⌖ Detail
はじめに
採用面接は、企業が候補者を見極める場であると同時に、候補者が企業を見定める場でもあります。その面接の進め方として、かつて一部で行われてきたのが圧迫面接です。近年は、候補者の体験を損ない、企業の評判にも影響しうる手法として見直しが進んでいます。本記事では、圧迫面接の意味や問題とされる理由、意図せず圧迫面接とならないために実務で押さえておきたいポイントを整理してご紹介します。
圧迫面接とは?
圧迫面接とは、面接官が意図的に威圧的な態度や否定的な反応を示し、候補者にストレスを与えることで、その反応や対応力を見ようとする面接手法です。候補者の発言を強く否定する、わざと冷淡な態度をとる、答えにくい質問を繰り返すといった進め方が、これにあたります。
こうした手法は、かつてはストレス耐性や対応力を見極める目的で行われることがありました。しかし近年は、候補者の体験を大きく損ない、企業の印象を低下させる手法として問題視されています。面接でのやりとりがSNSなどを通じて広く共有されることもあり、評判面での影響は小さくありません。また、人格を否定するような言動は、ハラスメントにあたると受け取られる恐れもあります。
注意が必要なのは、面接官が意図していなくても、結果として圧迫面接と受け取られてしまう場合がある点です。回答を深く掘り下げる質問が、候補者には威圧的に感じられることもあります。深掘りと圧迫は別のものであり、両者を区別して面接にのぞむ姿勢が求められます。ストレス耐性などを確認したい場合も、相手を追い詰める方法以外の手段を検討することが望まれます。たとえば、実際の業務で起こりうる場面を題材にした質問や、具体的な事例をもとにした問いかけなど、候補者を尊重しながら見極める方法があります。何を確かめたいのかを明確にし、その目的に合った手段を選ぶことが大切です。
広告
圧迫面接がよく使われるシーン
現在では、圧迫面接を意図的に行う企業は少なくなっています。一方で、面接官が無自覚のうちに、候補者へ圧迫的な印象を与えてしまう場面には注意が必要です。回答への強い否定や、矢継ぎ早の追及、否定的な相づちなどが、候補者の不安を高めることがあります。
人事や面接官にとっては、圧迫面接にあたる言動を理解し、避けることが実務上の課題となります。候補者が安心して力を発揮できる面接の場を整えることは、適切な見極めにつながるだけでなく、選考を通じた企業の印象づくりにも関わります。面接は、候補者との最初の接点のひとつであるという視点が役立ちます。選考の場は、候補者が企業の姿勢を感じ取る場でもあります。誠実な対応を積み重ねることが、企業への信頼を育てることにもつながります。
圧迫面接を理解することの重要性
圧迫面接を理解することは、候補者の体験を守り、企業の評判を損なわないために欠かせません。威圧的な面接は、候補者の入社意欲を下げるだけでなく、辞退や否定的な口コミにつながり、結果として採用力の低下を招く恐れがあるためです。
人事の立場からは、面接を候補者との対話の場として設計する視点が役立ちます。何が圧迫面接にあたるのかを面接官の間で共有し、深掘りと圧迫を区別して進めることで、選考の質と候補者の体験を両立できます。見極めたい要素は、相手を追い詰めるのではなく、適切な質問の工夫によって確認する姿勢が望まれます。面接の進め方を定期的に見直し、候補者からの声にも耳を傾けることで、知らず知らずのうちに生じている問題に気づきやすくなります。
✺ Editor’s Memo
現場での運用は、業界・規模・組織文化によって大きく変わります。記事内のインタビュー事例も併せて参考にしてください。
— SHARE with カイシャの育成論 編集部