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106万円の壁とは?社会保険の適用基準と2026年の制度改正を解説
はじめに
パート・アルバイト従業員から「働く時間を増やすと社会保険料の負担で手取りが減ってしまう」と相談を受け、シフト調整に悩んだ経験を持つ人事・労務担当者は多いのではないでしょうか。こうしたいわゆる就業調整の背景にある基準のひとつが「106万円の壁」です。2026年には制度の大きな見直しも予定されており、実務対応を検討する必要が生じています。本記事では、106万円の壁の基本的な仕組みと今後の動向を解説します。
106万円の壁とは?
106万円の壁とは、一定の要件を満たす短時間労働者が、厚生年金保険・健康保険といった社会保険への加入対象となる年収の目安を指す言葉です。2016年に導入された制度で、月額賃金が88,000円以上(年収換算でおおむね106万円程度)であることに加えて、週の所定労働時間が20時間以上、雇用期間の見込みが一定以上、学生でないことなどの要件を満たし、かつ従業員数が一定規模を超える「特定適用事業所」に勤務している場合に、社会保険への加入義務が生じます。加入により手取り収入が一時的に減少するケースがあるため、労働時間を意図的に抑える「就業調整」の一因になっているとされてきました。
106万円の壁がよく使われるシーン
- パート従業員の労働時間調整の相談対応:社会保険料の負担を理由に勤務時間を抑えたいという相談に対応する場面。
- 社会保険の適用拡大への実務対応:自社が特定適用事業所に該当するかどうかを確認し、対象者を洗い出す場面。
- 社内説明会や個別面談での制度説明:制度の仕組みや今後の改正内容を従業員にわかりやすく説明する場面。
- 採用時の労働条件説明:パート・アルバイトの求人条件や労働条件通知書の内容を検討する場面。
- シフト・人員配置の見直し:制度改正を見据えて、人員体制や労働時間の設計を見直す場面。
106万円の壁を理解することの重要性
106万円の壁を理解しておくことは、人手不足が続く中で、短時間労働者の就業調整による労働力の目減りを防ぐうえで重要な意味を持ちます。従業員が制度の内容を正しく理解しないまま就業調整を選択してしまうと、本人が本来得られたはずの収入や将来の年金給付の機会を逃してしまう可能性もあります。人事・労務担当者が制度の仕組みと影響を正確に説明できることは、従業員が納得したうえで働き方を選択するための助けになります。
さらに、2026年10月を目途にこの106万円の壁が撤廃される方向で制度改正が進められており、企業側には社会保険の適用対象や保険料負担の変化を見据えた準備が求められています。制度改正の内容を早期に把握し、社内対応を検討しておくことが重要です。
実務で活かすためのチェックポイント
- 自社が特定適用事業所に該当するか確認する:従業員数の要件などをもとに、自社の適用状況を確認します。
- 対象となる従業員の年収を把握する:106万円前後で就業調整をしている従業員がいないかを確認します。
- 制度改正のスケジュールを把握し周知する:撤廃時期や経過措置の内容を正確に把握し、従業員に周知します。
- 保険料負担増への説明を準備する:加入により本人負担がどの程度増えるのか、具体的に説明できるよう準備します。
- 労働時間・シフト設計を見直す:就業調整を前提としない人員配置への移行を見据えて、体制を検討します。
よくある質問(FAQ)
Q1. 106万円の壁と130万円の壁は何が違いますか。
A. 106万円の壁は一定規模以上の企業に勤める短時間労働者本人の社会保険加入基準であるのに対し、130万円の壁は主に配偶者の扶養から外れて自身で社会保険に加入する基準として位置づけられています。
Q2. 106万円の壁はいつ撤廃される予定ですか。
A. 2026年10月を目途に撤廃される方向で法改正が進められており、月額賃金要件が段階的に見直される予定です。
Q3. 撤廃されるとどのような影響がありますか。
A. 賃金要件が撤廃されることで、労働時間要件など他の基準を満たす短時間労働者の社会保険加入対象が広がると見込まれています。
Q4. 企業はどのような対応が必要になりますか。
A. 新たに社会保険の適用対象となる従業員の把握や、保険料負担の変化についての説明、必要に応じた人員体制の見直しが必要になります。
Q5. 103万円や178万円の壁とはどのような関係がありますか。
A. 103万円や178万円の壁は所得税がかかり始める年収の基準であり、社会保険料の負担が生じる106万円や130万円の壁とは制度の根拠が異なります。
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