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「求職者等セクハラ」対策が10月1日に義務化|面接・説明会・インターンも対象、今から整える実践ステップ

2026年10月1日から、就職活動中の学生やインターン生への性的な言動を防ぐ措置が新たに義務化されます。厚生労働省の調査では、約3人に1人が被害を経験したと回答しています。採用担当者が今から準備すべき対応を解説します。

公開日
2026/09/15
更新日
2026/09/15
読了時間
8
著者
WONDERFUL GROWTH編集部
求職者等セクハラ就活セクハラ男女雇用機会均等法採用ハラスメント対策

2026年10月1日から、就職活動中の学生やインターン生への性的な言動を防ぐ措置が新たに義務化されます。厚生労働省の調査では、約3人に1人が被害を経験したと回答しています。採用担当者が今から準備すべき対応を解説します。

「3人に1人」が経験している就活セクハラの実態

厚生労働省は令和6年3月、委託調査「職場のハラスメントに関する実態調査報告書」(令和5年度厚生労働省委託事業、PwCコンサルティング合同会社)を公表しました。調査の対象は、2020年度から2022年度に卒業し、就職活動またはインターンシップを経験した男女1,000名です。この調査で、就職活動中のセクシュアルハラスメント(以下、就活セクハラ)の経験を尋ねたところ、次の結果が得られました。インターンシップ以外の就職活動中に就活セクハラを一度以上受けたと回答した人は31.9%、インターンシップ中に受けたと回答した人は30.1%にのぼりました。

出典:厚生労働省「職場のハラスメントに関する実態調査報告書」(令和6年3月、令和5年度厚生労働省委託事業、PwCコンサルティング合同会社)

一方で、企業側の対応は追いついていません。同調査で就活セクハラの予防・解決のための取り組みを尋ねたところ、「特にない」と回答した企業が53.0%を占めました。相談窓口の設置など基本的な体制を整えている企業でも、対象を自社の労働者に限定し、学生や応募者からの相談を想定していないケースが少なくありません。

事案の内容としては「性的な冗談やからかい」が45.0%で最も多くなっています。行為者は、インターンシップでは「インターンシップを担当した自社従業員」、通常の就職活動では「大学のOB・OG訪問を通して知り合った従業員」が最多でした。採用活動の中で学生と接する立場にある社員の言動が、そのまま企業のリスクになっていることが分かります。

2026年10月1日から何が変わるのか

令和7年6月11日に「労働施策の総合的な推進並びに労働者の雇用の安定及び職業生活の充実等に関する法律等の一部を改正する法律」(令和7年法律第63号)が公布されました。この改正法により、労働施策総合推進法と男女雇用機会均等法があわせて改正されています。均等法の改正により、これまで「労働者」に限られていたセクシュアルハラスメント防止措置の対象に、新たに「求職者等」が加わります。施行日は令和8年10月1日です。同じ改正法による労働施策総合推進法の改正で、カスタマーハラスメント対策の義務化も同日に始まりますが、根拠となる条文も指針も別のものです。

厚生労働省は令和8年2月26日、「事業主が求職活動等における性的な言動に起因する問題に関して雇用管理上講ずべき措置等についての指針」(令和8年厚生労働省告示第52号)を告示しました。「求職活動等」には、採用面接・就職説明会・インターンシップ・教育実習や看護実習の受講などが含まれます。対面でのやり取りに限らず、SNS等オンライン上のやり取りも対象です。対象となる事業主の規模に条件はなく、従業員数にかかわらずすべての企業が対応を求められます。

採用担当者が今から整える実践ステップ

指針が示す措置の内容を踏まえると、企業が今から準備すべき対応は、次の五つに整理できます。

ステップ1 就業規則に方針を明記する

求職者等に対するセクシュアルハラスメントを行ってはならない旨の方針と、行った場合に厳正に対処する旨の方針を、就業規則その他の服務規律を定めた文書に明記します。既存のセクハラ規定に「求職者等を含む」という一文を加えるだけでも、対応の第一歩です。

  • 既存の就業規則にあるセクハラ禁止規定の対象範囲を確認したか
  • 「求職者等」を対象に含める文言を追加したか
  • 改定した規定を、管理監督者を含む労働者に周知したか

ステップ2 求職活動等のルールをあらかじめ明確化する

面接・説明会・OB訪問・インターンシップの場では、選考や指導に関係のない連絡先の交換、業務時間外の個別の呼び出しなど、避けるべき行動をあらかじめルール化しておきます。定めたルールは、社員だけでなく学生等の求職者にも周知することが指針で求められています。

  • 面接官やリクルーター向けに、避けるべき言動のルールを文書化したか
  • ルールを、募集要項や説明会資料等で学生側にも周知したか

ステップ3 相談窓口を整備し、担当者を明確にする

相談窓口をあらかじめ定め、求職者等に周知します。指針は、求職者等が人事担当者への相談をためらう場合を想定し、人事担当者以外の者を相談担当者に加えることを求めています。既存のハラスメント相談窓口を一元化し、就活セクハラの相談も受け付けられる体制にすることが現実的な対応です。

  • 相談窓口の担当者に、人事部門以外の人材が含まれているか
  • 学生等の求職者が相談窓口の存在を知る手段(募集要項、説明会での案内等)を用意したか

ステップ4 面接官・リクルーターへの研修を実施する

事案の多くは、面接官やOB・OG訪問で学生と接する社員の言動から生じています。採用に関わる全社員を対象に、求職者等セクハラの定義と具体例、相談窓口の存在を伝える研修を実施します。年に一度の座学にとどめず、採用シーズン前の短時間の注意喚起を組み合わせると効果的です。

  • 採用担当者、面接官、OB訪問対応者に研修を実施したか
  • 研修の対象に、非正規雇用の社員や委託先の担当者も含めたか

ステップ5 事案発生時の対応フローとプライバシー保護を定める

相談があった場合の事実確認の手順、相談者と行為者双方のプライバシー保護、相談したことを理由に不利益な扱いをしない旨の方針を、あらかじめ定めておきます。学生から見れば、選考結果に影響するのではという不安が相談の妨げになりやすいため、この点を明文化し周知することが特に重要です。

  • 事実確認から対応までの流れを文書化したか
  • 相談によって選考上の不利益を受けない旨を、相談窓口の案内に明記したか

混同しやすい「カスタマーハラスメント対策」との違い

同じ日に義務化される二つの制度は、守る対象が逆になっている点に注意が必要です。カスタマーハラスメント対策は、顧客等からの迷惑行為から自社の労働者を守るための措置です。求職者等セクハラ対策は、自社の社員が求職者に対して行う言動を防ぐための措置です。採用部門と、顧客対応を行う現場部門とでは、必要な準備の中身が異なります。自社がどちらの制度で何を求められているのかを、部署ごとに確認しておくことをお勧めします。

就活セクハラへの対応は、法令遵守にとどまらず、学生からの評判や応募辞退の防止にも直結します。採用競争が続く中、安心して選考に臨める環境を整えることは、応募者に選ばれる企業になるための土台でもあります。制度の整備から研修の実施まで自社だけで進めることに不安がある場合は、外部の力を借りることも一つの方法です。

採用担当者向けの研修設計や、ハラスメント防止の体制づくりについては、お問い合わせフォームよりお気軽にご相談ください。

Editor’s Note

本記事は WONDERFUL GROWTH 編集部が、現場の人事・経営者の方々への取材と 自社支援データを元に作成しています。
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