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積み上げ方式

Reading ツミアゲホウシキEnglish Tsumiage Method

積み上げ方式とは、現在の支給額を基準として、評価結果に応じた増減額を加算または減算することで新しい支給額を決める方法です。積み上げ・積み下げ方式とも呼ばれます。たとえば基本給の改定において、現在の基本給に評価に対応した昇給額を加えて翌年度の基本給とする運用が典型例です。これに対して洗い替え方式は、従来の支給額を考慮せず、その期の評価や等級に応じて支給額を都度決め直す方法です。両者の最大の違いは、過去の支給額が次回の支給額に影響するかどうかにあります。積み上げ方式では過去の評価の結果が金額として蓄積されていくため、支給額は安定し、社員にとっては生活設計を立てやすい仕組みとなります。長く高い評価を得てきた社員が相応の水準に達するという点で、努力の継続が報われる方式ともいえます。一方で、いったん上がった額は下がりにくいため、人件費が下方硬直的になりやすいという課題があります。実務では、月例給の改定には積み上げ方式、賞与には洗い替え方式を用いる組み合わせが標準的とされています。

⌖ Detail

積み上げ方式とは?洗い替え方式との違いと賃金設計への活かし方を解説

はじめに

評価の結果を給与や賞与にどう反映させるかは、賃金制度の設計における中心的な論点です。前年の支給額を出発点として増減させるのか、それとも毎回ゼロから積み直すのか。この選択によって、社員が受け取る金額の安定性も、企業の人件費の管理しやすさも変わります。本記事では、賃金への反映方法として知られる積み上げ方式の意味と、対になる洗い替え方式との違い、設計上の要点を解説します。

積み上げ方式とは?

積み上げ方式とは、現在の支給額を基準として、評価結果に応じた増減額を加算または減算することで新しい支給額を決める方法です。積み上げ・積み下げ方式とも呼ばれます。たとえば基本給の改定において、現在の基本給に評価に対応した昇給額を加えて翌年度の基本給とする運用が典型例です。これに対して洗い替え方式は、従来の支給額を考慮せず、その期の評価や等級に応じて支給額を都度決め直す方法です。両者の最大の違いは、過去の支給額が次回の支給額に影響するかどうかにあります。積み上げ方式では過去の評価の結果が金額として蓄積されていくため、支給額は安定し、社員にとっては生活設計を立てやすい仕組みとなります。長く高い評価を得てきた社員が相応の水準に達するという点で、努力の継続が報われる方式ともいえます。一方で、いったん上がった額は下がりにくいため、人件費が下方硬直的になりやすいという課題があります。実務では、月例給の改定には積み上げ方式、賞与には洗い替え方式を用いる組み合わせが標準的とされています。

積み上げ方式がよく使われるシーン

積み上げ方式が最も広く用いられるのは、基本給の年次改定です。定期昇給や賃金改定において、現在の基本給に評価別の昇給額を加算する仕組みは、多くの企業で採用されています。号俸表を用いる制度では、評価に応じて昇給する号数を定め、現在の号俸から上位の号俸へ移動させる形で積み上げが行われます。範囲給を用いる制度でも、等級ごとの上限額に達するまで昇給を重ねる運用が一般的です。また、諸手当の増額や、勤続に応じた加算の設計にも積み上げの考え方が用いられます。反対に、賞与や業績連動給では洗い替え方式が選ばれる傾向があります。賞与は業績の変動を反映させる性質を持つため、前年の支給額に縛られない設計のほうが合理的だからです。近年は、基本給についても等級と評価で支給額を決め直す洗い替え型の範囲給を採用し、人件費の柔軟性を高める企業も増えています。

積み上げ方式を理解することの重要性

積み上げ方式と洗い替え方式の違いを理解することは、賃金制度が抱える構造的な課題を見極めるうえで重要です。積み上げ方式を長期間続けると、評価が平均的な社員でも年々昇給が重なり、年功的な賃金カーブが形成されやすくなります。実際の貢献度と支給額の乖離が広がると、若手や中途入社者から不公平だという声が上がることもあります。総額人件費の観点でも、下方硬直性は業績悪化局面での経営の選択肢を狭めます。他方で、洗い替え方式に全面的に切り替えれば、支給額の変動が大きくなり、社員の生活の安定を損なう可能性があります。どちらが優れているという性質のものではなく、賃金項目ごとに目的を整理し、安定性を重視する部分と変動性を重視する部分を意図的に配分することが求められます。この設計意図を社員に説明できるかどうかが、制度への納得感を左右します。

実務で活かすためのチェックポイント

  1. 基本給・手当・賞与など賃金項目ごとに、積み上げと洗い替えのいずれを用いるかを整理する。
  2. 積み上げ方式を用いる項目では、等級ごとの上限額を設けて無制限の昇給を防ぐ。
  3. 評価区分と昇給額の対応表を明示し、判断の恣意性を排除する。
  4. 現行の賃金カーブを実データで確認し、年功的な偏りが生じていないか検証する。
  5. 制度変更を行う場合は、不利益変更に該当しないかを確認し、移行措置を検討する。

よくある質問(FAQ)

Q1. 積み上げ方式とは何ですか。

A. 現在の支給額を基準として、評価結果に応じた増減額を加算または減算し、新しい支給額を決める方法です。

Q2. 洗い替え方式との違いは何ですか。

A. 積み上げ方式は過去の支給額が次回に引き継がれますが、洗い替え方式は過去の額を考慮せず、その期の評価や等級で支給額を決め直します。

Q3. どの賃金項目に用いるのが一般的ですか。

A. 月例給、とりわけ基本給の改定に用いられるのが一般的です。賞与には洗い替え方式が選ばれる傾向があります。

Q4. 年功的な賃金になってしまいませんか。

A. 等級ごとの上限額を設ける、評価下位者は昇給させないなどの仕組みを組み合わせることで、年功化を抑えることができます。

Q5. 積み上げ方式から洗い替え方式へ変更できますか。

A. 変更は可能ですが、支給額が下がる社員が生じる場合は労働条件の不利益変更に該当し得ます。移行措置や労使での協議が必要です。

自社の人材育成・組織課題に関するご相談

賃金への評価反映の設計は、社員の納得感と人件費の管理可能性を両立させる必要があります。賃金体系の見直し、昇給ルールの整理、制度移行の進め方にお悩みの際は、貴社の実情に合わせてご一緒に検討いたします。ご相談は下記よりお気軽にお問い合わせください。

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関連情報

  • カテゴリ:評価・等級
  • スラッグ:tsumiage_method
  • 想定URL:https://wonderful-growth.com/swk/hr_words/tsumiage_method
  • 関連用語:洗い替え方式、号俸、レンジレート、総額人件費

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