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ラーニングピラミッドとは?意味と研修設計への活かし方を解説
はじめに
研修を実施しても、受講者が内容をすぐに忘れてしまい、実務に定着しないという悩みを抱える育成担当者は少なくありません。座学の講義を丁寧に行っても、聞くだけの学習では記憶に残りにくいことがあります。研修後のアンケートでは満足度が高くても、数か月後に現場で内容が活かされていないという声が上がることもあります。ラーニングピラミッドは、学習方法によって内容の定着しやすさが異なることを示す考え方であり、研修プログラムをアウトプット重視の設計に見直す際の手がかりになります。本記事では、その意味と活用のポイントを解説します。
ラーニングピラミッドとは?
ラーニングピラミッド(Learning Pyramid)とは、学習方法と学習内容の定着率との関係をピラミッド型の図で表した考え方で、「学習の円錐」「経験の円錐」とも呼ばれます。アメリカ国立訓練研究所(NTL)が学習活動に関する研究の中で提唱したとされ、講義を聞く、読書をするといった受動的なインプット型の学習は定着率が低く、グループ討論を行う、自ら体験する、他者に教えるといった能動的なアウトプット型の学習ほど定着率が高いことを示しています。紹介される際には、講義は5%、読書は10%、グループ討論は50%、自ら体験することは75%、他者に教えることは90%といった具体的な数値が示されることが多くあります。ただし、これらの数値の出典や算出根拠については明確なエビデンスが確認できないという指摘も研究者から寄せられており、数値そのものを厳密な科学的事実として扱うのではなく、能動的な学習の効果を分かりやすく伝える考え方として理解することが妥当とされています。
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ラーニングピラミッドがよく使われるシーン
研修プログラムを設計する際、座学の講義だけで完結させず、グループ討論やロールプレイングなどの演習を組み込む根拠として使われます。社内勉強会やナレッジシェア会を企画する際、「学んだ内容を人に教える」機会を設ける意義を説明する場面でも用いられます。OJTにおいて、先輩社員が後輩に教えることが自身の学習にもつながるという説明にも使われます。研修の内製化を進める際、講師役を担当者が持ち回りで担うことの効果を伝える文脈でも参照されます。
ラーニングピラミッドを理解することの重要性
ラーニングピラミッドを理解する意義は、研修が「聞かせること」自体を目的化していないかを見直すきっかけになる点にあります。丁寧な講義資料を用意しても、受講者が受け身のまま情報を受け取るだけでは、実務での活用にはつながりにくいものです。グループ討論や体験、他者に教える機会を組み込むことで、学んだ内容を自分の言葉で整理し直すプロセスが生まれ、定着が進みやすくなります。人事担当者にとっては、研修設計を見直す際の共通言語として活用できるとともに、数値の妥当性に関する留意点をあわせて伝えることで、根拠に基づいた誠実な研修企画を進める姿勢を示すことにもつながります。研修の企画段階で「この内容は誰が、どのように体験し、誰に説明する機会があるか」を問い直すだけでも、プログラム全体の設計が受け手本位のものに近づいていきます。