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はじめに
全社的な方針転換や事業構造の見直しを進めようとすると、部門ごとに立場が異なり、話し合いが利害の主張の応酬に終わってしまう。会議を重ねても合意に至らないという悩みは、多くの企業に共通します。立場の違う人々が同じ場に集まり、共通の未来像を描くために設計された手法がフューチャーサーチです。本記事では、フューチャーサーチの意味やよく使われる場面、実務で活かすための留意点を整理してご紹介します。
フューチャーサーチとは?
フューチャーサーチとは、ある課題に関わる立場の異なる関係者が一堂に会し、過去の振り返りから現在の認識共有を経て、目指したい未来像とその実現に向けた行動計画までを短期間で描き出す話し合いの手法を指します。マーヴィン・ワイスボードとサンドラ・ジャノフによって1987年に提唱されました。
関係者全体を同じ場に集めるという発想から、ホールシステム・アプローチと呼ばれる一群の手法の一つに数えられます。ワールドカフェやオープンスペーステクノロジーも同じ系統に属しますが、フューチャーサーチは概ね三日間という比較的長い日程を取り、過去、現在、未来という時間軸に沿って段階的に進める点に特徴があります。
進め方はおおよそ次の流れをたどります。まず参加者が個人史と組織や社会の出来事を年表に書き出し、共通の来歴を確認します。次に、現在起きている外部環境の変化を全員で洗い出し、立場ごとに何を誇りに思い何を残念に思っているかを率直に語ります。そのうえで、望ましい未来の姿を場面として描き、最後に立場を超えて合意できる共通の土台を確認し、具体的な行動へと落とし込みます。
この手法では、対立点を議論して決着させることをあえて避け、全員が同意できる領域に焦点を当てます。意見の相違は記録として残しますが、その場での説得や採決は行いません。合意できる範囲から行動を始めるという設計思想が、短期間での前進を可能にしています。
フューチャーサーチがよく使われるシーン
- 中期経営計画の策定:部門横断で目指す姿を描く場面。
- 企業理念やビジョンの再定義:立場の異なる社員が納得できる言葉を探す場面。
- :合併や統合により文化の異なる集団が交わる場面。
✺ Editor’s Memo
現場での運用は、業界・規模・組織文化によって大きく変わります。記事内のインタビュー事例も併せて参考にしてください。
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