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はじめに
研修を実施したものの、受講者の反応は良かったのに現場での行動が変わらない。講師の力量や教材の出来ではなく、学習の進め方そのものに原因があるのかもしれません。学びが定着するために必要な働きかけを順序立てて示したのが、ガニェの9教授事象です。本記事では、ガニェの9教授事象の意味やよく使われる場面、実務で活かすための留意点を整理してご紹介します。
ガニェの9教授事象とは?
ガニェの9教授事象とは、人が新しい知識や技能を身につける際の頭の中の情報処理の流れに沿って、学習を支援する外側からの働きかけを九つの段階に整理した枠組みを指します。アメリカの教育心理学者ロバート・M・ガニェが提唱しました。
九つの段階は、導入、情報の提示、学習の転移という三つのまとまりで捉えると理解しやすくなります。導入にあたるのは、注意を引く、目標を知らせる、前提となる知識を思い出させるという三つです。情報の提示にあたるのは、新しい事項を提示する、学習の指針を与える、練習の機会をつくるという三つです。学習の転移にあたるのは、フィードバックを与える、学習の成果を評価する、保持と応用を促すという三つです。
この枠組みは、教育を一つのシステムとして設計するインストラクショナルデザインの代表的な理論の一つに位置づけられます。教材や研修を作る際に、内容の善し悪しだけでなく、学び手の認知の流れに沿った順序で構成されているかを点検する物差しとして機能します。
もともとは学校教育の授業設計を想定した理論ですが、現在では企業研修や電子教材の設計にも広く応用されています。とくに、講義形式に偏りがちな研修に対して、練習とフィードバックの機会が組み込まれているかを確認する観点を与えてくれます。
ガニェの9教授事象がよく使われるシーン
- 研修プログラムの設計:一日の研修の流れを組み立てる場面。
- eラーニング教材の開発:自習形式の教材に演習と確認を組み込む場面。
- :現場社員が講師を務める際の設計指針を伝える場面。
✺ Editor’s Memo
現場での運用は、業界・規模・組織文化によって大きく変わります。記事内のインタビュー事例も併せて参考にしてください。
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