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一時帰休とは?意味と休業手当の仕組みを解説
はじめに
急激な業績悪化や受注減少に直面したとき、企業は人員をどう扱うかという難しい判断を迫られます。解雇に踏み切る前に検討される選択肢のひとつが「一時帰休」です。本記事では、一時帰休の意味と、関連する休業手当や助成金の仕組みについて解説します。
一時帰休とは?
一時帰休とは、企業が業績悪化や受注減少、生産調整といった経営上の理由により、従業員を一時的に休業させることを指します。雇用契約は維持したまま休業させる点が特徴で、雇用契約そのものを終了させる解雇とは明確に異なります。
使用者の都合による休業、すなわち「使用者の責に帰すべき事由」による休業に該当する場合は、労働基準法第26条に基づき、休業期間中も平均賃金の60%以上の休業手当を支払う義務があります。この休業手当の支払いと組み合わせて活用されることが多いのが雇用調整助成金です。主な要件としては、直近3か月の月平均売上高などが前年同期比で10%以上減少していること、休業・教育訓練・出向のいずれかの雇用調整措置を実施していることなどが挙げられます。
なお、休業手当の支払い義務が生じるのは、あくまで使用者側の事情による休業の場合です。地震や豪雨といった天災など、使用者にはどうすることもできない不可抗力によって事業の継続が不可能になった場合は、この義務の対象外とされています。実務では、自社の休業がどちらに該当するのかを慎重に見極める必要があります。
一時帰休がよく使われるシーン
景気後退や特定業界の需要急減など、企業の業績が急速に悪化した局面で、人員整理よりも先に検討される場面で使われます。人事・労務担当者が、解雇を回避しながら雇用を維持する方法を検討する際、経営陣への説明資料の中でこの言葉が登場します。また、雇用調整助成金の申請を検討する場面でも、一時帰休の実施が要件のひとつとして扱われます。
一時帰休を理解することの重要性
一時帰休を理解する意義は、業績悪化時に取り得る選択肢の幅を把握できる点にあります。解雇やリストラといった雇用そのものを終了させる手段に踏み切る前に、雇用を維持しながら人件費を調整する方法があることを知っておくことは、経営判断において重要です。
一方で、休業手当の支払い義務や雇用調整助成金の要件を正しく理解していないと、労働基準法違反や助成金の不支給につながるおそれもあります。一時帰休は従業員の生活への影響が大きい措置であるため、実施にあたっては制度の仕組みを正確に理解し、丁寧な説明とともに進めることが求められます。休業からの復帰後を見据え、業務体制の再構築や従業員のモチベーション回復にも配慮した計画をあらかじめ立てておくことが望ましいといえます。
実務で活かすためのチェックポイント
- 休業手当の支払い義務を確認する:使用者の責に帰すべき事由に該当するかを確認し、平均賃金の60%以上を支払います。
- 雇用調整助成金の要件を確認する:売上高の減少幅など、助成金の対象要件を満たしているかを確認します。
- 対象者と期間を明確にする:一時帰休の対象となる従業員の範囲と実施期間を明確に定めます。
- 従業員への説明を丁寧に行う:解雇ではなく雇用を維持する措置であることを含め、目的と内容を丁寧に説明します。
- 解雇との違いを整理する:一時帰休とレイオフ(一時解雇)、リストラとの違いを社内で正しく共有します。
- 不可抗力に該当するかを見極める:天災など使用者の責によらない休業に該当するかどうかを慎重に判断します。
よくある質問(FAQ)
Q1. 一時帰休とはどのような制度ですか。
A. 業績悪化などの経営上の理由により、雇用契約を維持したまま従業員を一時的に休業させることです。
Q2. 一時帰休中の給与はどうなりますか。
A. 使用者の責に帰すべき事由による休業の場合、労働基準法第26条に基づき平均賃金の60%以上の休業手当を支払う義務があります。
Q3. 解雇とはどう違いますか。
A. 一時帰休は雇用契約を維持したまま休業させる措置であり、雇用契約自体を終了させる解雇とは異なります。
Q4. 雇用調整助成金とはどのような関係がありますか。
A. 一時帰休と組み合わせて雇用調整助成金を活用できる場合があり、売上高の減少や休業などの実施が主な要件となります。
Q5. レイオフとは同じ意味ですか。
A. レイオフは一時解雇を意味することが多く、雇用契約を維持する一時帰休とは異なる概念として区別されます。
Q6. 天災の場合も休業手当を支払う必要がありますか。
A. 地震など使用者にはどうすることもできない不可抗力による休業の場合は、労働基準法第26条に基づく休業手当の支払い義務の対象外とされています。
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