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ステイインタビューとは?意味と実施のポイントを解説
はじめに
退職の意思を伝えられてから慌てて引き止めを試みても、従業員の決断が覆ることは多くありません。優秀な人材の流出を防ぐには、退職を考え始める前の段階で本音を把握しておくことが重要です。労働市場の流動性が高まり、転職への心理的なハードルが下がっている今、定期的なサーベイの結果を眺めているだけでは、離職の兆候を見逃してしまうおそれもあります。こうした課題に対する具体的な面談手法として注目されているのが「ステイインタビュー」です。本記事では、ステイインタビューの意味と目的、実施する際のポイントについて解説します。
ステイインタビューとは?
ステイインタビューとは、現在在籍している従業員を対象に、上司や人事担当者が「なぜこの会社で働き続けているのか」「働くうえで何を大切にしているのか」を直接尋ねる面談手法です。日本語では「定着面談」や「在籍者面談」とも呼ばれます。退職者に離職理由を尋ねる「エグジットインタビュー」が事後の振り返りであるのに対し、ステイインタビューは在籍中の従業員を対象に能動的に実施する点が特徴です。業務の成果や目標の達成度を扱う人事考課面談とも異なり、従業員が抱える率直な気持ちや職場への満足・不満を聞き出し、信頼関係を築きながら課題の解決策を一緒に考えることを目的としています。
ステイインタビューがよく使われるシーン
ステイインタビューは、離職リスクが高いとされるハイパフォーマー人材や、入社から一定期間が経過した中堅社員を対象に、通常の1on1ミーティングとは別枠で実施されることが多くあります。組織サーベイでエンゲージメントの低下が見られた部署において、原因を深掘りする目的で個別に実施される場面もあります。また、人材の流動性が高まっている状況を踏まえ、四半期や半期ごとの節目、あるいは入社1年目や3年目といった勤続年数の節目に合わせて制度化し、継続的なリテンション施策の一環として運用する企業も見られます。従業員サーベイで組織全体の傾向をつかみ、ステイインタビューで個々の事情を深掘りするというように、両者を組み合わせて活用する例も増えています。
ステイインタビューを理解することの重要性
ステイインタビューを理解することは、離職防止の取り組みを「事後対応」から「予防」へと転換するうえで重要です。退職の意思表示を受けてから行う引き止め交渉では、給与や待遇面の条件提示に終始しがちで、根本的な不満の解消には至らないことが少なくありません。一方、ステイインタビューを通じて日頃から従業員の本音を把握しておけば、キャリアの停滞や人間関係の摩擦といった問題の兆しを早期に発見し、具体的な対応につなげやすくなります。人材の獲得競争が激しさを増す中、今いる従業員に長く活躍してもらうための投資として、ステイインタビューの意義は高まっています。実施にあたっては、評価面談と混同されないよう目的を明確に伝えるとともに、聞き取った内容を個別対応にとどめず、組織全体の課題として分析し施策に反映させる姿勢が求められます。
実務で活かすためのチェックポイント
- 目的を明確に伝える:評価や査定ではなく、定着支援のための対話であることを事前に説明します。
- 対象者を計画的に選定する:ハイパフォーマー人材や中堅社員など、優先度の高い層から計画的に実施します。
- 心理的安全性を確保する:直属の上司以外が実施する、匿名性に配慮するなど、率直な発言を引き出す工夫をします。
- 聞き取った内容を記録・分析する:個々の面談結果を蓄積し、組織全体の傾向として分析します。
- 具体的な改善行動につなげる:聞き取っただけで終わらせず、可能な範囲で職場環境や制度の改善に反映させます。
よくある質問(FAQ)
Q1. ステイインタビューとエグジットインタビューの違いは何ですか。
A. ステイインタビューは在籍中の従業員を対象に実施するのに対し、エグジットインタビューは退職が決まった従業員を対象に離職理由を聞き取る点が異なります。
Q2. どのくらいの頻度で実施するのが適切ですか。
A. 明確な決まりはありませんが、半期や四半期に一度など、定期的な節目に合わせて実施する企業が多く見られます。
Q3. 誰が面談を実施すべきですか。
A. 直属の上司が実施するケースのほか、より率直な意見を引き出すために人事担当者や第三者が実施するケースもあります。
Q4. 人事考課面談と何が違いますか。
A. 人事考課面談が業務成果や目標達成度を評価する場であるのに対し、ステイインタビューは従業員の気持ちや職場への満足度を聞き取ることに主眼を置く点が異なります。
Q5. 小規模な組織でも導入する意味はありますか。
A. 従業員数が少ない組織ほど一人の離職による影響が大きくなるため、規模にかかわらず定着支援の手法として活用できます。
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