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心理的柔軟性とは?意味と心理的安全性との違いを解説
はじめに
変化の激しい環境で働く社員をどう支援すればよいか、頭を悩ませる人事担当者は少なくありません。近年、この課題に対する視点の一つとして注目されているのが「心理的柔軟性」という考え方です。似た言葉である心理的安全性との違いが分かりにくいという声も多く聞かれます。本記事では心理的柔軟性の意味と、組織における重要性を解説します。
心理的柔軟性とは?
心理的柔軟性とは、困難な状況や不快な感情に直面したときに、それらを無理に排除しようとするのではなく受け止めながら、自分にとって大切な価値観に沿った行動を選び取る力を指す心理学用語です。米国の心理学者スティーブン・C・ヘイズ氏らが提唱した心理療法ACT(アクセプタンス&コミットメント・セラピー)の中核的な概念として発展してきました。
心理的柔軟性は、生まれ持った性格ではなく、練習によって鍛えることができるスキルとされています。変化への抵抗感や失敗への不安にとらわれすぎず、状況に応じて考え方や行動を切り替えられる力であることから、変化の激しいビジネス環境で自律的に動ける人材を育成するうえで重要な視点として、企業研修などにも取り入れられるようになっています。
心理的柔軟性がよく使われるシーン
- 管理職・リーダー研修:変化やプレッシャーの中でも適切な判断・行動を取るための力として、管理職研修のテーマに取り上げられる場面。
- ストレスマネジメント研修:不安や緊張といった感情との向き合い方を学ぶ研修プログラムの中で紹介される場面。
- 組織変革・変化対応の場面:事業再編や新制度の導入など、変化への適応力が求められる局面で社員の心理面を支援する場面。
- 1on1・キャリア面談:困難な状況に直面した社員が、自分の価値観に沿った行動を選び直せるよう支援する場面。
- メンタルヘルス施策の設計:ACTの考え方を取り入れたメンタルヘルス研修やプログラムを設計する場面。
心理的柔軟性を理解することの重要性
心理的柔軟性は、よく比較される心理的安全性とは異なる視点を持つ概念です。心理的安全性が、否定される不安を感じずに発言できる職場環境の性質を表すのに対し、心理的柔軟性は、困難な感情を受け止めながら自分の価値観に沿って行動を選ぶという、個人の内面のプロセスを表します。両者は対立するものではなく、互いを補い合う関係にあると整理すると理解しやすくなります。
変化や不確実性の大きい環境では、社員一人ひとりが不安や葛藤を抱えながらも適切な行動を選び続ける力が求められます。心理的柔軟性という視点を組織に取り入れることは、社員の主体的な行動を後押しし、変化への適応力を高めるうえで有効な手がかりになります。
実務で活かすためのチェックポイント
- 心理的安全性との違いを整理する:職場環境の性質である心理的安全性と、個人の内面のプロセスである心理的柔軟性の違いを、社内で正しく共有します。
- 管理職への理解浸透を図る:管理職研修などを通じて、心理的柔軟性の考え方をリーダー層にまず浸透させます。
- ACTの基本的な考え方を学ぶ機会を設ける:心理的柔軟性の理論的な背景であるACTについて、外部講師や研修を通じて学ぶ機会を提供します。
- 1on1で価値観に触れる対話を取り入れる:業務の進捗確認だけでなく、社員が大切にしている価値観に触れる対話を1on1に組み込みます。
- 効果を焦らず長期的に捉える:心理的柔軟性は練習によって徐々に高まるスキルであるため、短期的な成果を求めすぎない運用を心がけます。
よくある質問(FAQ)
Q1. 心理的柔軟性と心理的安全性はどちらが重要ですか。
A. 優劣をつけるものではなく、心理的安全性という職場環境と、心理的柔軟性という個人のスキルの両方が備わることで、社員が力を発揮しやすい状態に近づくと考えられています。
Q2. 心理的柔軟性は生まれつきの性格によって決まるのですか。
A. 性格ではなく、練習によって高めることができるスキルとされています。ACTの考え方にもとづくトレーニングを通じて、後天的に伸ばすことが可能です。
Q3. ACTとは何の略ですか。
A. Acceptance and Commitment Therapy(アクセプタンス&コミットメント・セラピー)の略で、心理的柔軟性を高めることを目的とした心理療法の一つです。
Q4. 心理的柔軟性はどのような社員に特に必要ですか。
A. 特定の層に限定されるものではありませんが、変化の大きい部署で働く社員や、管理職としてプレッシャーの多い意思決定を担う立場の社員にとって、特に有効な視点とされています。
Q5. 企業研修に取り入れる場合、何から始めればよいですか。
A. まずは管理職層を対象に、心理的柔軟性と心理的安全性の違いを整理した研修から始め、その後1on1などの日常的な対話に考え方を落とし込んでいく流れが取り入れやすいとされています。
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心理的柔軟性の視点を組織に取り入れることは、変化の激しい環境で社員が力を発揮し続けるための土台づくりにつながります。管理職育成やメンタルヘルス施策の設計にお悩みの企業様は、ぜひご相談ください。
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