❖ HR Dictionary

障害の社会モデル

Reading ショウガイノシャカイモデルEnglish Social Model of Disability

障害の社会モデル(social model of disability)とは、障害が生じる原因を個人の心身機能ではなく、社会の側にある障壁に見いだす考え方です。これは、障害を個人の心身の問題と捉える「医学モデル(個人モデル)」と対比される概念です。医学モデルでは、障害は治療や訓練によって本人が克服すべきものと捉えられます。一方、社会モデルでは、心身の状態そのものではなく、それを取り巻く環境や制度、人々の意識といった社会的障壁こそが「障害」を生み出していると考えます。たとえば、車いすを利用する人が建物に入れないとき、医学モデルは「歩けないこと」を原因と見ますが、社会モデルは「入口に段差しかないこと」を原因と見ます。この考え方は、障害者権利条約や障害者差別解消法の基盤にもなっており、社会的障壁を取り除く責任は社会の側にあるという発想へとつながっています。

⌖ Detail

障害の社会モデルとは?医学モデルとの違いを解説

はじめに

障害者雇用を進めるとき、「その人の障害をどう補うか」という発想から出発していないでしょうか。もちろん本人への配慮は大切ですが、その視点だけでは、職場の側にある壁を見落としてしまうことがあります。障害を個人の問題としてのみ捉えるのではなく、社会の側にある障壁として捉え直す考え方が「障害の社会モデル」です。本記事では、その意味と医学モデルとの違い、人事実務での意義を解説します。

障害の社会モデルとは?

障害の社会モデル(social model of disability)とは、障害が生じる原因を個人の心身機能ではなく、社会の側にある障壁に見いだす考え方です。これは、障害を個人の心身の問題と捉える「医学モデル(個人モデル)」と対比される概念です。医学モデルでは、障害は治療や訓練によって本人が克服すべきものと捉えられます。一方、社会モデルでは、心身の状態そのものではなく、それを取り巻く環境や制度、人々の意識といった社会的障壁こそが「障害」を生み出していると考えます。たとえば、車いすを利用する人が建物に入れないとき、医学モデルは「歩けないこと」を原因と見ますが、社会モデルは「入口に段差しかないこと」を原因と見ます。この考え方は、障害者権利条約や障害者差別解消法の基盤にもなっており、社会的障壁を取り除く責任は社会の側にあるという発想へとつながっています。

障害の社会モデルがよく使われるシーン

障害の社会モデルは、障害者雇用の方針を検討する場面や、合理的配慮の考え方を社内で共有する研修の場面で取り上げられます。ダイバーシティ推進やアンコンシャスバイアス研修の基礎概念として紹介されることもあります。また、職場のバリアフリー化や業務プロセスの見直しを検討する際に、「本人に努力を求める」のではなく「環境の側を変える」という視点を提供する考え方として参照されます。採用面接や配置を検討する場面で、障害を理由に機会を狭めていないかを点検する視点としても活用されます。

障害の社会モデルを理解することの重要性

障害の社会モデルを理解すると、障害者雇用における課題の捉え方が大きく変わります。定着がうまくいかないとき、その原因を本人の特性だけに求めるのではなく、業務の設計や職場の設備、周囲の理解といった環境要因に目を向けられるようになります。これは、企業が変えられる余地がどこにあるかを明らかにし、具体的な改善につながります。合理的配慮の提供が法的に求められる背景にも、この社会モデルの考え方があります。社会の側が障壁を取り除くべきだという前提に立つことで、配慮は「特別な優遇」ではなく「公平な機会を保障する当然の調整」として位置づけられます。この視点は、障害の有無にかかわらず、多様な人材が能力を発揮できる職場づくりの土台となります。

実務で活かすためのチェックポイント

  1. 障害者雇用の課題を検討する際、原因を本人の特性だけでなく環境要因の観点からも洗い出す。
  2. 合理的配慮を「優遇」ではなく「公平な機会の保障」として社内に説明する。
  3. 業務プロセスや設備に、能力発揮を妨げている障壁がないかを定期的に点検する。
  4. 管理職向け研修に社会モデルの考え方を取り入れ、配慮の意義への理解を深める。
  5. 障害のある社員本人の声を聞き、どこに障壁があるかを一緒に確認する。

よくある質問(FAQ)

Q1. 障害の社会モデルとは何ですか。

A. 障害が生じる原因を個人の心身機能ではなく、社会の側にある障壁に見いだす考え方です。

Q2. 医学モデルとの違いは何ですか。

A. 医学モデルは障害を個人が克服すべき心身の問題と捉えるのに対し、社会モデルは環境や制度など社会的障壁を障害の原因と捉えます。

Q3. 障害の社会モデルはどのような制度と関係していますか。

A. 障害者権利条約や障害者差別解消法の基盤となる考え方であり、合理的配慮の前提にもなっています。

Q4. 社会モデルの考え方は職場でどう役立ちますか。

A. 定着や能力発揮の課題を環境要因の観点から捉え直し、企業が変えられる部分を具体的に改善する助けになります。

Q5. 合理的配慮と社会モデルはどう関係しますか。

A. 社会の側が障壁を取り除くべきだという社会モデルの前提に立つことで、合理的配慮は公平な機会を保障する当然の調整として位置づけられます。

自社の人材育成・組織課題に関するご相談

障害の社会モデルは、障害者雇用にとどまらず、多様な人材が力を発揮できる職場づくりの基盤となる考え方です。合理的配慮の実践やダイバーシティ推進、管理職の意識醸成にお悩みの際は、貴社の状況に合わせてご一緒に検討いたします。ご相談は下記よりお気軽にお問い合わせください。

https://wonderful-growth.com/contact

関連情報

  • カテゴリ:ダイバーシティ
  • スラッグ:social_model_of_disability
  • 想定URL:https://wonderful-growth.com/swk/hr_words/social_model_of_disability
  • 関連用語:合理的配慮、障害者差別解消法、見えない障害、ジョブコーチ

✺ Editor’s Memo

現場での運用は、業界・規模・組織文化によって大きく変わります。記事内のインタビュー事例も併せて参考にしてください。

— SHARE with カイシャの育成論 編集部

✦ Subscribe

毎週金曜、編集部から
新着インタビューを配信。

登録(無料)

⌖ Related Words

あの用語との関係