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はじめに
採用では、書類や面接だけでは、候補者の適性や能力を十分に見極めきれないことがあります。こうした課題に対応する仕組みのひとつが、トライアル雇用です。これは、一定の期間、試しに雇い入れて見極めを行う、国の制度にもとづく取り組みです。本記事では、トライアル雇用の意味や活用される場面、利用にあたっての流れや助成金の概要も踏まえながら、実務で押さえておきたいポイントを整理してご紹介します。
トライアル雇用とは?
トライアル雇用とは、職業経験の不足などから就職が難しい求職者を、原則として三か月の期間を定めて試行的に雇用し、その間に適性や能力を見極めて、常用雇用への移行を目指す制度です。厚生労働省が設けている仕組みで、求職者と企業の双方が、互いの適性を確認したうえで本格的な雇用へ進めることを目的としています。
トライアル雇用を利用するには、ハローワークや職業紹介事業者などの紹介を通じて、対象となる求職者を雇い入れることが必要です。対象となるのは、就労の経験が少ない方や、離職期間が一定以上ある方など、就職に当たって不利を抱えやすい求職者です。企業はあらかじめ実施計画書を提出し、定められた要件を満たすことで、制度を活用できます。
トライアル雇用を行う事業主は、トライアル雇用助成金を受けられる場合があります。一般トライアルコースでは、対象者一人につき月額最大四万円が、ひとり親家庭の親などを対象とする場合は月額最大五万円が、原則三か月の期間にわたって支給されます。支給を受けるには、雇用の終了後に定められた期間内で申請を行う必要があります。助成額や要件は見直されることがあるため、申請にあたっては厚生労働省の最新の情報を確認することが大切です。
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トライアル雇用がよく使われるシーン
トライアル雇用は、未経験者や、長く職場を離れていた方を採用する際に活用されます。書類や面接だけでは判断が難しい候補者について、実際の業務を通じて適性を見極めたい場面で役立ちます。採用のミスマッチを防ぐ手段として、また、人材確保の選択肢のひとつとして用いられます。
実務では、ハローワークなどへの相談から始まり、実施計画書の作成、対象者の雇い入れ、三か月の見極め、助成金の申請という流れで進みます。試行の期間中は、対象者が業務に慣れ、力を発揮できるよう支えることが大切です。常用雇用への移行を見据えて、育成や受け入れの体制を整えておくことが望まれます。
なお、トライアル雇用には、一般トライアルコースのほかにも、対象者の状況に応じたコースが設けられています。自社が採用したい人材や、活用したい支援の内容に応じて、どのコースが適しているかを確認することが、制度を効果的に使ううえで役立ちます。
トライアル雇用を理解することの重要性
トライアル雇用を理解することは、採用のミスマッチを減らし、人材確保の幅を広げるうえで役立ちます。試行の期間を通じて適性を確認できる仕組みは、未経験者などの採用に伴う不安を和らげ、双方にとって納得感のある雇用につながるためです。
人事の立場からは、トライアル雇用を、多様な人材に門戸を開く手段として捉える視点が役立ちます。制度の趣旨や要件を正しく理解し、対象者の見極めと育成を丁寧に行うことで、常用雇用への移行を着実に進められます。助成金の活用とあわせて、計画的に運用する姿勢が望まれます。制度を一時的な人手の確保としてだけでなく、人材育成の入り口として位置づける視点も役立ちます。
✺ Editor’s Memo
現場での運用は、業界・規模・組織文化によって大きく変わります。記事内のインタビュー事例も併せて参考にしてください。
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