❖ HR Dictionary

エレベーターピッチ

Reading エレベーターピッチEnglish Elevator Pitch

エレベーターピッチとは、およそ15秒から30秒という短時間で、自分の提案や事業の要点を相手に伝える話し方の手法を指します。エレベーターに乗り合わせたわずかな時間で投資家に事業構想を説明し、次の面談につなげたという米国の起業家の逸話が名称の由来とされています。

⌖ Detail

はじめに

会議の合間に役員から「それで、何がしたいの」と問われ、うまく答えられずに終わってしまった。展示会で名刺交換をしたものの、自社の強みを伝えきれないまま相手が離れていった。こうした場面で役立つのがエレベーターピッチです。本記事では、エレベーターピッチの意味やよく使われる場面、実務で活かすための留意点を整理してご紹介します。

エレベーターピッチとは?

エレベーターピッチとは、およそ15秒から30秒という短時間で、自分の提案や事業の要点を相手に伝える話し方の手法を指します。エレベーターに乗り合わせたわずかな時間で投資家に事業構想を説明し、次の面談につなげたという米国の起業家の逸話が名称の由来とされています。

この手法の眼目は、短く話すこと自体ではありません。相手に「もう少し聞きたい」と思わせ、次の機会を得ることに目的があります。したがって、限られた時間ですべてを説明しようとするのではなく、関心を引く一点に絞り込む姿勢が求められます。

構成としては、相手の注意を引く導入、解決したい課題、提案する解決策、他との違い、そして次の行動の依頼という流れが広く用いられています。この順序は、相手にとっての意味から入り、自分の主張へと進む構造になっています。自社の説明から始めてしまうと、相手が聞く理由を見つけられないまま時間が過ぎるため、順序は重要です。

なお、エレベーターピッチは営業や起業の場面に限られるものではありません。社内で企画を通す場面、採用面接で自己紹介をする場面、部門間で協力を求める場面など、相手の時間が限られているあらゆる状況で応用できます。

エレベーターピッチがよく使われるシーン

  • 新規商談の初回接点:展示会や交流会で、短時間に自社の価値を伝える場面。
  • 社内提案の打診:意思決定者に企画の要点を伝え、正式な検討の場を設けてもらう場面。
  • 採用面接の自己紹介:候補者が自身の強みと志望理由を簡潔に述べる場面。
  • 採用広報での説明:自社の魅力を短く言い切り、応募につなげる場面。
  • 営業研修の題材:話し方の型を身につける訓練として、演習に用いる場面。

エレベーターピッチを理解することの重要性

エレベーターピッチを理解しておくことは、伝える力を組織の能力として底上げするうえで重要です。話が長い、要点が見えないという課題は、個人の話し方の問題として片づけられがちですが、実際には自社の価値を言語化できていないことに原因がある場合が少なくありません。短く言い切ろうとすると、その言語化の不足が浮き彫りになります。

また、この手法は思考の整理そのものにも役立ちます。誰のどのような課題に、自分たちは何を提供しているのか。競合との違いはどこにあるのか。これらを30秒に収める作業は、事業や企画の骨格を点検する機会になります。作成の過程で論点の抜けに気づくことも多くあります。

一方で、注意すべき点もあります。型に沿って話すことが目的化すると、どの相手にも同じ内容を繰り返すことになり、かえって関心を失わせます。相手が誰で、何に関心があるのかによって、強調する箇所は変わります。骨格は共通でも、導入と課題の部分は相手に合わせて調整することが前提です。

実務で活かすためのチェックポイント

  1. 相手を特定する:誰に向けて話すのかを決め、その相手の関心に合わせて内容を組み立てます。
  2. 課題から入る:自社の説明ではなく、相手が抱える課題の提示から始めます。
  3. 専門用語を避ける:社内でしか通じない略語や業界用語は、平易な言葉に置き換えます。
  4. 次の行動を依頼する:説明で終わらせず、面談の設定など具体的な依頼で締めくくります。
  5. 声に出して確かめる:実際に話して時間を計り、言いにくい箇所を修正します。

よくある質問(FAQ)

Q1. 何秒程度が適切ですか。

A. 一般には15秒から30秒程度とされます。相手の状況に応じて、要点のみの短い版と、少し詳しい版を用意しておくと対応しやすくなります。

Q2. 台本を暗記すべきでしょうか。

A. 一言一句の暗記は不自然な印象を与えます。構成と要点を覚え、言葉は場面に応じて選ぶ形が適しています。

Q3. 社内でも使えますか。

A. 使えます。上位者への提案や他部門への協力依頼など、相手の時間が限られる場面で有効です。

Q4. 商品説明との違いは何ですか。

A. 商品説明は仕様を伝えることが目的ですが、エレベーターピッチは関心を引き、次の機会を得ることが目的です。

Q5. 研修で扱う場合の進め方は。

A. 各自が作成したうえで相互に聞き合い、伝わった内容を言葉にして返す形式が効果的です。伝えたつもりとの差が明確になります。

自社の人材育成・組織課題に関するご相談

エレベーターピッチは、営業力の強化にも、提案の通りやすさにも直結する基本技能です。伝える力の育成や営業研修の設計をお考えの企業様は、ぜひご相談ください。

WONDERFUL GROWTHでは、貴社の人材育成・組織課題の解決を専門的な視点からご支援いたします。ご相談は下記よりお気軽にお問い合わせください。

https://wonderful-growth.com/contact

関連情報

  • カテゴリ:マーケ・営業
  • スラッグ:elevator_pitch
  • 想定URL:https://wonderful-growth.com/swk/hr_words/elevator_pitch
  • 関連用語:ソリューション営業、バリュープロポジション、ロジカルシンキング、アサーティブコミュニケーション、採用ピッチ資料

✺ Editor’s Memo

現場での運用は、業界・規模・組織文化によって大きく変わります。記事内のインタビュー事例も併せて参考にしてください。

— SHARE with カイシャの育成論 編集部

⌖ Related Words

あの用語との関係