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人時生産性とは?意味・使い方・実務での活かし方を解説
はじめに
人手不足が常態化し、働き方改革によって労働時間の総量そのものを増やしにくくなる中、「限られた人員と時間でどれだけの成果を生み出せているか」を示す指標への関心が高まっています。本記事では、その代表的な指標である「人時生産性」の意味や計算方法、実務で活かすためのポイントを解説します。
人時生産性とは?
人時生産性とは、従業員1人が1時間あたりにどれだけの付加価値(粗利益)を生み出しているかを示す指標です。「付加価値額(粗利額)÷総労働時間」という計算式で算出され、ここでいう付加価値額は、売上高から仕入原価や外部委託費などの外部購入費用を差し引いた金額を指します。総労働時間には、正社員だけでなくパートやアルバイトなど、その事業にかかわった全従業員の労働時間を含めて算出するのが一般的です。似た概念に労働生産性がありますが、労働生産性が組織全体の生産性を俯瞰する指標であるのに対し、人時生産性は従業員1人・1時間という具体的な単位に落とし込んで生産性を把握できる点が特徴です。特に小売業や飲食業、サービス業のように、時間帯やシフトによって必要な人員が変動する業種では、現場運営の効率性を測る実務指標として広く用いられています。
人時生産性がよく使われるシーン
人時生産性は、小売店舗や飲食店の店長が、日々のシフト編成や人員配置の妥当性を検証する場面でよく使われます。経営会議では、店舗別・部門別の人時生産性を比較し、業績改善の優先順位を検討するためのKPIとして活用されます。また、レジの自動化やモバイルオーダーなど、省力化・DX投資の効果を検証する際にも、投資前後の人時生産性を比較する形で使われることがあります。人事部門が採用計画や人員配置計画を経営層に説明する際、増員の妥当性を裏付けるデータとして提示されることもあります。賃金制度の見直しやインセンティブ設計の議論においても、原資の裏付けとなる指標として人時生産性の推移が参照されることがあります。
人時生産性を理解することの重要性
人時生産性を理解する意義は、単に「忙しいかどうか」という感覚的な現場把握から脱却し、成果を数値で捉えられるようになる点にあります。少子高齢化により労働力人口の減少が続く中、企業がこれまでと同じ人数を確保し続けることは容易ではありません。限られた人員でも事業を成長させるためには、一人ひとりの労働時間あたりの付加価値を高めていく発想が欠かせません。また、人時生産性の向上は、賃上げの原資を確保するうえでも重要な意味を持ちます。人事担当者にとっては、教育研修や配置の見直し、業務プロセスの改善が、実際に付加価値の向上へつながっているかを検証するための共通言語として、人時生産性を活用できます。