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はじめに
従業員一人ひとりが自らのキャリアを主体的に考える状態は、多くの企業にとって望ましいものです。しかし日々の業務に追われるなかで、自分のキャリアを見つめ直す機会は自然には生まれにくいものです。そうした機会を企業の仕組みとして設けるための考え方が、セルフ・キャリアドックです。本記事では、その意味やよく使われる場面、導入にあたっての実務上の留意点を整理してご紹介します。
セルフ・キャリアドックとは?
セルフ・キャリアドックとは、企業が自社の人材育成ビジョンや方針に基づき、キャリアコンサルティング面談とキャリア研修などを組み合わせて、体系的かつ定期的に従業員のキャリア形成を支援する総合的な取り組み、およびそのための企業内の仕組みを指します。厚生労働省が普及を推進している考え方です。
名称の「ドック」は人間ドックになぞらえたものです。健康診断を定期的に受けるのと同じように、従業員が節目ごとに自らのキャリアを点検し、これからの方向性を考える機会を設けるという発想に基づいています。
背景には、2016年に改正・施行された職業能力開発促進法があります。この改正では、労働者が自らの職業生活の設計と能力開発に主体的に取り組むよう促すとともに、事業主には従業員へのキャリアコンサルティングの機会確保と能力開発の支援に努めることが求められました。
セルフ・キャリアドックの特徴は、面談を単体で行うのではなく研修などと組み合わせる点、そして単発のイベントではなく定期的・体系的に実施する点にあります。従来の人事評価を起点とした人材育成とは異なり、従業員自身が主体となってキャリア形成を進めることを支える設計になっています。
セルフ・キャリアドックがよく使われるシーン
- キャリア自律の推進:従業員が自らのキャリアを主体的に考える風土をつくろうとする場面。
- 節目研修の設計:入社3年目、30代、40代、役職就任時など、キャリアの節目に応じた支援を組み立てる場面。
- :定年やその後の働き方を見据え、経験の棚卸しと今後の方向性を整理する場面。
✺ Editor’s Memo
現場での運用は、業界・規模・組織文化によって大きく変わります。記事内のインタビュー事例も併せて参考にしてください。
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