⌖ Detail
TAM・SAM・SOMとは?市場規模を3段階で捉えるフレームワークを解説
はじめに
新規事業の企画書や投資家向けの説明資料で、「この事業はどれくらいの市場規模を見込めるのか」という質問に、根拠を持って答えられずに困った経験はないでしょうか。市場規模の説明があいまいなままでは、事業計画の説得力が下がり、投資判断や予算配分の議論も進みにくくなります。こうした課題に対応する代表的な考え方が「TAM・SAM・SOM」です。本記事では、TAM・SAM・SOMの意味と、それぞれの違い、実務での活用のポイントを解説します。
TAM・SAM・SOMとは?
TAM・SAM・SOMとは、事業が対象とする市場規模を3つの階層に分けて捉える算出のフレームワークです。TAM(Total Addressable Market)は、その事業が理論上獲得しうる最大の市場規模を指します。SAM(Serviceable Available Market)は、自社の事業モデルや提供地域、対象業種などの制約を踏まえたときに、実際にアプローチ可能な市場規模を指します。SOM(Serviceable Obtainable Market)は、競合の状況や自社の営業体制、短中期の事業計画を踏まえて、現実的に獲得が見込める市場規模を指します。この3つを大きな円から小さな円へと絞り込むように示すことで、理想論としての市場の大きさと、実際に狙える範囲の両方を一つの図で説明できるようになります。
TAM・SAM・SOMがよく使われるシーン
TAM・SAM・SOMは、新規事業の立ち上げや新製品の投入にあたり、事業計画書のなかで市場規模の根拠を示す場面で使われます。スタートアップや新規事業部門が投資家や経営会議に向けてピッチを行う際、事業の将来性を数字で裏付けるための基本的な構成要素としても用いられます。また、マーケティング戦略において、どの顧客セグメントや地域を優先的に開拓すべきかを検討する場面や、営業目標を設定する際の実現可能性を検証する場面でも参照されます。BtoBのSaaS事業のように、対象業種や企業規模を絞り込んで展開する事業モデルでは特に頻繁に使われる考え方です。
TAM・SAM・SOMを理解することの重要性
市場規模の説明は、大きすぎても小さすぎても事業の評価を誤らせる原因になります。TAMだけを示して市場の大きさを強調すると、実際に自社が獲得できる範囲が見えず、過大な期待や非現実的な目標設定につながりかねません。反対に、目先のSOMだけに注目すると、事業の将来的な成長余地を過小評価し、必要な投資判断が後手に回るおそれがあります。TAM・SAM・SOMを段階的に示すことで、理想的な市場の大きさと、当面の現実的な到達点の両方を関係者が共通の前提として理解できるようになります。この共通理解は、経営層や投資家との対話だけでなく、営業やマーケティングの現場で目標の妥当性を検証するうえでも役立ちます。
実務で活かすためのチェックポイント
- TAMの算出根拠を明確にする:業界統計や公的データなど、第三者が検証できる情報源に基づいて算出します。
- SAMは自社の事業モデルに即して絞り込む:提供地域、対象業種、価格帯など、実際の制約条件を反映させます。
- SOMは実行計画と整合させる:現在の営業体制やマーケティング予算で、いつまでにどこまで獲得できるかを具体的に示します。
- 算出方法を使い分ける:業界全体の統計から積み上げるトップダウン方式と、想定顧客数や単価から積み上げるボトムアップ方式を、目的に応じて選びます。
- 定期的に見直す:市場環境や自社の事業モデルの変化に応じて、数値を定期的に更新し、計画との差異を確認します。
よくある質問(FAQ)
Q1. TAM・SAM・SOMとは何ですか。
A. 市場規模を、理論上の最大市場(TAM)、自社が対応できる市場(SAM)、現実的に獲得できる市場(SOM)の3段階で捉えるフレームワークです。
Q2. なぜ3段階に分けて示す必要があるのですか。
A. 理想的な市場の大きさと、実際に狙える現実的な範囲を切り分けて示すことで、事業計画の説得力を高められるためです。
Q3. どのような場面で使われますか。
A. 新規事業の事業計画書や投資家向けのピッチ資料、マーケティング戦略の優先順位を検討する場面などで使われます。
Q4. 算出方法に決まったやり方はありますか。
A. 業界全体の統計から絞り込むトップダウン方式と、想定顧客数と単価から積み上げるボトムアップ方式があり、両方を併用することもあります。
Q5. 一度算出すればそれで十分ですか。
A. 市場環境や事業モデルは変化するため、定期的に見直し、実績との差異を確認することが望まれます。
自社の人材育成・組織課題に関するご相談
新規事業や営業戦略の立案に伴う市場分析や、それを実行する組織体制づくりに課題を感じている場合、現状の整理から具体的な進め方まで、貴社の状況に合わせてご一緒に検討いたします。ご相談は下記よりお気軽にお問い合わせください。
https://wonderful-growth.com/contact
関連情報
- カテゴリ:マーケ・営業
- スラッグ:tam_sam_som
- 想定URL:https://wonderful-growth.com/swk/hr_words/tam_sam_som
- 関連用語:顧客生涯価値、ICP(アイデアルカスタマープロファイル)、PMF(プロダクトマーケットフィット)
✺ Editor’s Memo
現場での運用は、業界・規模・組織文化によって大きく変わります。記事内のインタビュー事例も併せて参考にしてください。
— SHARE with カイシャの育成論 編集部