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130万円の壁とは?社会保険の扶養基準と2026年の判定方法の変更を解説
はじめに
配偶者の扶養に入りながら働くパート従業員から「年収が130万円を超えそうなので、勤務時間を減らしたい」と相談された経験を持つ人事・労務担当者は多いのではないでしょうか。こうした就業調整の判断基準となっているのが「130万円の壁」です。2026年には扶養認定の判定方法そのものが見直される予定であり、実務対応の更新が必要になっています。本記事では、130万円の壁の基本的な仕組みと今後の変更点を解説します。
130万円の壁とは?
130万円の壁とは、健康保険や厚生年金保険において、配偶者などの被扶養者として認定される年収の上限を指す言葉です。年収がこの金額を超えると、配偶者の勤務先の社会保険の扶養から外れ、自分自身で国民健康保険・国民年金に加入するか、自分の勤務先の社会保険に加入する必要が生じます。扶養から外れることで新たに保険料の負担が発生するため、これを避けようと労働時間を抑える就業調整の要因になってきました。106万円の壁が一定規模以上の企業に勤める本人の加入基準であるのに対し、130万円の壁は主に配偶者の被扶養者としての認定基準である点が異なります。
130万円の壁がよく使われるシーン
- 配偶者を扶養する従業員への説明:本人ではなく配偶者が働く場合の、扶養認定の基準を説明する場面。
- 年収見込みの確認業務:健康保険組合等から被扶養者の収入確認を求められた際に、年収見込みを整理する場面。
- 繁忙期の勤務調整の相談対応:残業や繁忙期の勤務増加により年収が基準に近づいた従業員への対応を検討する場面。
- 学生・年少扶養親族の取り扱いの確認:19歳以上23歳未満の親族を扶養する従業員から、収入基準について問い合わせを受ける場面。
- 社内規程・説明資料の更新:制度改正の内容を踏まえて、社内の案内文書を見直す場面。
130万円の壁を理解することの重要性
130万円の壁を正しく理解しておくことは、従業員が扶養の範囲を意識しながら働き方を選べるようにするうえで欠かせません。基準を誤って伝えると、従業員が意図せず扶養から外れてしまい、想定していなかった保険料負担が生じる可能性があります。
2026年4月からは被扶養者の認定方法が見直され、実際に得た年収の実績ではなく、労働条件通知書に記載された年収見込み額をもとに判断する方式に改められる予定です。この変更により、繁忙期の残業などで一時的に年収が基準を超えた場合でも、契約上の年収見込みが基準内であれば扶養にとどまれるようになると見込まれています。あわせて、2025年10月からは19歳以上23歳未満の親族を対象とした収入基準が130万円から150万円に拡大されており、対象者の範囲や基準額を正しく把握しておくことが求められます。
実務で活かすためのチェックポイント
- 2026年4月の判定方法の変更点を把握する:年収実績ではなく年収見込み額での判定に変わる点を確認します。
- 労働条件通知書の記載内容を整備する:見込み年収の記載が扶養認定の根拠として使われることを踏まえ、記載内容を見直します。
- 19歳以上23歳未満の親族の基準変更を確認する:対象となる従業員がいる場合は、150万円への基準拡大を案内します。
- 106万円の壁との違いを整理して案内する:本人の社会保険加入基準と、配偶者の扶養認定基準を混同しないよう説明します。
- 繁忙期前に従業員へ周知する:残業増加が見込まれる時期の前に、扶養への影響をあらかじめ伝えます。
よくある質問(FAQ)
Q1. 130万円の壁は廃止されますか。
A. 130万円という基準額そのものは維持される見通しです。2026年4月からは、年収の実績ではなく見込み額で判定する方式に変わります。
Q2. 106万円の壁とはどう違いますか。
A. 106万円の壁は一定規模以上の企業に勤める短時間労働者本人の社会保険加入基準であるのに対し、130万円の壁は配偶者等の被扶養者としての認定基準です。
Q3. 2026年4月以降、繁忙期に残業をしても扶養から外れませんか。
A. 労働条件通知書に記載された年収見込みが基準内であれば、一時的な残業により実際の年収が基準を超えても扶養にとどまれる見込みです。ただし、契約内容そのものが基準を超える場合は対象外となるため、個別の確認が必要です。
Q4. 学生の扶養にも影響がありますか。
A. 19歳以上23歳未満の親族については、2025年10月から収入基準が130万円から150万円に拡大されています。
Q5. 103万円の壁との関係を教えてください。
A. 103万円の壁は所得税に関する基準であるのに対し、130万円の壁は社会保険の扶養に関する基準であり、制度の根拠が異なります。
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