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103万円の壁|SHARE with カイシャの育成論
❖ HR Dictionary
Reading ヒャクサンマンエンノカベEnglish The ¥1.03 Million Wall (Income Tax Threshold)
103万円の壁とは、パート・アルバイトなど給与収入のみの人について、所得税がかかり始める年収の目安を指す言葉です。給与所得者には所得税の計算上「基礎控除」と「給与所得控除」という二つの控除が適用され、その合計額が改正前は103万円(基礎控除48万円、給与所得控除の最低保障額55万円)でした。年収がこの金額を超えると、超えた部分に所得税が課税されるほか、控除対象配偶者・扶養親族としての要件からも外れます。2025年度(令和7年度)の税制改正で基礎控除と給与所得控除の最低保障額が引き上げられ、2025年分(令和7年分)は、ほかに所得がなければ給与収入160万円以下で所得税がかからなくなりました。2026年度(令和8年度)の税制改正は令和8年3月31日に成立し、2026年分(令和8年分)からは、所得税がかからない給与収入の目安が178万円になります。この改正は令和8年12月1日に施行されます。令和8年12月の年末調整から反映されます。178万円は、2026年分と2027年分に適用される時限の特例を含む水準です(国税庁『タックスアンサー No.1800 パート収入はいくらまで所得税がかからないか』、国税庁『令和8年度税制改正(所得税の基礎控除の引上げ等関係)Q&A』、財務省『令和8年度税制改正の大綱の概要』、2026-10-29取得)。
⌖ Detail
「扶養の範囲で働きたいので、年内の勤務日数を調整してほしい」といった相談を受けたことのある人事・労務担当者は少なくないでしょう。こうした就業調整の判断基準として長年使われてきた言葉が「103万円の壁」です。2025年度と2026年度の税制改正により、この基準は大きく見直されています。本記事では、103万円の壁の基本的な仕組みと、直近の改正内容を解説します。
103万円の壁とは、パート・アルバイトなど給与収入のみの人について、所得税がかかり始める年収の目安を指す言葉です。給与所得者には所得税の計算上「基礎控除」と「給与所得控除」という二つの控除が適用され、その合計額が改正前は103万円(基礎控除48万円、給与所得控除の最低保障額55万円)でした。年収がこの金額を超えると、超えた部分に所得税が課税されるほか、控除対象配偶者・扶養親族としての要件からも外れます。2025年度(令和7年度)の税制改正で基礎控除と給与所得控除の最低保障額が引き上げられ、2025年分(令和7年分)は、ほかに所得がなければ給与収入160万円以下で所得税がかからなくなりました。2026年度(令和8年度)の税制改正は令和8年3月31日に成立し、2026年分(令和8年分)からは、所得税がかからない給与収入の目安が178万円になります。この改正は令和8年12月1日に施行されます。令和8年12月の年末調整から反映されます。178万円は、2026年分と2027年分に適用される時限の特例を含む水準です(国税庁『タックスアンサー No.1800 パート収入はいくらまで所得税がかからないか』、国税庁『令和8年度税制改正(所得税の基礎控除の引上げ等関係)Q&A』、財務省『令和8年度税制改正の大綱の概要』、2026-10-29取得)。
・ 年末の勤務調整に関する相談対応 :年内の残り勤務日数や労働時間を減らしたいという相談に対応する場面。・ 配偶者控除・扶養控除の説明 :従業員本人の税負担にとどまらず、配偶者や親の税負担にも影響することを説明する場面。
・ 年末調整の書類確認 :扶養控除等申告書に記載された年収見込みが、改正後の基準に沿っているかを確認する場面。
・ 求人票・労働条件の説明 :パート・アルバイトの採用面接で、想定年収と税負担の関係を説明する場面。
・ 社内周知・説明会の実施 :税制改正の内容を従業員にわかりやすく伝える場面。
103万円の壁は、所得税に加えて配偶者控除や扶養控除の適用にも関わるため、従業員本人の手取りだけでなく世帯全体の税負担に影響します。人事・労務担当者が制度の内容を正確に理解しないまま案内すると、従業員が誤った前提で就業調整をしてしまい、本来得られたはずの収入を得られない事態にもつながりかねません。
また、2025年度・2026年度と税制改正が続けて行われており、基準額が短期間で複数回変わっている点にも注意が必要です。給与所得控除の最低保障額の引上げは、所得税では2026年分(令和8年分)から、個人住民税では令和9年度分から適用されます。個人住民税は前年の所得に基づいて課税されるため、令和9年度分は2026年中の所得が対象で、所得の年は所得税の2026年分と同じです(国税庁『令和8年度税制改正(所得税の基礎控除の引上げ等関係)Q&A』、総務省『地方税法等の一部を改正する法律の概要』、総務省『地方税制度 個人住民税』、2026-10-29取得)。所得税と住民税とで、基準額は異なります。改正内容と適用時期を正確に把握し、従業員からの問い合わせに正しく答えられる体制を整えておくことが求められます。
1 改正後の基準額を最新の情報で確認する :所得税がかかり始める目安は、2024年分まで103万円、2025年分160万円、2026年分178万円と年分ごとに変わっているため、社内資料を都度更新します。2 所得税と住民税の基準の違いを区別して案内する :両者の基準額が異なることを従業員に伝えます。3 配偶者控除・扶養控除への影響を併せて説明する :本人の税負担にとどまらず、世帯全体への影響を確認します。4 年末調整の申告内容を早めに確認する :扶養控除等申告書の年収見込みが実態と合っているかを点検します。5 106万円・130万円の壁との違いを整理して伝える :社会保険の基準と税制上の基準を混同しないよう、あわせて説明します。
A. 103万円は、2024年分(令和6年分)までの基準です。給与収入のみの人に所得税がかかり始める目安は、2025年分は160万円、2026年分(令和8年分)からは178万円です。103万円という数字は、現在の所得税の基準としては使われなくなっています。配偶者控除の対象となる配偶者の給与収入の上限は、2024年分まで103万円、2025年分は123万円、2026年分は136万円です。2025年分の123万円は、給与収入から給与所得控除の最低保障額65万円を引いた額が、配偶者控除の所得要件である合計所得金額58万円以下に収まる上限の収入です(国税庁『タックスアンサー No.1800 パート収入はいくらまで所得税がかからないか』、2026-10-29取得)。
A. 住民税の給与所得控除の最低保障額は、令和9年度分から74万円に引き上げられます。引上げ額9万円のうち5万円分は、令和9年度分と令和10年度分の2年間の時限措置です。単身者の非課税ラインは、110万円から119万円になります。このほかに地方税独自の非課税限度額があり、実際の判定は市区町村が行うため、具体的な金額は市区町村の案内で確認してください(総務省『地方税法等の一部を改正する法律の概要』、財務省『令和8年度税制改正の大綱の概要』、2026-10-29取得)。
A. 103万円の壁が所得税に関する基準であるのに対し、130万円の壁は主に社会保険の扶養に関する基準であり、制度の根拠が異なります。
A. 2025年分(令和7年分)から、特定親族特別控除が設けられました。2025年分の対象は、生計を一にする19歳以上23歳未満の親族で、合計所得金額が58万円を超え123万円以下の人です。控除額は親族の合計所得金額に応じて決まり、最高63万円です。年末調整でこの控除を受けるには、従業員が申告書を提出します。申告書の名称は「給与所得者の特定親族特別控除申告書」です。2026年分以降の対象の範囲は、最新の国税庁の案内で確認してください(国税庁『令和7年度税制改正による所得税の基礎控除の見直し等について』、2026-10-29取得)。
A. 最新の基準額を正確に把握したうえで、従業員への周知資料や年末調整の案内を改正内容に沿って更新することが求められます。税務上の具体的な判断は、税理士や所轄の税務署に確認してください。
税制改正への対応にとどまらず、従業員が納得して働き方を選択できる環境づくりには、人事制度全体を見渡した対応が欠かせません。組織課題の解決に専門的な視点で取り組みたい企業様は、ぜひご相談ください。
WONDERFUL GROWTHでは、貴社の人材育成・組織課題の解決を専門的な視点からご支援いたします。ご相談は下記よりお気軽にお問い合わせください。
・ 関連用語:年収の壁、130万円の壁、106万円の壁 ✺ Editor’s Memo
現場での運用は、業界・規模・組織文化によって大きく変わります。記事内のインタビュー事例も併せて参考にしてください。
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106万円の壁とは、パートやアルバイトなどの短時間労働者が厚生年金保険と健康保険に加入する条件のうち、月額賃金8.8万円以上(年収に直すと約106万円)という賃金要件を指して使われてきた言葉です。短時間労働者への社会保険の適用拡大は、2016年10月に企業規模が500人超の企業から始まりました。加入により手取り収入が一時的に減少するケースがあるため、労働時間を意図的に抑える「就業調整」の一因になっているとされてきました。2026年(令和8年)10月1日に、この賃金要件は撤廃されました。現在の主な加入条件は、週の所定労働時間が20時間以上であること、勤め先が、厚生年金保険の被保険者数(短時間労働者を除く)が51人以上の企業等であること、学生でないことの3点です。企業規模要件は、2027年10月から2035年10月までの間に段階的に撤廃されます。規模の小さい企業で働く短時間労働者にも、適用が広がります(日本年金機構『2026(令和8)年10月に社会保険の短時間労働者に係る賃金要件が撤廃されました』、日本年金機構『短時間労働者に対する健康保険・厚生年金保険の適用の拡大』、厚生労働省『社会経済の変化を踏まえた年金制度の機能強化のための国民年金法等の一部を改正する等の法律(令和7年法律第74号)の概要等』、2026-10-29取得)。