⌖ Detail
ビジョナリー型リーダーシップとは?意味とゴールマンの理論を解説
はじめに
組織を大きく成長させたい、変革期をどう乗り切ればよいか分からない。そうした局面で求められるのが、明確な将来像を示して人を動かす力です。心理学者ダニエル・ゴールマンは、成果を出すリーダーが状況に応じて使い分ける複数のリーダーシップスタイルを提示しており、その一つが「ビジョナリー型リーダーシップ」です。本記事では、その意味と実践のポイントを解説します。
ビジョナリー型リーダーシップとは?
ビジョナリー型リーダーシップとは、心理学者ダニエル・ゴールマンが提唱した6つのリーダーシップスタイルの一つで、組織が目指す将来像(ビジョン)を明確に示し、そのビジョンへの共感を通じてメンバーの自発的な行動を引き出すスタイルを指します。「ビジョン型」と呼ばれることもあります。具体的な行動手順を細かく指示するのではなく、目指す方向性や意義を語りかけることで、メンバー自身がその実現に向けた方法を考え、主体的に動くよう促す点が特徴です。ゴールマンは、優れたリーダーは特定のスタイルに固執せず、コーチ型や関係重視型など他のスタイルとあわせて、組織の変革期や停滞期など状況に応じてビジョナリー型を使い分けていると説明しています。強力なビジョンは、部門を横断した協力を引き出しやすい点も特徴として挙げられます。ゴールマンが提唱した6つのスタイルには、このほかコーチ型・関係重視型・民主型・ペースセッター型・強制型があり、ビジョナリー型はその中でも組織風土全体に最も好ましい影響を与えるスタイルの一つとされています。
ビジョナリー型リーダーシップがよく使われるシーン
経営統合や事業の方向転換など、組織が大きな変革を迫られる局面で、経営層やプロジェクトリーダーがこのスタイルを発揮する場面があります。また、新規事業の立ち上げ期に、まだ具体的な手順が定まっていない中でメンバーの士気を高めたいときにも活用されます。停滞感のある組織に新しい目標意識を根付かせたい場面や、複数の部門を横断するプロジェクトで共通の目的意識を醸成したい場面でも、有効な手法として紹介されることがあります。経営理念やパーパスを社内に浸透させる年度初めのキックオフなど、節目となる場面で活用されることもあります。
ビジョナリー型リーダーシップを理解することの重要性
ビジョナリー型リーダーシップの効果は、リーダーが示すビジョンにメンバーが共感できるかどうかに大きく左右されます。ビジョンが抽象的すぎたり、現場の実態とかけ離れていたりすると、メンバーの共感を得られず、掛け声だけで終わってしまう恐れがあります。また、方向性は示すが具体的な行動指示は最小限にとどめるスタイルであるため、経験の浅いメンバーが多い組織では、別途フォローアップの仕組みを整える必要があります。専門性の高いメンバーが多いチームでは、細部への指示を控えるこのスタイルが自律性を尊重する形で機能しやすいとも言われます。管理職がこのスタイルを効果的に使うには、ビジョンを分かりやすい言葉で語る力とあわせて、日々の対話を通じてメンバーの理解度を確認する姿勢が求められます。ビジョンを語るだけで満足せず、日常のマネジメントの中で一貫した行動を積み重ねることも、信頼を得るうえで欠かせません。
実務で活かすためのチェックポイント
- 組織が目指す将来像を、現場のメンバーにも実感できる具体的な言葉で語る。
- ビジョンを一度伝えて終わりにせず、様々な機会で繰り返し発信し浸透を図る。
- 経験の浅いメンバーには、ビジョンとあわせて当面の行動の目安も示す。
- メンバーがビジョンをどう解釈し行動しているか、対話を通じて定期的に確認する。
- 組織の状況やメンバーの成熟度に応じて、ビジョナリー型と他のスタイルを使い分ける。
よくある質問(FAQ)
Q1. ビジョナリー型リーダーシップとは何ですか。
A. 組織の将来像を明確に示し、メンバーの共感を通じて自発的な行動を引き出すリーダーシップのスタイルです。
Q2. ビジョナリー型リーダーシップは誰が提唱しましたか。
A. 心理学者ダニエル・ゴールマンが、6つのリーダーシップスタイルの一つとして提唱しました。
Q3. ビジョナリー型リーダーシップはどのような場面で有効ですか。
A. 組織の変革期や新規事業の立ち上げ期など、方向性の提示や部門横断の協力が重要になる局面で有効とされています。
Q4. ビジョナリー型リーダーシップの注意点は何ですか。
A. ビジョンが抽象的すぎるとメンバーの共感を得られず、行動につながらない恐れがある点です。
Q5. ビジョナリー型リーダーシップだけを使い続ければよいのですか。
A. いいえ。ゴールマンは状況に応じて複数のリーダーシップスタイルを使い分けることの重要性を説いています。
自社の人材育成・組織課題に関するご相談
組織の変革期に求められるリーダーシップのあり方は、企業のフェーズによって異なります。管理職向けのリーダーシップ研修や育成体系の構築にお悩みの際は、貴社の状況に合わせてご一緒に検討いたします。ご相談は下記よりお気軽にお問い合わせください。
https://wonderful-growth.com/contact
関連情報
- カテゴリ:マネジメント
- スラッグ:visionary_leadership
- 想定URL:https://wonderful-growth.com/swk/hr_words/visionary_leadership
- 関連用語:サーバントリーダーシップ、変革型リーダーシップ、オーセンティックリーダーシップ、専制型リーダーシップ
✺ Editor’s Memo
現場での運用は、業界・規模・組織文化によって大きく変わります。記事内のインタビュー事例も併せて参考にしてください。
— SHARE with カイシャの育成論 編集部