❖ HR Dictionary

BARS(行動基準評価尺度法)

English Behaviorally Anchored Rating Scale

BARS(Behaviorally Anchored Rating Scale、行動基準評価尺度法)とは、評価項目ごとに、望ましい行動から望ましくない行動までを具体的な行動例として段階的に示し、それを基準に評価を行う手法のことです。1950年代後半から1970年代にかけて、成果につながる鍵となる行動に着目する評価手法として開発されました。たとえば「報告・連絡・相談」という評価項目であれば、高い評価には「課題を自ら共有し、改善策まで提案できる」、標準的な評価には「指示された内容の報告・連絡はできるが自主性に欠ける」、低い評価には「必要な報告が不十分である」といった具体的な行動が尺度として設定されます。単に「優れている」「劣っている」と評価するのではなく、行動レベルの記述を基準にする点が特徴です。

⌖ Detail

BARS(行動基準評価尺度法)とは?意味と作成のポイントを解説

はじめに

人事評価の公平性を高めたいと考えたとき、評価者の主観をどう抑えるかが大きな課題になります。抽象的な評価項目だけでは、評価者によって解釈が分かれてしまうためです。この課題に対応する手法の一つが、具体的な行動例を評価の物差しとするBARS(行動基準評価尺度法)です。本記事では、BARSの意味や作り方、活用時の注意点を解説します。

BARSとは?

BARS(Behaviorally Anchored Rating Scale、行動基準評価尺度法)とは、評価項目ごとに、望ましい行動から望ましくない行動までを具体的な行動例として段階的に示し、それを基準に評価を行う手法のことです。1950年代後半から1970年代にかけて、成果につながる鍵となる行動に着目する評価手法として開発されました。たとえば「報告・連絡・相談」という評価項目であれば、高い評価には「課題を自ら共有し、改善策まで提案できる」、標準的な評価には「指示された内容の報告・連絡はできるが自主性に欠ける」、低い評価には「必要な報告が不十分である」といった具体的な行動が尺度として設定されます。単に「優れている」「劣っている」と評価するのではなく、行動レベルの記述を基準にする点が特徴です。

BARSがよく使われるシーン

BARSは、評価者による評価のばらつきを抑えたい場面で活用されます。複数の評価者が同じ被評価者を評価する場合や、評価者の経験年数に差がある組織では、抽象的な評価基準では解釈の差が生じやすいため、行動レベルの基準が助けになります。新任の管理職に評価者訓練を行う場面でも、評価基準を具体的に示す教材として使われます。何をもって高評価とするのかを、実際の行動例で共有できるため、評価者間の目線合わせに役立ちます。職種ごとに評価基準を精緻化したい場面にも向いています。営業職や技術職など、職種によって求められる行動が異なる場合、それぞれの職種特性に応じた行動例を設定することで、実態に即した評価が可能になります。

BARSを理解することの重要性

BARSを理解することは、評価の納得感と評価者の負担のバランスを考えるうえで重要です。行動基準が明確になることで、評価者の主観が入り込む余地が減り、被評価者にとっても「なぜその評価になったのか」を行動レベルで理解しやすくなります。フィードバックの際にも、抽象的な人物評ではなく、具体的な行動に基づいた対話がしやすくなる利点があります。一方で、BARSには作成コストの高さという課題があります。評価項目ごとに行動例を段階的に設計する作業には相応の時間と専門知識が必要であり、職務内容が多岐にわたる組織では、すべての職種に精緻な尺度を用意することが難しい場合もあります。また、行動例に明記されていない優れた行動や、想定外の状況における対応を十分に評価しきれない網羅性の課題も指摘されています。導入する際は、自社の評価目的や運用体制に見合った範囲で設計することが求められます。

実務で活かすためのチェックポイント

  1. 評価項目ごとに具体的な行動例を段階的に用意する:抽象的な表現を避け、誰が読んでも同じ行動をイメージできる記述を心がけます。
  2. 職種や役割の特性に応じて尺度を設計する:全社一律の基準ではなく、職務内容に即した行動例を反映させます。
  3. 評価者訓練とあわせて導入する:尺度の使い方や行動例の解釈を評価者間ですり合わせる場を設けます。
  4. 定期的に行動例を見直す:業務内容や組織の重点が変化した際は、尺度の記述が実態と乖離していないか点検します。
  5. 尺度でカバーしきれない行動の扱いを決めておく:想定外の優れた行動や特殊な状況への対応を、どう評価に反映するかをあらかじめ検討します。

よくある質問(FAQ)

Q1. BARSとはどのような手法ですか。

A. 評価項目ごとに具体的な行動例を段階的に示し、それを基準に評価を行う人事評価の手法です。

Q2. BARSはいつ頃考案されたのですか。

A. 1950年代後半から1970年代にかけて、成果につながる鍵となる行動に着目する評価尺度として開発されました。

Q3. BARSを導入するメリットは何ですか。

A. 評価基準が具体的な行動に基づくため評価者の主観が入りにくくなり、評価の客観性と被評価者の納得感が高まります。

Q4. BARSの導入における課題は何ですか。

A. 評価項目ごとに行動例を段階的に設計する必要があり、作成に相応の時間と専門知識を要する点や、想定外の行動を評価しきれない網羅性の課題が挙げられます。

Q5. BARSはどのような組織に向いていますか。

A. 複数の評価者が関わる組織や、評価者間の目線合わせを重視したい組織、職種ごとに求められる行動が明確な組織で活用しやすい手法です。

自社の人材育成・組織課題に関するご相談

評価基準の具体化は、評価者・被評価者双方の納得感を高める一方、設計や運用には相応の工夫が求められます。人事評価制度の見直しや評価者訓練の設計にお悩みの際は、貴社の状況に合わせてご一緒に検討いたします。ご相談は下記よりお気軽にお問い合わせください。

https://wonderful-growth.com/contact

関連情報

  • カテゴリ:評価・等級
  • スラッグ:behaviorally_anchored_rating_scale
  • 想定URL:https://wonderful-growth.com/swk/hr_words/behaviorally_anchored_rating_scale
  • 関連用語:考課者訓練、行動評価、評価エラー、人事考課

✺ Editor’s Memo

現場での運用は、業界・規模・組織文化によって大きく変わります。記事内のインタビュー事例も併せて参考にしてください。

— SHARE with カイシャの育成論 編集部

⌖ Related Words

あの用語との関係