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はじめに
新卒採用といえば、春に一斉に選考を行う形が長く一般的でした。しかし近年は、年間を通じて随時採用を行う「通年採用」を取り入れる企業が増えています。働き方や学び方が多様になり、決まった時期の一括採用だけでは出会えない人材が増えてきたためです。本記事では、通年採用の意味や導入の考え方を整理してご紹介します。
通年採用とは?
通年採用とは、特定の時期に限定せず、年間を通じて継続的に採用活動を行う方式を指します。春の一時期に選考を集中させる新卒一括採用に対して、必要なタイミングで随時募集と選考を進める点が特徴です。新卒だけでなく、既卒や留学生、第二新卒など、多様な背景を持つ候補者を対象に含めることが多く、中途採用と組み合わせて運用されることもあります。新卒採用の一部を通年化する場合もあれば、採用活動の全体を通年で設計する場合もあり、その範囲は企業によってさまざまです。
日本では長らく新卒一括採用が主流でしたが、経済団体や大学の側からその見直しを求める動きが広がり、通年採用を併用する企業が増えてきました。海外で学ぶ学生や、卒業時期の異なる留学生、やむを得ない事情で一括採用の時期に動けなかった人など、従来の枠組みでは取りこぼしていた人材と出会える点が、通年採用が広がる背景にあります。加えて、新卒一括採用の慣行そのものを見直し、学生が学業に専念できる環境を整えようとする議論も、通年採用への移行を後押ししています。
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通年採用がよく使われるシーン
通年採用は、採用ニーズが年間を通じて発生する企業でよく活用されます。事業の成長が速く、計画的に人員を増やしていく企業では、春の一括採用だけでは必要な人数やタイミングに対応しきれません。そこで、欠員や増員の必要が生じるたびに募集を行う通年採用が選ばれます。新卒採用で計画数に届かなかった分を、年間を通じて補う目的で導入される場合もあります。
また、多様な人材を求める場面でも通年採用は力を発揮します。海外大学の卒業生や、社会人経験を積んだ第二新卒、専門スキルを持つ人材など、一括採用の時期にとらわれない候補者に門戸を開けるためです。選考の時期を分散できるため、一人ひとりにかける時間を確保しやすく、丁寧な見極めにつながるという利点もあります。一度に大量の応募者をさばく必要がないぶん、一人ひとりの背景や志向を深く理解したうえで採否を判断しやすくなります。
通年採用を理解することの重要性
通年採用を理解することは、自社に合った採用の進め方を選ぶうえで重要です。一括採用には、同期のつながりが生まれやすく、研修を一斉に行える効率の良さがあります。一方の通年採用には、多様な人材と出会え、採用のタイミングを事業に合わせやすいという強みがあります。どちらが優れているという話ではなく、自社の事業特性や育成の方針に応じて使い分ける視点が大切です。どちらの方式にも一長一短があるため、両者を組み合わせ、自社の採用全体のなかでバランスをとる発想が現実的です。
導入にあたっては、運用面の負担にも目を向ける必要があります。年間を通じて選考を行うため、面接や評価の体制を継続的に維持しなければなりません。応募者ごとに選考の時期がずれるため、評価基準を明文化しておかないと、判断にばらつきが生じやすくなります。通年採用を機能させるには、採用要件を明確にし、選考のプロセスを標準化しておくことが欠かせません。あわせて、入社の時期が分散することを見越して、受け入れや研修の仕組みを柔軟に整えておくと、現場の負担を抑えられます。