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はじめに
社員が健康に働き続けられる環境を整えることは、会社の大切な役割です。その土台となる取り組みのひとつが、定期健康診断です。これは福利厚生にとどまらず、労働安全衛生法によって事業者に義務づけられたものです。実施を怠れば罰則の対象にもなり得ます。本記事では、定期健康診断の意味や用いられる場面、近年の手続きの変更も踏まえながら、実務で押さえておきたいポイントを整理してご紹介します。
定期健康診断とは?
定期健康診断とは、労働安全衛生法にもとづき、事業者が常時使用する労働者に対して、一年以内ごとに一回、定期的に行う健康診断のことです。社員の健康状態を定期的に把握し、病気の早期発見や健康管理につなげることを目的としています。事業者には実施する義務があり、その費用は会社が負担するのが原則です。あわせて、社員の側にも、会社が行う健康診断を受ける義務があります。
健康診断で確認する項目は、法律で定められています。具体的には、既往歴や業務歴の調査、自覚症状や他覚症状の有無の検査、身長・体重・腹囲・視力・聴力の検査、胸部エックス線検査、血圧の測定、貧血検査、肝機能検査、血中脂質検査、血糖検査、尿検査、心電図検査などです。これらの項目のうち一部は、年齢や医師の判断によって省略できる場合もあります。検査の結果は、健康診断個人票として記録し、一定期間保存することが求められます。
健康診断は、実施して終わりではありません。結果を踏まえ、必要に応じて医師の意見を聴き、就業の場所を変える、労働時間を短くするといった、働き方に関する措置を講じることが求められます。また、常時五十人以上の労働者を使用する事業場では、定期健康診断の結果を、所轄の労働基準監督署へ報告する義務があります。この報告については、二〇二五年一月から、原則として電子申請で行うことが義務づけられました。手続きの方法が変わった点は、実務で押さえておく必要があります。なお、健康診断を実施しなかった場合には、罰則が定められています。
定期健康診断がよく使われるシーン
定期健康診断は、毎年の決まった時期に、全社員を対象として実施されるのが一般的です。人事や労務、衛生管理を担う担当者は、受診の案内や日程の調整、結果の記録と保存、必要な事後の対応までを担います。新たに社員を雇い入れる際に行う雇入れ時の健康診断や、特定の業務に従事する社員を対象とする健康診断など、目的に応じた他の健康診断とあわせて管理する場面もあります。
職場では、健康診断が形だけの実施にとどまると、せっかくの結果が社員の健康管理に生かされません。受診率を高める工夫や、結果を踏まえた事後の対応を整えることで、健康診断は社員の健康を守る取り組みとして機能します。社員が健康に働ける環境は、生産性の維持や、安心して働ける職場づくりにもつながります。
定期健康診断を理解することの重要性
定期健康診断を理解することは、社員の健康を守り、法令を順守するうえで欠かせません。健康診断の実施は法律上の義務であり、怠れば罰則の対象となるためです。実施の対象や項目、報告の手続きを正しく理解していないと、必要な対応が抜け落ち、社員の健康管理にも支障をきたす恐れがあります。
人事や労務に携わる立場からは、定期健康診断を、社員の健康管理の出発点として捉える視点が役立ちます。診断の結果を、事後の措置や日ごろの健康づくりへつなげることで、社員が長く健康に働ける環境を整えられます。手続きの変更にも目を配り、最新のルールに沿って運用する姿勢が、適切な対応につながります。
✺ Editor’s Memo
現場での運用は、業界・規模・組織文化によって大きく変わります。記事内のインタビュー事例も併せて参考にしてください。
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