⌖ Detail
セカンドキャリアとは?中高年層のキャリア支援における意味を解説
はじめに
定年延長や再雇用制度の広がり、終身雇用を前提としない働き方の一般化に伴い、この先のキャリアをどう考えればよいのかという問いに直面する従業員が増えています。人事担当者としても、中高年層のキャリア支援をどのように制度化すればよいのか、育成投資の対象を若手だけに絞ってよいのかといった課題に悩む場面が増えています。こうした課題を考えるうえで欠かせないのが「セカンドキャリア」という考え方です。
セカンドキャリアとは?
セカンドキャリアとは、それまでの職業人生で培ってきた知識やスキル、経験を土台にしながら、第二の人生で新たな職業やキャリアを切り拓いていくことを指す言葉です。英語のsecondとcareerを組み合わせた和製英語であり、定年後の再就職や独立といった場面に限らず、中高年層が現在の会社や職種にとどまらず、新たな役割や働き方を模索する動きそのものを広く指す概念として使われます。
単なる再就職支援にとどまらず、従業員が自らの経験を再評価し、これからの働き方を主体的に選び取っていくプロセス全体を含む点が特徴です。
よく使われるシーン
セカンドキャリアという言葉が特に使われるのは、定年退職を控えた従業員向けのキャリア研修や、役職定年を迎えた管理職向けの支援施策の場面です。多くの企業では50代を対象に、これまでのキャリアを棚卸しし、定年後の働き方やライフプランを考える研修を実施しています。また、大企業を中心に、社外での起業や転職、副業を後押しする支援制度を設け、早期退職や転身を検討する従業員に対して研修や資金面での支援を提供する企業も増えています。スポーツ選手や専門職など、特定の職業寿命が比較的短いとされる職種においても、引退後のキャリア形成という文脈でこの言葉が用いられます。地方自治体やハローワークが、中高年層向けのセカンドキャリア支援セミナーを提供している例も見られます。
セカンドキャリアを理解することの重要性
人生100年時代と呼ばれ、就業期間が長期化するなかで、従業員一人ひとりがセカンドキャリアを主体的に考えられるよう支援することは、企業にとっても重要な課題になっています。中高年層のキャリアに対する将来不安が放置されると、モチベーションの低下など、組織全体の活力に影響を及ぼしかねません。一方で、セカンドキャリアを見据えた学び直しや役割の再設計の機会を提供することで、中高年層の経験やノウハウを組織に還元し続けてもらいながら、本人にとっても納得感のあるキャリアの終盤を迎えてもらうことができます。人材育成の対象を若手だけに限定せず、キャリア全体を見据えた支援を設計する視点が求められています。こうした支援は、従業員本人のためだけでなく、若手社員に対して自社が長期的なキャリアを大切にしている姿勢を示すことにもつながります。
実務で活かすためのチェックポイント
自社に、中高年層を対象としたキャリア研修やセカンドキャリア支援の制度が存在するかを確認します。
役職定年や定年後再雇用の制度と、セカンドキャリア支援の内容が矛盾なく連動しているかを点検します。
従業員がキャリアの棚卸しを行い、これまでの経験を言語化できる機会を設けているかを確認します。
社外での学び直しや副業、独立に関する情報提供が、就業規則上の制約と整合しているかを確認します。
セカンドキャリアに関する支援策が、対象者にとって一方的な役割縮小の通告と受け取られない伝え方で設計されているかを見直します。
よくある質問
セカンドキャリアは定年後の再就職だけを指す言葉ですか。
定年後の再就職を含みますが、それに限定される言葉ではありません。役職定年後の社内での役割転換や、中高年層による転職・独立・起業など、これまでの経験を土台にした新たなキャリアの選択全般を指して使われます。
セカンドキャリア支援は何歳頃から始めるべきですか。
明確な決まりはありませんが、40代後半から50代にかけて、定年やキャリアの節目を意識し始める時期に研修やキャリア面談を実施する企業が多く見られます。早すぎず遅すぎないタイミングでの提供が望ましいとされています。
セカンドキャリア支援を導入すると、早期退職を助長してしまうのではないかと心配です。
制度の設計や伝え方によっては、退職勧奨と受け取られるリスクはあります。在籍を前提としたキャリアの再設計と、社外への転身支援の両方を選択肢として示すなど、従業員が自ら選び取れる形で提供することが重要です。
セカンドキャリア支援は管理職以外にも必要ですか。
役職定年を迎える管理職に限らず、専門職や現場職も含めて、長期にわたって働くすべての従業員にとって将来のキャリアを考える機会は有用とされています。
セカンドキャリア支援と、いわゆるリスキリングはどう関係しますか。
セカンドキャリアを見据えて新たな知識やスキルを習得する取り組みは、リスキリングの一形態として位置づけられ、両者は密接に関連する概念として語られることがあります。
自社の人材育成・組織課題に関するご相談
従業員一人ひとりのキャリアの節目に寄り添う支援は、組織全体の活力を維持するうえでも欠かせないテーマです。中高年層のキャリア支援策の設計についてお悩みの場合は、お気軽にご相談ください。
https://wonderful-growth.com/contact
関連情報
- カテゴリ:人材育成・研修
- スラッグ:second_career
- 想定URL:https://wonderful-growth.com/swk/hr_words/second_career
- 関連用語:定年後再雇用、高年齢者雇用安定法
✺ Editor’s Memo
現場での運用は、業界・規模・組織文化によって大きく変わります。記事内のインタビュー事例も併せて参考にしてください。
— SHARE with カイシャの育成論 編集部