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心理的レジリエンスとは?逆境から立ち直る力の意味と高め方を解説
はじめに
技術革新や人材の流動化、価値観の多様化など、環境変化のスピードが増す中、計画通りに進まない状況や予期せぬ困難に直面する場面は誰にでも起こり得ます。そのとき重要になるのが、逆境やストレスから回復し、再び前を向く力です。この力を表す概念が「心理的レジリエンス」です。本記事では、その意味と実務での高め方をわかりやすく解説します。
心理的レジリエンスとは?
心理的レジリエンスとは、強いストレスや逆境、失敗、喪失といった困難な出来事に直面しても、それを乗り越えて心理的に回復していく力を指します。米国心理学会は、逆境やトラウマ、重大なストレス要因に直面した際にうまく適応していく過程であると説明しており、生まれ持った資質だけでなく、後天的に育てることのできる力として位置づけられています。
心理的レジリエンスは、困難を跳ね返す固い強さというより、衝撃を受け止めながらしなやかに立ち直る力と捉えるほうが実態に近いといえます。困難そのものをなかったことにする力ではなく、いったん受け止めたうえで再び歩き出すための心理的な柔軟さを意味します。近年は、個人の資質としてだけでなく、職場環境や人間関係といった外部要因によっても左右される力として捉える見方も広がっています。
心理的レジリエンスがよく使われるシーン
人事領域では、組織変革の局面における従業員のケア、メンタルヘルス施策、管理職の育成、新入社員研修などで心理的レジリエンスが取り上げられます。たとえば組織再編や配置転換が生じた際、対象者の心理的な回復を支える施策の柱として位置づけられます。
管理職に対しては、自身のレジリエンスを高めるとともに、部下の回復を支える関わり方を学ぶ研修が行われます。新入社員に対しては、入社後に感じるギャップを乗り越え、組織に定着していくための土台として、レジリエンスを扱う研修が導入される例が増えています。中途採用者に対しても、前職との違いに戸惑う時期を乗り越える支援として活用される場面が見られます。
心理的レジリエンスを理解することの重要性
先行きが読みにくい時代においては、計画通りに進まないことがむしろ前提となりつつあります。この前提に立てば、失敗を避けることよりも、失敗から立ち直る力を組織と個人の双方に育てることが、持続的な成果につながります。
また、心理的レジリエンスは、メンタルヘルスの不調による休職や離職を防ぐうえでも予防的な役割を果たします。不調が生じてからの対応だけでなく、平時から回復力を高める仕組みを組織に組み込むことが、健康経営の観点からも求められています。個人の資質に委ねるのではなく、組織として育成の対象と捉える視点が欠かせません。
実務で活かすためのチェックポイント
- 自己認識を促す機会をつくる:自身のストレス反応や考え方の癖を言葉にできる場を1on1などで設けます。状態を客観視できることが回復の第一歩です。
- 相談できる関係を整備する:困ったときに頼れる相手が職場にいるかを点検します。上司や同僚など複数の支えを用意することが重要です。
- 失敗の意味づけを支援する:逆境を学びや成長の機会として捉え直す対話を行います。問いかけを通じた関わりが有効です。
- 小さな達成を積み重ねる設計にする:達成可能な目標とフィードバックを組み合わせます。自己効力感を高めることが回復力の土台になります。
- 回復のための時間を確保する:長時間労働や常時つながる働き方が休む機会を奪っていないかを見直します。制度と運用の両面での配慮が欠かせません。
よくある質問(FAQ)
Q1. 心理的レジリエンスは生まれつきの性格で決まるのでしょうか。
A. 気質的な要素はありますが、多くの研究で後天的に高められることが示されています。考え方の見直しや人間関係の構築を通じて、組織的にも育成できる力です。
Q2. 個人のレジリエンスと組織のレジリエンスは違うものですか。
A. 個人のレジリエンスは一人ひとりの回復力を指し、組織のレジリエンスはチームや組織全体が危機を乗り越える力を指します。両者は補い合う関係にあり、個人の力だけでも制度だけでも十分に機能しません。
Q3. レジリエンスを高めると無理な負荷にも耐えられるようになりますか。
A. レジリエンスは我慢する力ではなく回復する力です。過度な負荷を放置してよい理由にはならず、業務量の適正化とあわせて考える必要があります。
Q4. 心理的安全性とはどのような関係にありますか。
A. 心理的安全性が高い職場ほど、困難を率直に話し合い、支え合う土壌が生まれやすく、レジリエンスを育む環境として機能します。
Q5. 新入社員にレジリエンス教育を行う意義は何ですか。
A. 入社後に感じるギャップを乗り越え、早期の離職を防ぎながら組織への定着を促す土台となる点に意義があります。
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