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エイジフレンドリーガイドライン

Reading エイジフレンドリーガイドラインEnglish Age-Friendly Guidelines

エイジフレンドリーガイドラインとは、厚生労働省が2020年3月に策定した「高年齢労働者の安全と健康確保のためのガイドライン」の通称です。高年齢の従業員が安全に働き続けられるよう、事業者が取り組むべき事項と、労働者自身に求められる事項を整理しています。

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はじめに

定年後の再雇用者が増えるなかで、段差でのつまずきや腰痛による休業が目立つようになった。本人の不注意として処理してよいものか、企業として何をすべきか判断がつかない。こうした課題に向き合う指針がエイジフレンドリーガイドラインです。本記事では、エイジフレンドリーガイドラインの意味やよく使われる場面、実務で活かすための留意点を整理してご紹介します。

エイジフレンドリーガイドラインとは?

エイジフレンドリーガイドラインとは、厚生労働省が2020年3月に策定した「高年齢労働者の安全と健康確保のためのガイドライン」の通称です。高年齢の従業員が安全に働き続けられるよう、事業者が取り組むべき事項と、労働者自身に求められる事項を整理しています。

策定の背景には、高年齢労働者の増加と労働災害の状況があります。労働災害による休業者のうち高年齢者の占める割合は高く、なかでも転倒や墜落・転落、腰痛といった、加齢に伴う身体機能の変化と関わりの深い災害が多くを占めています。これらは本人の注意だけで防ぎきれるものではなく、職場側の環境整備が必要だという考え方に立っています。

ガイドラインが事業者に求める取組は、安全衛生管理体制の確立、職場環境の改善、高年齢労働者の健康や体力の状況の把握、その状況に応じた対応、そして安全衛生教育の実施という五つの柱で構成されています。職場環境の改善には、段差の解消や手すりの設置といった設備面の対策に加え、勤務時間や作業ペースの調整といった作業管理の見直しも含まれます。

なお、このガイドラインは公表当初、法的な義務を伴わない指針という位置づけでした。その後、2025年に公布された改正労働安全衛生法により、高年齢労働者の特性に配慮した措置を講ずることが事業者の努力義務として法律に明記され、これを受けた「高年齢者の労働災害防止のための指針」が2026年4月1日から適用されています。

エイジフレンドリーガイドラインがよく使われるシーン

  • 継続雇用者の受け入れ:定年後再雇用の従業員が働く職場の環境を点検する場面。
  • 安全衛生委員会の議題設定:高年齢者の災害傾向を分析し、対策を検討する場面。
  • 職場巡視のチェック:段差、照度、手すりの有無などを確認項目として用いる場面。
  • 健康管理施策の設計:体力の状況の把握や、運動機能の維持に向けた取組を検討する場面。
  • 助成金の活用検討:高年齢労働者の職場環境改善に関する支援制度を利用する場面。

エイジフレンドリーガイドラインを理解することの重要性

このガイドラインを理解しておくことは、高年齢者の雇用を安全面から支えるうえで重要です。継続雇用や定年延長の議論は、処遇や役割の設計に集まりがちですが、実際に働き続けられるかどうかは職場の安全性に大きく左右されます。制度上は働ける状態を整えても、災害によって就業が中断すれば、本人にとっても企業にとっても損失となります。

また、努力義務として法律に位置づけられたことにより、対応の必要性は高まっています。努力義務は罰則を伴うものではありませんが、安全配慮義務との関係で、災害発生時に企業の対応が問われる根拠となり得ます。指針が示す取組を実施していたかどうかは、事後の説明において意味を持ちます。

もう一つ見落とされやすいのが、対策の効果が高年齢者に限られない点です。段差の解消、照度の確保、重量物の取扱いの見直しといった改善は、若年層を含むすべての従業員の安全性を高めます。年齢を理由とした特別扱いではなく、誰にとっても働きやすい職場をつくる取組として位置づけることで、現場の理解も得やすくなります。

実務で活かすためのチェックポイント

  1. 災害の傾向を把握する:自社で発生した災害を年齢層別に整理し、転倒や腰痛の割合を確認します。
  2. 現場を歩いて点検する:段差、照度、通路の幅、手すりの有無などを、実際の動線に沿って確かめます。
  3. 体力の状況を把握する:本人の同意を得たうえで、体力チェックなどの手段により状況を確認します。
  4. 作業管理を見直す:設備投資だけに頼らず、勤務時間や作業の割り当てによる負荷の調整も検討します。
  5. 本人の意見を聞く:働きにくさを感じる場面を当事者から聞き取り、改善の優先順位に反映します。

よくある質問(FAQ)

Q1. 何歳以上が対象になりますか。

A. ガイドラインは高年齢労働者を一律の年齢で定義していません。自社の従業員構成や作業内容を踏まえ、対象範囲を検討することが求められます。

Q2. 努力義務とは、対応しなくてもよいという意味ですか。

A. 罰則は伴いませんが、対応が不要という意味ではありません。安全配慮義務との関係もあり、実施状況が問われる場面があります。

Q3. 中小企業でも対応が必要ですか。

A. 必要です。規模にかかわらず対象となります。設備投資が難しい場合は、作業手順や勤務時間の調整から着手する方法があります。

Q4. 体力チェックは強制できますか。

A. 本人の同意を前提とすべきものです。目的を丁寧に説明し、結果を不利益な取扱いに用いないことを明確にする必要があります。

Q5. 費用面の支援はありますか。

A. 高年齢労働者の職場環境改善を対象とした助成制度が設けられています。要件や公募時期は変更されるため、最新の情報をご確認ください。

自社の人材育成・組織課題に関するご相談

高年齢者が安全に働ける職場づくりは、継続雇用制度の設計や現場のマネジメントと一体で進める必要があります。シニア人材の活躍推進をお考えの企業様は、ぜひご相談ください。

WONDERFUL GROWTHでは、貴社の人材育成・組織課題の解決を専門的な視点からご支援いたします。ご相談は下記よりお気軽にお問い合わせください。

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