⌖ Detail
はじめに
チームづくりやマネジメントを学ぶ場面で、タックマンモデルという言葉を見聞きすることがあります。チームが成果を出せる状態に至るまでの過程を、いくつかの段階に分けて説明した考え方です。本記事では、タックマンモデルの意味や各段階の特徴、活用される場面、実務で役立つポイントを整理してご紹介します。
タックマンモデルとは?
タックマンモデルとは、心理学者のブルース・タックマンが提唱した、チームの成長過程を段階で示した理論を指します。チームは結成された直後から高い成果を上げられるわけではなく、いくつかの段階を経て成熟していくという考え方を示したものです。チームビルディングの基本的な枠組みとして、広く知られています。
このモデルでは、チームの成長を主に五つの段階で説明します。第一は形成期で、メンバーが集まったばかりで互いをよく知らず、緊張感のある状態です。第二は混乱期で、考え方や進め方の違いから対立や意見の衝突が起こる時期です。第三は統一期で、共通の目標やルールが形づくられ、関係が安定し始める段階です。第四は機能期で、メンバーが互いに信頼し、協力しながら高い成果を上げられる状態です。そして第五は散会期で、目的を達成し、チームが解散へ向かう段階です。混乱期を避けるのではなく、適切に乗り越えることが、機能期へ進むための鍵とされています。
広告
タックマンモデルがよく使われるシーン
タックマンモデルは、新しいチームやプロジェクトを立ち上げる場面でよく活用されます。チームが今どの段階にあるのかを把握することで、リーダーが取るべき関わり方を見極める手がかりになります。例えば、形成期には目的の共有を、混乱期には対話の促進を重視するといった具合に、段階に応じた支援を考えることができます。
人材育成や研修の場面でも、このモデルは取り上げられます。管理職やリーダーが、チームの状態を客観的に捉える視点を学ぶ教材として用いられます。また、チームの不調を診断し、改善の方向性を議論する際にも、共通の言葉として役立ちます。混乱期の対立を、成長の過程で自然に生じるものとして捉え直すことで、過度に不安を抱かずに向き合えるようになります。
タックマンモデルを理解することの重要性
タックマンモデルを理解することは、チームの状態を冷静に捉え、適切に働きかけるうえで重要です。チームに対立や停滞が生じると、リーダーは問題が起きていると焦りがちですが、それが成長の過程で避けて通れない段階だと理解していれば、落ち着いて対応できます。段階を踏まえることで、いま何に力を注ぐべきかが明確になります。
組織開発の観点からも、このモデルは有用です。チームは放っておいて成熟するわけではなく、各段階に応じた働きかけによって成長が促されます。混乱期を恐れて対立を抑え込むと、表面的な平穏は保てても、本当の意味での信頼や協力は育ちにくくなります。意見の違いを率直に交わせる場を整え、丁寧に乗り越えていくことが、成果を生み出すチームづくりにつながります。
実務で活かすためのチェックポイント
✺ Editor’s Memo
現場での運用は、業界・規模・組織文化によって大きく変わります。記事内のインタビュー事例も併せて参考にしてください。
— SHARE with カイシャの育成論 編集部