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アビリーンのパラドックス

Reading アビリーンノパラドックスEnglish Abilene Paradox

アビリーンのパラドックスとは、集団の構成員それぞれが「自分の意見は他のメンバーとは違うのだろう」と思い込み、本当は望んでいない案に異論を唱えないまま同意してしまうことで、結果として誰も望んでいない結論に至ってしまう現象を指します。経営学者のジェリー・B・ハーヴェイが提唱した概念です。

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アビリーンのパラドックスとは?意味と組織での対策を解説

はじめに

会議で誰も反対しなかったはずなのに、後になって「実はあの案には賛成していなかった」という声が上がる。そんな経験をしたことはないでしょうか。「アビリーンのパラドックス」は、こうした集団の意思決定の落とし穴を説明する概念です。本記事では、その意味と組織での対策について解説します。

アビリーンのパラドックスとは?

アビリーンのパラドックスとは、集団の構成員それぞれが「自分の意見は他のメンバーとは違うのだろう」と思い込み、本当は望んでいない案に異論を唱えないまま同意してしまうことで、結果として誰も望んでいない結論に至ってしまう現象を指します。経営学者のジェリー・B・ハーヴェイが提唱した概念です。

名称は、ハーヴェイが紹介したある家族の逸話に由来します。暑い日にテキサス州アビリーンへ長距離のドライブに出かけた家族が、誰も本当は行きたくなかったにもかかわらず、それぞれが「他の家族は行きたいのだろう」と思い込んで賛成し、結果的に全員が不満足な思いをしたというエピソードです。この逸話が、集団における合意形成の落とし穴を象徴する例として広く紹介されています。

アビリーンのパラドックスがよく使われるシーン

会議やプロジェクトの意思決定の場で、表面上は全員が賛成しているにもかかわらず、実行段階になって不満や消極的な姿勢が表面化する状況を説明する際に使われます。組織開発やチームビルディングの研修において、心理的安全性の重要性を説明する導入として紹介されることも多くあります。また、経営層が過去の意思決定を振り返り、なぜあの案が実行されてしまったのかを分析する場面でも参照される概念です。

アビリーンのパラドックスを理解することの重要性

アビリーンのパラドックスを理解する意義は、「協調的な組織」と「健全な意思決定」が必ずしも一致しないという事実に気づける点にあります。表面的な一致や波風を立てない雰囲気は、必ずしも良い意思決定を意味しません。むしろ、誰も本音を言い出せない状況が、質の低い結論を生み出す原因になり得ます。

この概念は、集団浅慮(グループシンク)としばしば比較されます。集団浅慮が同調圧力によって判断能力そのものが損なわれる現象であるのに対し、アビリーンのパラドックスは、各人が個別には異論を持ちながらも、それを言い出せずに同意してしまう点に特徴があります。この違いを理解しておくことは、組織で起きている問題の性質を正しく見極めるうえで役立ちます。表面上は和やかに意思決定が進んでいるように見える組織ほど、実はこのパラドックスに陥っていないか、注意深く点検する価値があります。管理職自身が率先して弱みや懸念を率直に語る姿勢を見せることも、部下が本音を話しやすい雰囲気づくりにつながります。

実務で活かすためのチェックポイント

  1. 反対意見を歓迎する場をつくる:会議で異論を出しやすい雰囲気や進行方法を工夫します。
  2. 沈黙を合意と解釈しない:発言がないことを賛成の証と安易に判断しないようにします。
  3. 一人ひとりに意見を確認する:全体への問いかけだけでなく、個別に意見を確認する機会を設けます。
  4. 心理的安全性を高める:異論を述べても不利益を受けないという安心感を組織に根づかせます。
  5. 決定後の振り返りを行う:実行段階で消極的な反応が出た場合、意思決定のプロセスを振り返ります。
  6. ファシリテーターの役割を意識する:会議の進行役が、あえて異論を引き出す問いかけを行う工夫も有効です。

よくある質問(FAQ)

Q1. アビリーンのパラドックスとはどのような意味ですか。

A. 集団の構成員が本当は望んでいない案に、異論を唱えないまま同意してしまい、誰も望まない結論に至る現象です。

Q2. 誰が提唱した概念ですか。

A. 経営学者のジェリー・B・ハーヴェイが提唱しました。

Q3. 集団浅慮(グループシンク)とは何が違いますか。

A. 集団浅慮は同調圧力によって判断能力が損なわれる現象であるのに対し、アビリーンのパラドックスは各人が個別に異論を持ちながらも言い出せない点に特徴があります。

Q4. なぜこの名前がついているのですか。

A. ハーヴェイが紹介した、誰も望んでいなかったにもかかわらず家族全員がアビリーンへのドライブに同意してしまったという逸話に由来します。

Q5. 組織ではどのような対策が有効ですか。

A. 異論を出しやすい会議運営や、個別に意見を確認する機会、心理的安全性を高める取り組みなどが有効です。

Q6. アビリーンのパラドックスはどのような組織で起こりやすいですか。

A. 人間関係を重視し、対立や摩擦を避ける傾向が強い組織ほど、本音を言い出しにくくなり、このパラドックスが起こりやすいとされています。

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  • カテゴリ:マネジメント
  • スラッグ:abilene_paradox
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  • 関連用語:集団浅慮、心理的安全性、合意形成

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