合し、2020年4月(中小企業は2021年4月)に施行されました。本法は、同一企業内における通常の労働者(正社員)と短時間・有期雇用労働者との間の不合理な待遇差を禁止する規定(均衡待遇・均等待遇)を中核としています。具体的には、基本給、賞与、各種手当、福利厚生、教育訓練など、すべての待遇について、職務内容、人材活用の仕組み、その他の事情を踏まえた合理的な説明ができる必要があります。

パートタイム・有期雇用労働法がよく使われるシーン

パートタイム・有期雇用労働法は、主に以下のような様々なビジネスシーンで活用されます。

非正規社員の待遇見直し*: 既存のパート・契約社員の処遇を点検し、不合理な格差を是正する根拠として参照されます。

就業規則・賃金規程の改定*: 賞与・諸手当・福利厚生の支給対象範囲を法令適合の観点から見直す際の判断軸となります。

採用時の説明義務対応*: 雇い入れ時・契約更新時に、待遇内容と待遇差の理由を説明する実務に活用されます。

同一労働同一賃金の運用*: 政府が推進する「同一労働同一賃金」の中核的な法的根拠として活用されます。

訴訟・労使紛争の予防*: 待遇差をめぐる裁判例(ハマキョウレックス事件、長澤運輸事件、メトロコマース事件等)と照らした制度点検の根拠となります。

パートタイム・有期雇用労働法を理解することの重要性

パートタイム・有期雇用労働法を正しく理解することは、人事制度の健全な運用に不可欠です。

コンプライアンスの確保*: 不合理な待遇差は法令違反のリスクを伴い、行政指導や訴訟の対象となります。

公正な処遇の実現*: 雇用形態に関わらず、職務内容に応じた合理的な処遇を実現できます。

非正規社員のエンゲージメント向上*: 処遇の公正さは、非正規社員の働く意欲と定着に直結します。

説明責任の遂行*: 待遇内容と理由を説明する義務が法令で定められており、説明できる制度設計が求められます。

実務で活かすためのチェックポイント

パートタイム・有期雇用労働法を自社の現場で活用する際には、次のような観点で確認すると、運用の精度が高まります。

  1. 自社の正社員と非正規社員の職務内容・人材活用の仕組みを整理し、待遇差の有無と理由を一覧化する
  2. 基本給、賞与、各種手当(通勤手当、家族手当、住宅手当、皆勤手当等)、福利厚生、教育訓練、休暇制度をひとつずつ点検し、合理性を確認する
  3. 関連判例(ハマキョウレックス事件、大阪医科薬科大学事件、メトロコマース事件等)を踏まえ、自社の待遇差が裁判で許容される範囲かを評価する
  4. 雇い入れ時・契約更新時の待遇説明書類を整備し、説明義務を果たせる運用を構築する
  5. 不合理な格差が判明した場合、是正方法(手当の拡張、賞与の段階的導入、職務再設計等)と移行スケジュールを慎重に設計する

よくある質問(FAQ)

Q. パートタイム・有期雇用労働法では、正社員と非正規社員の待遇は必ず同一にしなければならないのですか?

A. 必ずしも同一にする必要はありません。本法が求めているのは「同一の待遇」ではなく「不合理な待遇差の禁止」であり、職務内容、人材活用の仕組み、その他の事情に照らして合理的な差は許容されます。たとえば、職務内容に明確な違いがある、転勤・配置転換の範囲が異なる、責任の程度が異なる、といった事情が説明できる場合、待遇に差があっても合理的とされる可能性があります。一方で、明確な根拠がないのに「正社員だから」「非正規だから」という理由のみで待遇を分けることは、不合理な格差として法令違反とされるリスクが高くなります。重要なのは、待遇差の理由を職務内容に基づいて整理し、説明できる状態にすることです。

Q. 中小企業でも、パートタイム・有期雇用労働法は適用されますか?

A. 適用されます。本法は中小企業についても2021年4月から全面施行されており、企業規模を問わず適用対象となります。中小企業の場合、人員規模・業務分担の関係で、正社員と非正規社員の職務内容が事実上類似しているケースも多く、待遇差の合理性を説明することが難しい場面があります。また、行政による報告徴収・助言指導・勧告の対象となる可能性もあり、対応の遅れはリスクを高めます。一方で、中小企業庁・厚生労働省は、相談窓口や助成金制度(キャリアアップ助成金など)を整備しており、これらを活用しながら段階的な対応を進めることが現実的です。

まとめ

パートタイム・有期雇用労働法は、パートタイム労働者と有期雇用労働者の処遇改善を目的とした法律であり、同一企業内における正社員と非正規社員の不合理な待遇差を禁止する規定を中核としています。すべての待遇について、職務内容・人材活用の仕組みに基づいて合理性を説明できる制度設計が求められます。中小企業を含め全企業に適用されており、関連判例も蓄積されつつあるなか、自社の制度を継続的に点検することが重要です。

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  • カテゴリ: 労務・法令
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