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CLO(チーフラーニングオフィサー)とは?役割と設置の意義を解説
はじめに
事業環境の変化が速まり、必要とされるスキルが数年単位で入れ替わる時代になり、人材育成を現場任せの取り組みから経営レベルの戦略課題へと引き上げる企業が増えています。従来、学習・研修の責任は人事部門の一機能として扱われることが一般的でしたが、リスキリングや人的資本経営への関心の高まりを背景に、学習戦略そのものを経営の意思決定に組み込む動きが広がっています。この文脈で欧米企業を中心に設置が進んできたのが「CLO(チーフラーニングオフィサー)」という役職です。本記事では、CLOの役割と、自社に導入を検討する際の視点を解説します。
CLO(チーフラーニングオフィサー)とは?
CLOとは、Chief Learning Officerの略称で、組織全体の学習・人材育成戦略を統括する責任者を指す役職です。1980年代後半に米国企業で登場したとされ、人材開発の専門団体ATD(Association for Talent Development)の用語集でも、組織学習を統括する役職として位置づけられています。CLOの主な役割は、事業戦略と学習戦略を結びつけ、社内大学やeラーニングプラットフォームの整備、リーダーシップ開発プログラムの設計、学習投資の効果測定などを経営レベルで統括することです。人事全般を統括するCHRO(最高人事責任者)と役割が重なる部分もありますが、CLOは人材育成・学習領域に特化した専門性を持つ点が特徴です。日本企業ではまだ設置数は限られるものの、スキルベースの人材マネジメントへの関心の高まりとともに、学習機能を経営直轄で強化する動きが徐々に広がっています。
CLO(チーフラーニングオフィサー)がよく使われるシーン
大企業がリスキリング投資やDX人材育成を経営戦略の柱として位置づけ、専任の責任者を置く場面で使われます。社内大学やラーニングプラットフォームを新設し、その統括責任者の呼称として採用されるケースもあります。また、海外の人材開発カンファレンスや専門メディアの記事で、学習組織のベストプラクティスを紹介する文脈でもよく登場する言葉です。人的資本の開示が求められる中、投資家や採用候補者に対して学習投資への本気度を示す目的で、経営陣にCLOという肩書きを置く企業も見られます。人材育成部門の位置づけをどう経営に近づけるかを社内で議論する場面でも、参考事例として取り上げられることがあります。
CLO(チーフラーニングオフィサー)を理解することの重要性
CLOという概念を理解する意義は、学習・人材育成を人事部門内の一機能としてではなく、経営戦略と直結した投資領域として捉え直せる点にあります。人手不足や技術革新のスピードが増す中、必要なスキルを社内でどう育てるかは、採用競争力や事業継続力に直結する経営課題になりつつあります。CLOという役職の有無にかかわらず、学習戦略の意思決定を誰がどのような権限で行うのかを明確にしておくことは、投資判断のスピードや一貫性を高めるうえで重要です。また、CHROや事業部門長との役割分担を整理しておくことで、育成施策が縦割りにならず、事業成果につながる学習投資として機能しやすくなります。