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IPE(International Position Evaluation)とは?グローバル共通の職務評価の仕組みを解説
はじめに
グローバル展開する企業の人事担当者から、「海外拠点と国内拠点で役職の重さをどう比較すればよいか分からない」という相談を受けることがあります。国や事業部によって組織階層の呼び方や等級の基準がばらばらだと、グローバルでの人材配置や報酬水準の比較が難しくなり、優秀な人材の登用機会を見誤ってしまうおそれもあります。こうした課題への対応に使われる職務評価の仕組みの一つが、IPE(International Position Evaluation)です。本記事では、IPEの内容と実務での活用ポイントを解説します。
IPE(International Position Evaluation)とは?
IPE(International Position Evaluation)とは、コンサルティング会社のマーサー(Mercer)が提供する、グローバル共通の職務評価の手法です。職務の大きさ(ジョブサイズ)を「ポジションクラス」という数値で表すため、国や業界が違う職務どうしも、同じ国の他社の職務とも、同じ物差しで比べられます。数値は、5つの要素と12の評価軸で職務を調べて求めます。5つの要素には、インパクト(組織への影響度)、コミュニケーション、イノベーション、知識が含まれます(Mercer『Accurate, accessible global job evaluation methodology - Mercer IPE』、『ネスレ日本が考える「誠実な報酬マネジメント」とは』、2026-10-29取得)。
マーサーの英語のページは、5つの要素を、Impact、Communication、Innovation、Knowledge と、働く環境や心身の負担にかかわる要素としています。この5つ目は、シンガポール、英国、豪州の各国版では Risk(職務に伴う心身のリスクと就業条件)、全世界共通版と米国版では Effort(身体や感覚の負荷と厳しい就業条件)と書かれていて、ページによって名称が分かれています。日本語のページは、「影響」「折衝」「革新性」など5つの要素としています(Mercer『Accurate, accessible global job evaluation methodology - Mercer IPE』、『ネスレ日本が考える「誠実な報酬マネジメント」とは』、2026-10-29取得)。
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IPE(International Position Evaluation)がよく使われるシーン
マーサーは、IPEによる職務の分析と分類を、グローバルな等級づけ、組織設計、報酬、人材育成、キャリア計画、人材の異動、人員計画などの基礎にできると説明しています(Mercer『Accurate, accessible global job evaluation methodology - Mercer IPE』、2026-10-29取得)。マーサーの対談記事では、ネスレ日本の人事担当者が、自社独自のポジションと等級をIPEで評価するとどうなるかを確認し、IPEをもとに算出したポジションクラスで、等級ごとの給与の幅が市場で優位を保てているかを毎年点検している、と語っています。同じ記事で、ネスレオセアニア&ジャパンのトータルリワードマネジャーは、ネスレが各国でIPEを使っているため、事業の規模が日本と同程度の地域で、特定のポジションが何等級に設定されているかを確認しやすい、と語っています(Mercer『ネスレ日本が考える「誠実な報酬マネジメント」とは』、2026-10-29取得)。