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ADKARモデルとは?個人の変化を段階的に導くチェンジマネジメント手法を解説
はじめに
新しい人事制度やシステムを導入したものの、現場に浸透しないまま形骸化してしまう。そうした経験を持つ管理職や人事担当者は少なくありません。組織全体の変革プロセスを描いても、実際に行動を変えるのは一人ひとりの従業員です。そこで役立つのが、個人が変化を受け入れるまでの過程を段階的に捉える「ADKARモデル」です。本記事では、ADKARモデルの意味と5つの段階、実務での活用のポイントを解説します。
ADKARモデルとは?
ADKARモデルとは、個人が変化を受け入れ、定着させるまでの過程を5つの段階で捉えるチェンジマネジメントの枠組みです。変革コンサルティング会社プロサイ(Prosci)の創業者であるジェフ・ハイアット氏が提唱しました。名称は、認識(Awareness)、願望(Desire)、知識(Knowledge)、能力(Ability)、強化(Reinforcement)という5つの要素の頭文字に由来します。認識は変化の必要性を理解する段階、願望はその変化に参加しようという意欲を持つ段階、知識は変化に対応する方法を学ぶ段階を指します。能力は学んだ知識を実際の行動に移せるようになる段階、強化は新しい行動を継続させ、後戻りしないよう後押しする段階です。
既存の変革理論として知られる「コッターの8段階変革プロセス」は、組織全体を対象とした変革の進め方を示すものです。これに対してADKARモデルは、一人ひとりの従業員が変化をどう受け止め、行動を変えていくかという個人の内面に焦点を当てている点が特徴です。組織全体の設計図と、個人の変化を支える設計図を組み合わせることで、変革の実効性を高めやすくなります。
ADKARモデルがよく使われるシーン
ADKARモデルは、新しい基幹システムや業務プロセスを導入する際、現場の従業員がなぜ変化が必要なのかを理解し、実際に使いこなせるようになるまでの支援計画を立てる場面で使われます。人事評価制度や等級制度を改定する際、対象となる従業員や評価者に新しい仕組みを浸透させる過程を設計する場面でも活用されます。また、企業合併や買収後に異なる制度や文化を統合していく過程で、従業員一人ひとりの受け止め方を段階的に把握する目的でも用いられます。段階ごとに必要な支援を見極める手がかりとしても役立ちます。チェンジマネジメントの研修やコンサルティングの現場でも、代表的な分析枠組みとして紹介されることが多い手法です。
ADKARモデルを理解することの重要性
変革が計画どおりに進まない主な原因の一つは、経営層や推進チームが変化の必要性を十分に理解していても、現場の従業員がそれぞれの段階でつまずいていることに気づかないまま進めてしまう点にあります。ADKARモデルを活用すれば、従業員が今どの段階にとどまっているのかを見極められます。認識が不足しているのか、意欲が湧いていないのか、知識や能力が足りないのか、あるいは定着への支援が不足しているのかを切り分けて対応できます。段階ごとに必要な施策は異なるため、原因を特定せずに一律の研修や説明会だけを重ねても効果は限定的です。個人の変化を積み上げていく視点を持つことは、組織全体の変革を確実に前進させるうえで重要な意味を持ちます。
実務で活かすためのチェックポイント
- 認識段階では変化の理由を丁寧に伝える:なぜ今この変化が必要なのかを、経営環境や現場の課題と結びつけて説明します。
- 願望段階では対話の機会を設ける:一方的な説明にとどめず、従業員の懸念や疑問に耳を傾ける場を用意します。
- 知識段階では具体的な研修を用意する:新しい制度やシステムの操作方法、判断基準を体系的に学べる機会を提供します。
- 能力段階では実践の場を設ける:学んだ知識を実際の業務で試し、フィードバックを受けられる環境を整えます。
- 強化段階では継続的なフォローを行う:定着状況を定期的に確認し、後戻りの兆候があれば早めに支援します。
よくある質問(FAQ)
Q1. ADKARモデルとは何ですか。
A. 認識、願望、知識、能力、強化という5つの段階で、個人が変化を受け入れる過程を捉えるチェンジマネジメントの枠組みです。
Q2. ADKARは誰が提唱しましたか。
A. 変革コンサルティング会社プロサイの創業者であるジェフ・ハイアット氏が提唱しました。
Q3. コッターの8段階変革プロセスとは何が違いますか。
A. コッターのモデルが組織全体の変革の進め方を示すのに対し、ADKARモデルは個人が変化を受け入れる過程に焦点を当てています。
Q4. どのような場面で活用できますか。
A. システム導入や制度改定、企業合併後の統合など、従業員の行動変容が求められるあらゆる変革の場面で活用できます。
Q5. 5つの段階のうち、特につまずきやすいのはどこですか。
A. 変化の必要性は理解していても参加への意欲が湧かない願望段階と、学んだことを行動に移せない能力段階でつまずくケースが多いとされています。
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関連情報
- カテゴリ:マネジメント
- スラッグ:adkar_model
- 想定URL:https://wonderful-growth.com/swk/hr_words/adkar_model
- 関連用語:チェンジマネジメント、コッターの8段階変革プロセス、フィードバックループ
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