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フレンチ&レイヴンの5つのパワー基盤とは?職場での影響力の源泉を解説
はじめに
役職に就いたにもかかわらず、思うようにチームを動かせないと悩む管理職は少なくありません。反対に、役職が高くなくても周囲から信頼され、自然と人を動かせる人もいます。同じ組織図の中にいても、人を動かす力の源泉は一人ひとり異なります。この違いを説明する手がかりとして、社会心理学の分野で古くから用いられてきたのが、フレンチ&レイヴンの5つのパワー基盤です。本記事では、その内容と人事・マネジメントへの活かし方を解説します。
フレンチ&レイヴンの5つのパワー基盤とは?
フレンチ&レイヴンの5つのパワー基盤とは、心理学者のジョン・フレンチ氏とバートラム・レイヴン氏が1959年に提唱した、人が他者に影響を及ぼす力(社会的勢力)の源泉を5つに分類した理論です。組織の権力や影響力を、単一の概念ではなく複数の種類に分けて捉える視点を示した点に特徴があります。
5つの基盤は次のとおりです。強制勢力は、命令に従わない相手に罰を与えられる立場から生じる力です。報酬勢力は、成果に応じて報酬を与えられる立場から生じる力です。正当勢力は、役職や規則によって認められた、指示に従うべき立場から生じる力です。準拠勢力は、相手に魅力を感じ「この人のようになりたい」と思われることから生じる力です。専門勢力は、特定の分野に関する高い知識や技能を持つことから生じる力です。のちにレイヴン氏は、特定の情報を持つことから生じる情報勢力を加え、6つ目の基盤として紹介されることもあります。強制勢力や報酬勢力は役職に付随して与えられる力であるのに対し、準拠勢力や専門勢力は本人の人柄や実力によって育つ力である点が、この理論の重要な示唆とされています。
よく使われるシーン
管理職研修やリーダーシップ研修で、役職に頼らない影響力の築き方を説明する場面で使われます。組織開発の文脈で、部門間の力関係や意思決定の背景を分析する際にも用いられます。人事評価や人材配置の検討で、候補者がどのような種類の影響力を発揮できる人物かを整理する場面でも参照される考え方です。役職と実力が一致しない組織の課題を説明する際の共通言語としても用いられています。
フレンチ&レイヴンの5つのパワー基盤を理解することの重要性
人事担当者がこの理論を理解しておくことには、実務上の意義があります。第一に、管理職の影響力が役職の力だけに偏っていないかを点検し、専門性や信頼にもとづく影響力を育てる研修設計につなげられます。第二に、チーム内の対立や不満の背景に特定の勢力への過度な依存があると気づき、原因を具体的に説明できます。第三に、次世代リーダーの育成において、役職に伴う権限だけに頼らず、周囲から信頼される力を養う視点を提供できます。