⌖ Detail
副業・兼業制度とは?企業における設計と運用のポイントを解説
はじめに
働き方改革の広がりとともに、従業員が本業以外の仕事に携わることを認める企業が増えています。ただし、単に容認するだけでは、労働時間管理や情報漏洩といった思わぬリスクを招きかねません。企業として副業・兼業をどのような制度として設計し運用するかは、人事担当者にとって避けて通れないテーマです。本記事では、副業・兼業制度の意味や活用されるシーン、制度設計のポイントを解説します。
副業・兼業制度とは?
副業・兼業制度とは、従業員が本業の勤務先とは別に、他の企業や事業で働くことを企業が就業規則等で認める仕組みを指します。労働者が本業以外の活動を通じて収入を得たり、スキルアップや自己成長を追求したりすることを企業が制度として許容するもので、働き方改革の推進とともに導入が広がっています。
厚生労働省は2018年1月に「副業・兼業の促進に関するガイドライン」を策定し、2020年9月と2022年7月に改定を重ねてきました。ガイドラインでは、労働時間の通算管理や健康確保措置など、企業が副業・兼業を認める際に押さえるべき考え方が整理されています。制度として導入する企業は、就業規則の見直しとあわせて、許可制や届出制といった運用ルールを定める必要があります。
広告
副業・兼業制度がよく使われるシーン
副業・兼業制度は、就業規則の改定やガイドラインの策定といった制度設計の場面でまず使われます。従業員からの申請を受け、事前の許可制とするか、開始後の届出制とするかなど、自社の実情に合わせたルールを検討する際に議論の土台となります。
また、採用活動や人材の定着施策の場面でも活用されます。副業・兼業を認める制度は、多様な働き方を求める求職者にとって魅力的な要素となり、採用競争力の強化につながります。労務管理の場面では、本業と副業を合算した労働時間の管理や、健康診断・面談によるフォロー、情報漏洩や競業避止義務への対応など、制度の運用を継続的に点検する際にも使われる言葉です。
副業・兼業制度を理解することの重要性
副業・兼業制度を正しく理解しておくことは、企業が抱えるリスクを未然に防ぐうえで重要です。労働時間の通算管理を怠ると、法定労働時間を超過しても気づかず、割増賃金の未払いなどの問題につながる可能性があります。制度の仕組みを理解しないまま容認だけを進めると、こうした管理上の抜け漏れが生じやすくなります。
一方で、制度を適切に設計できれば、従業員の収入源の多様化やスキルアップを後押しし、結果として本業への還元やエンゲージメント向上にもつながります。人事担当者が労働時間管理や情報漏洩リスク、競業避止義務といった論点を体系的に理解し、明確なルールを整備することが、企業と従業員双方にとって安心できる制度運用の前提になります。
実務で活かすためのチェックポイント
✺ Editor’s Memo
現場での運用は、業界・規模・組織文化によって大きく変わります。記事内のインタビュー事例も併せて参考にしてください。
— SHARE with カイシャの育成論 編集部